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【読書記録】「好き」を言語化する技術/著・三宅香帆【自分の言葉で残す】

読書記録、8冊目。
『「好き」を言語化する技術』
著者は三宅香帆さん。Audibleで聴かせていただけました。

きっかけ

最近好きなドラマについてのnote記事を書いたのですが、それがほんっっっっとに難しかったんです。ほんっっっっっっっっとに。
私は好きなもの、いわゆる「推し」について語るのが大好きです。これまでXなどの短文投稿タイプのSNSや、友人との会話の中で推し語りを頻繁にしてきました。それらは基本勢いに任せて語っているので、難しさをあまり感じたことはあまりありません。

ところがどっこい。

note記事で長文を書くとなったら、筆が止まると止まる…、一向に全く進まないんです。語りたいことはたくさんあるのに、それをどう書いたらいいかは分からない、まとめ方も分からない、終わり方も分からない、そして何が書きたかったのかすら分からなくなってしまう。
「この不甲斐なさ、歯痒さって、どうしたらいいんだろう…」
と途方に暮れつつAudibleで「文章の書き方」についての本を探していたら、まさしく探していた本が、ドンピシャリ、と目に飛び込んできました。これはもう、読むしかない……。

概要

「推しを語るために大事なのは、語彙力でも文章力でもなく、感想を記録に残しておくこと」
好きな俳優、アイドル、アニメ、漫画、小説、舞台等々。昨今、多種多様のジャンルにおいて『推し』がいる人は増えてきている。そしてその『推し』について言語化したい、布教したい、と考えてもなぜかうまくいかない。そんな悩みを持つ人も、同じく増えているのではないだろうか。
自分の中にある「好き」を言語化するためには、一体なにから始めたらいいのか。推しを持つ多くの人が抱えているであろう悩みを解決してくれる『コツ』について、丁寧に書かれた一冊。

気づき

(本の内容に深く触れていますので注意)

誰かの感想を見る、読む前に、自分の記録する

人は他人が発信した強い言葉に影響を受けやすい。自分が素敵だと感じたライブの演出も、SNSで強く批判する他の意見を見てしまうと「もしかして、自分の感じた良さは間違いだったのかもしれない」と好きを上書きされてしまうことがある。だから何より先に自分の感想、意見を言葉にして記録し、見える形で残しておく方が良い。そうすると自分の中の「好き」を、人の意見に左右されない状態で残しておくことができる。

推しを語りたいのなら、細分化していく

「最高だった!」「やばかった」という短い言葉の感想しか出てこない、これは本当によくある悩みである。この時点で「私には語彙力がないからこんな風にしか表現できないんだ」と凹むのではなく、一つ一つ細かく考えるようにすれば良い。何を見て「最高」だと思ったのか、歌の表現力や、高音の伸びだったのか。「やばい」と感じたのは、ダンスのキレが良さなのか、激しい動きをしてもぶれない体幹なのか。そうして短い言葉の内にあるものを紐解いていくだけで、自分だけの感想を作り上げることができる。

伝えたい読者を想定し、語りたいこともできるだけ絞ること

推しについて長い文章で語るときに特に重要なこと。自分が書いた文章を読む相手は、読者が「推しについて何も知らない人」なのか「推しについてよく知っている人」なのか。この違いだけでも書く文章の構成や内容は大きく変わってくる。全ての人に支持されたいと絶対に無理なことを考えるより、読んでくれる相手を想定する方がより書きやすい。
また、何でもかんでも語ろうとすると情報量は多くなり、読みづらくなってしまう。書いてる側も「何について語りたかったのか」が分からなくなってしまいがち。まず、一つのことについて掘り下げて書くことでまとまりが出て、読者の読みやすさも格段に変わってくる。

感想

これこれこれ〜〜〜〜!!と言いたくなるほど今の自分が求めていた本でした。推しについての考え方から始まり、あらゆるシュチュエーション別のアドバイスを細かく丁寧に、そしてオタクたちに寄り添いながら教えてくれる、とても良い本でした。「何でもかんでも語りたくなる気持ち」や「どうしても早口で語ってしまう」とか「強い言葉の意見に流されがちになっちゃう」などの悩みにも理解を示してくれた上で、優しく改善方法を教えてくれる三宅さんの姿勢が、本当に有り難かったです。文章から滲み出ているお人柄の良さにも、推しとの向き合い方にも、そして文章の読みやすさにも、胸を打たれました。
何回でも何万回でも書いてしまうんですが、私自身文章書いたり、好きなものについて語るのは大好きです。しかし、人に読みやすい文章、聞いてもらいやすい話はできてない、というコンプレックスを抱いていました。自分だけが楽しんでしまい、他の人は私の発信を見てもなんとも思わないんだろうな、という寂しさもありました。
そんな悩みに対して、着実に解決に導いてくれると思えたこの本に出会えて本当に良かったです。学んだコツを胸に、これからどんどん発信を続けていきたいです!!


以上、読書記録でした。
前向きになれる本に出会えて本当に良かったです。長らく読書から遠ざかっていたんですが、こうした出会いがあるからこそ、また本を読み始めて良かったなと日々感じています……。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
おすすめの本などあれば教えてください、またね!

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