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作ってはいけない売り上げ
売り上げには2種類あります。
”作ってもいい売り上げ”と”作ってはいけない売り上げ”です。
作っていい売り上げは事業の運営に必要な売り上げのことです。つまり普通の営業活動をしていて、必然的に出る売り上げのことですね。
ほとんどの売り上げはこちらです。会社もお店も食べていかねばならない。
作ってはいけない売り上げというのは「みんなが不幸になる売り上げ」もしくは「嘘をついて作った売り上げ」のことです。
例えば、うちはカフェですがお客様を無理矢理詰め込むことはしません。カフェというの1坪に2席置かないと経営が立ち行かないよ(厳しいよ)という目安があるのですが、うちの場合は1坪に1席です。レストランなどとほぼ同じ席間の広さなのです。
普通のカフェよりは多少価格帯は上げていますが、驚くほど、というわけではない。と、なると必要なのは「回転」なのですが、席があいていても、こちらが満足できるサービスや商品を提供できそうにない状況や、お客様が不満を持ちそうな状況の時は時間の調整をしていただいたりします。回転どころか時間をかける。目先の売り上げに固執するとオペレーションはぐちゃぐちゃ、お客様はイライラ(待たされるし、ミスも起こるから)、商品はズタボロ、ということになりかねない。こんなお店に「最高だった、もう一回行くぞ!」となるでしょうか。いや、ならない、ですよね。
嘘をついて作った売り上げというのは商品の情報を偽ったとか、もしくは「自分に嘘をついて作った」売り上げということです。
自分に嘘をついてというのは「自分が作りたいように作らなかった」ということです。
うちはカヌレを焼くときに焦げる直前まで焼きます。外をガリッとさせたいからですね。
それは僕がそうしたいし、それが美味しいと感じるからです。
「焦げてません?」と言われても「それが美味しいので」と言えるからいい。
でも、少しソフトなカヌレが好きなのに焼きすぎてしまったと。そのカヌレが売れれば売り上げ達成ですよ、という場合、それを売った場合は「焦げてません?」と言われたときに「確かに」と思ってしまう。それはダメなのです。
それはお客様にも商品にも自分にも嘘をついたことになるので良くないのです。
語れるストーリーの不在というのはどこにもつながらない”点”です。しかも繋がることのない点。
喉から手が出るほど欲しいのが「売り上げ」です。目の前に1万円の売り上げがあったら誰もがそれを手に入れようとするのは当然です。ところがタイミングによってはそれを取りに行くと長期的にはマイナスだよねということがあります。
今から作ろうとしている売り上げは「どっちの種類の売り上げなんだろう?」と考えながら営業活動というのはしなければならないのです。
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