【読書記録】ムーミン谷の彗星/著・トーベ・ヤンソン【スニフの可愛さ再発見】
読書記録、10冊目。
『ムーミン谷の彗星』
著者はトーベ・ヤンソンさん。訳は下村隆一さん。DMMブックスで購入して読みました。(商品紹介先ページはアマゾンです)
きっかけ
私は昔からムーミンが好きで、今もちょこちょことムーミングッズを集めたりしています。
ムーミンの存在を知るきっかけとなったのは、1990年頃放送されていたアニメ「楽しいムーミン一家」の再放送。そのアニメを観て「なんだこの素敵な世界観は!」と惹かれた当時小学生の私は、早速図書館で原作小説を借りてちまちまと時間をかけ読んでいました。
しかし、それももう十年程前のこと。ムーミンが好きと公言していながら、今や物語の内容を殆ど忘れてしまっている状態です。いやいや、せっかく大好きだった本なのに朧げな記憶のままでいるのは寂しい。というかまず、またムーミンたちに会いたい!と思い至り、電子版ではありますが本の購入を決めました。
あらすじ
ある日、静かで穏やかなムーミン谷に不穏な噂話がまいこむ。ムーミントロールたちが住む家にやってきた自称哲学者のじゃこうねずみが、「もうすぐこの谷に彗星が落ちてくる」と言い出したのだ。
彗星とは一体なんなのか。それが落ちてしまうと、ムーミン谷は一体どうなってしまうのか。大きな不安と湧き上がる恐怖を振り払うべく、ムーミントロールは友人のスニフと共に、彗星を観測できる場所である『天文台』を目指して冒険の旅に出る。道中で旅人のスナフキン、スノークとスノークのおじょうさんたちと出会い、絆を深め合いながら窮地を乗り越え、ムーミントロールは彗星の謎に迫っていく。
感想
(本の内容に触れていますので注意)
まず最初に「うわ懐かしい!」という感情が胸の中を占めました。「そうそう、こんなお話あったよな」とか。「リトルミィって最初は出てこないんだよな」とか。独特な世界観や登場人物の思考や雰囲気に触れて、なんだかノスタルジックな気持ちになりながらスマホ画面をタップしていました。
しかし子供の頃に読んだときと比べて、感じることがちょっと変わってるかも、という新たな気づきもありました。
昔は、泣き虫で余計なことばかり言うスニフに対してよく腹立っていました。でも今読んでみると、「私も同じようなこと考えて拗ねたくなることあるな」とか、逆に「こんなにも自分の感情を素直に口に出せるなんて、羨ましい…」と思ったりもしちゃう。
自分が見つけた『どうくつ』についてしつこく主張するスニフの姿を見ていると、少しシンパシーを感じてしまうんですよね。「自分はすごいことをした!だから褒めて!すごいって認めて!」という気持ちを遺憾なく出す彼の姿は、今見るとつい「すごいなあ」と感心してしまうのです。普通なら心の中に秘めがちな感情をちゃんと出してくれることスニフの素直さが可愛くて、愛おしくなっちゃいます。こう思えるようになった私って、大人になれてるってことなんでしょうか…笑
三十歳近くになり、改めてムーミンを読み直しているからこそ新たな発見があり、自身を顧みることもできている。これってすごく素敵な体験をしているのでは?と気づいてしまいました。久しぶりに読む本を存分に楽しんじゃってます!
以上、読書記録でした。
今まであまりムーミンの世界に触れてこられなかった方も、ぜひ読んでみてください。結構ビターな要素も含まれていて、大人も子ども楽しめる素敵な物語なので!
では、最後まで読んでいただきありがとうございました。
おすすめの本などあれば教えてください、またね!