山路 裕希(YUKI YAMAJI)
2018年11月から2021年8月まで配信していた定期購読マガジン「カフェを経営して暮らしていくこと」の廃刊に伴い、リアクション(人気)の高かった記事をこちらで選別したおまとめパックです。カフェが好き、いつかカフェを開きたい、すでに自分のカフェがあるけどいろいろと悩んでいる、などいろんな方にご購読いただいていたマガジンです。
「薬を飲み忘れないように」 旅は、旅の一週間前から始まっています。鼻水をぐずぐずしている子どもが当日体調を崩してはいけない、大人ももちろんそうですし、いかに健康でその日を迎えるか、ということに命をかけます。旅行は良好に。 治りそうだからと薬は処方通り飲み切ることが大事です。 身体が健康であれば、心の状態もいいのです。暑い夏でも、寒い冬でも、天気予報が雨でも、「そういうこともあるよ」「それはそれで楽しむしかない」と思えるようになります。 旅へ出ようとしたらば、行き先が煙の
「過去は遠い」 78,338,770 kmという数字があります。 毎日頑張って50km歩いたとしても、 1566775.4日で、 つまり429.5年、約430年かかる。 これは地球と火星との距離の話です。 しかも火星が地球へと最接近しているときの距離だというので、途方に暮れるような話ですが、人間の寿命がそれ以上あるのなら、いつかはたどり着くというわけです。不可能ではないというだけで救いがある。 僕らはいつか未来へとたどり着きます。いま、まさに未来へと到着しています。生まれ
僕らは変化を受け入れいかねばならない。ずっと変わらないものなどないのだ。 先日東京の店舗を閉めた。東京に来る前に、地元仙台でやっていた店を閉めたから、店を畳むのは今回で2回目。 コロナ禍に無理して出した店舗だったから、チューニングがそれほどバチっと決まらないままだった。「寂しい」はあったけど、「悲しい」がなかったから、ほんとうは自分はずっと前から店を閉めたかったんだなとそこで気づいた。東京で一生やるんだと自分で勝手に決め込んだけれど、まやかしだった。 お客様からすれば残念
自宅近くのカフェラパンでモーニングコーヒーを飲むことが増えました。 住んでみると、墨田区も台東区も、いわゆる下町だなぁという、THE混沌を感じる毎日で、しかしながらそのなかのオアシスともいうべき場所が上野のラパンです。 スタッフさん全員が素晴らしく、多分違うけど全員家族?と思えるくらい同じようなテンションでサービスをしてくれる。 チーズトーストのチーズがプロセスチーズだったり、月替わりのおすすめ珈琲もとても甘くて美味しい。 さて、普段はそのまま店に行って仕事して、帰ってき
店で映画のサントラばかり聴いている。移動のときはハードロックとかヘヴィメタも聴く。店だとさすがにうるさいし(自覚はある)、曲の中で急にシャウトしたりするのがびっくりされるかもしれない、と思って店で流すのはあまりリズムのないものが多い。打ち込みだとギリギリいけて、生っぽい音だとちょっと、みたいな変な線引きがある。 毎日映画を観ているからか、店のBGMも映画のサントラばかりになった。流浪の月とか、ラーゲリより愛を込めてとか、君の膵臓をたべたいとか、やがて海へ届くとか。 洋画だ
僕が生まれた青森県の八戸市に、ピエロ洋菓子店というケーキ屋さんがあります。小さい頃はそこでソフトクリームを売っていて、焼き菓子の美味しさ、よりもソフトクリームが美味しいのでそこに行きたい、という感じでした。おばあちゃんがよく連れて行ってくれていました。 気づいた時にはソフトクリームや喫茶は無くなっていて、焼き菓子と洋菓子に力を入れた専門店となっていました。 地名を冠した「ゆりの木通り」というチーズブッセと、ダックワーズが美味しくて、今でもそればかり買っていますし、実際にそ
昨日、家族で浅草ロックス(雷門の裏の方)のスシローに行ったら50分待ちくらいで、ほとんどが外国のお客さんだった。 うちはスマホから来店予約みたいなものをして、待ち時間がほとんどない状態を見計らって(あと何組で呼ばれますよと連絡がくる)、スシローに行ったのだけど、それでも30分くらい待ち時間があった。 ベンチで座って待っていたら、食べ終わってお会計しに出てきた美容師さんの団体みたいな子たちが、待合室を見ながら「こんなにたくさん待ってるなら早く出れば良かったね!」と話していて、配
夜、玄関や窓を開けた時に、あの「夏の匂い」を感じる。夏が来る。 このnoteもそうだし、SNSも、自分のお店も、自分の生き方さえもなんかよく分からなくなる時期やタイミングが結構あります。バイオリズム的なものだと思うけれど。 「何書こう?」「おもしろいかな?これ」「味音痴の人だけで成立している店になっていたらどうしよう」「そもそもこの生き方で自分は合ってるのか」 それで人の真似をしたくなったりする。 文章の書き方や言い回しや、呟く内容、流行ってるお店のポイントを探ってみた
今日は僕がコンサルティングで関わらせていただいているお店の現場へと行ってきました。 ご自宅を改装されていて、青葉山という、仙台でいうと少し山のなかと聞いていたので「大丈夫かな〜」と思いながら伺ったのですが、近くには大学のキャンパスもあり、一軒家がたくさん立ち並んでいて、外からの流入を期待するのは難しそうでしたが近隣の方にターゲットを絞ってやっていけそうに感じました。 メニューを作り、値段を決め、どのように提供し、在庫はどのくらい抱え、どんなお客様が来るのかを想定し、お店の
いろんな争いが世界で起こると(戦争なんてずっと起きているけれど)それに加担しているというような企業の名前を出して、「あそこのコートを着ているなんて」「あそこのコーヒーを飲むなんて」というふうに言われるようになります。これは例えば、ですが、他にも直接的に商社さんの名前を出したりもあります。不買運動のようになったりもします。 きっと、それは概ね正しいのでしょう。 ただ、それだけでいいのだろうか?と考えます。 最初に書いたモダンタイムスの中で、諸悪の根源であると思われる会社に主
店で使っているテーブルは、オープン時にオーダーメイドで作ったものです。 当時は「東京カフェっぽいものを」というコンセプトがありましたから、この、シルバーのリムなんかも青山にあったdragonfly cafeへのオマージュだったりします。dexee dinerとか。 そういえばgrammeのときはテーブルだけでなく椅子も全部オーダーしたものでした。 張り地から何から自分で決めるのはとても楽しかった(居心地よくて長居されても困るのでテーブル席は背もたれのないものを選んだ)の
定期購読マガジンを廃刊しまして(2回目)、6月からは無料記事を、また以前のように(毎日までとはいかなくとも)頻度を上げて書いていければと思います。 思えば最初のマガジンはカフェ経営の教科書のようなもの、例えば自分が店を始める前に知っておきたかったこと(かつ本には書いていないこと)を書いていました。 最近までのマガジンは、自分の生活のことを書いていました。 最初のマガジンは、やはりハウツー的な要素もありまして200人前後の読者さんを行ったり来たりで、その次のマガジンは内容
この記事はTHE YELLOW MONKEYのアルバム、sparkle Xの先行試聴会に参加してのレポート(のようなもの)です。 THE YELLOW MONKEYは解散したことがある。解散していた、とも言えるけれど、一度この世界から無くなったのだ。 2016年に再集結ということで復活を果たしたが、そこからこれまでに発売されたアルバムは9枚目の「9999」だけで、その他はライブ盤やシングルの発売、デジタル配信に留まっていた。 どれも素晴らしい作品だった。 しかしながら