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10月からスタッフの募集をしていました。
これまでハローワークで求人してもらうとか、いわゆるフリーペーパーとか、そういうものに頼ったことは一度もなく、店内に募集の紙を貼ったりSNSで募集したりということばかりで、それでも困ったことはなかったんです。
今回は、僕の考え方を理解してくれている人がいいな、と最初は定期購読マガジンの読者さんから募集を始めました。
一緒に働いていくために(会社を運営するのに)そこのすり合わせをする時間やコストはいずれ必要なので、それなら最初から共通言語があればそのコストは無くなります。
(そういえば宇宙って予算コストゼロ、納期は7日間だそうです。)
そのあとに一般(?)募集。たくさんお問い合わせをいただきました。本当にありがとうございます。
面接まで進んだ方は3割くらいだったかと思いますが、最初の段階で振り落としていくのはとっても簡単なのです。自己紹介のない人や連絡のスピード感の遅い人、SNSでの振る舞い。
そこまでは「自分の基準」があるので、正直心が痛むことなく(悩むことなく)淡々と選んでいくことができるのです。
悩ましいのは面接をした方々です。
今回は面接を10人くらいさせていただきましたが本採用までいったのはひとりだけです。その方はその場で採用だったのですが。
(結局マガジンの読者さんでした。)
そのほかの方は条件やタイミングが合わない方も含め、採用は見送らせていただきました。
悪い人がひとりもいない、というのが本当につらいです。そういう人を不採用にする、これは本当に胸が痛みます。
僕は面接を1時間弱ほどするのですが、面接という名の雑談なので1時間も話していると愛着も湧いてくる。
そうすると大体がみなさん良い人だし、人間性に問題があるわけではないというのが分かってしまう。でも、落とさざるを得なかったりする。
僕が個人的に持っていて欲しいもの、持って面接に臨んで欲しいものがひとつあります。必要なのは「熱狂」です。
どうしても、うちで働きたい、という情熱のようなものですね。
これまでのスタッフや社員はわざわざ山形から引っ越してきたり、営業中に交渉してきたりした。今回採用した子も「とにかくなんでも良いからうちで働きたい」みたいなことを言っていた。
働けないなら死にます!くらいの勢いだった。(そんなことないか)
うちで働く理由のある人が僕にとっては採用する理由のある人、なので。
どの会社さんも同じだと思うのですが、それが「人事」というやつです。
僕が新しいスタッフを必要としているのは前提なんですけど、誰でもいいわけじゃない。
うちの会社はうちの存在を喜んでくれている人のためにやっているし、そしてそういう人の数を増やしていくことで社会やほかの会社さん(業者さん)にも還元できることが増えていくのですよね。小さい会社だけど。
そういうゲームを僕はしているので、それに熱狂しながら付き合ってくれる人でないといけないのです。
そういうカラクリはもちろん最初は理解できなくてもいいけど、とにかく「ここで働きたい理由があるんです!」という人じゃないとなかなか厳しいのかな、と思っていたりします。
こだわらなければいくらでもスタッフを抱えることはできると思うのだけどそういう適当な人事をしてうちの価値が下がっていくのであればやらないほうがいいです。
とはいえ。
本当に悪気のある人っていないので。
採用できなかった子達には申し訳ない気持ちになったりします。
僕も気持ちはわかるのですが、なかなか自分の気持ちを表明するのって恥ずかしいです。それでも飲食店って「お客様に夢を見させる」仕事で、言ってしまえば騙す必要のある仕事ですよね、この人たちはプロフェッショナルである、と。
お店は舞台でお客様は観客。
「人にどう見られているのか」はとても大事なのでその場で情熱を表現し切れなかったらそれは僕を欺き切れなかったということで、それだとお客様に夢を見させることも難しいのかな、と思ったりします。
だから笑顔とか、挨拶とか、元気があるとか、そういうのって大事なのです。
もちろん情熱は溢れ出るものだから嘘か本当かはすぐに分かりますけど。
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