旅に行く
「薬を飲み忘れないように」
旅は、旅の一週間前から始まっています。鼻水をぐずぐずしている子どもが当日体調を崩してはいけない、大人ももちろんそうですし、いかに健康でその日を迎えるか、ということに命をかけます。旅行は良好に。
治りそうだからと薬は処方通り飲み切ることが大事です。
身体が健康であれば、心の状態もいいのです。暑い夏でも、寒い冬でも、天気予報が雨でも、「そういうこともあるよ」「それはそれで楽しむしかない」と思えるようになります。
旅へ出ようとしたらば、行き先が煙のように形を変える、消えることはありません。
熱海の海が消えてなくなるとか、オーシャンビューの部屋からオーシャンがビューできないということはありません。
夕食の量が思ったより多くて、お腹いっぱい、ということはありますがそれは胃袋の調子を見誤ってしまっただけで、夕食の量はもともと決まっています。
全てを快く受け入れるには身体も心も完璧であることが必要です。
予想外のこともたくさんあるでしょう。雨足がつよく電車が止まる、ナビ通りに進んだら冬季通行止めの道へ辿り着いて、ここでUターンできるだろうかとドキドキするとか、行きたかったお店が臨時休業で、「なんでこのお店だけ営業日を調べるのをサボってしまったのだろうか」と後悔するとか、そういうことはたくさんあります。
いかに冷静に全てを受け入れられるのか(自分がどれだけ広い心を持っているか)、がポイントです。自分がコントロールできることだけに、集中。
テレビはつけず、部屋にブルートゥーススピーカーがあれば必ず使います。歩きながらイヤホンから音楽を聴くこともありますし、そういうときは決まって、その土地にゆかりのある音楽を好んで流していました。しかし、フランスへ行ったときにZAZを聴きながら電車に乗ったのですがなんだか違くて、そういうのはやめました。北の国で襟裳岬を聴くとか。
浅草線に乗りながら月光を聴く、みたいなほうが性に合っているようです。
そしてなにより、良き旅人であることに努めなければなりません。
先日、熱海、浜松、名古屋と旅をしましたが、ホテルでは「東京から来た人間である」ということがわかってしまうわけですから、もちろん自分たち以外にもそういう旅行者はたくさんいるのでしょうが、勝手に「東京代表」のような気持ちになりまして、汚名を残してはいけないというか、また是非この土地へ遊びに来て欲しいと思ってもらわなければなりません。
体調、心を整え、ちょっとしたこだわりと共にその地へ行き、良き旅人として振る舞う。
それがいいです。
そして最大のこだわりというか目標ですが、これはもう日本人全員が知っている格言であり、四文字熟語であり、名言であり、座右の銘ですが
「遠足は家に帰るまでが遠足」ですので、安全に家まで帰る、それです。