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『メモの魔力(前田裕二/幻冬舎)』は、人生を変える「科学」の本だ。

この世の中の事象がすべて、「科学的」と「非科学的」の二項対立だったとして。
「魔力」とはどちらだろう。おそらく、「非科学的」な方に分類されるのではないだろうか。
しかし、そのタイトルとは裏腹に、この本には「科学」に裏打ちされたエッセンスが詰まっている。

前田裕二さんの著書は前著『人生の勝算』も拝読し、そちらもすごく良い本という印象があった。
でも正直なところ、今作を最初に知った時は、その一見怪しげなタイトルに、しばらく触手が伸びずにいた。
それから数ヶ月の時を経て読んだ後、痛感した。
「もっと早く読むべきだった」と。


本書の本質は、「魔力」という(一般的には)非科学的なものではない。「サイエンス(科学)」であり、「ロジック(論理)」だ。
メモを書くことで、思考が飛躍的に深まる。さらに自己内省も深まっていく。
脳内に存在している時点では曖昧なものだった「思考」が外在化され、可視化されることで整理されるからだろう。


「PCにタイピングでメモをするのと、手書きでメモをするのでは、使う脳神経細胞の数が何百倍も違う」という話を以前、脳科学系の本で読んだことを思い出した。
そういった観点からも、やはりこれは「魔力」というよりも「科学」ではないか。


私は本を読む時は必ず、線を引いた部分を別途、メモにまとめている。
本書に関しては、見返してみるとそのメモがとてつもなく長かった。
その「一部」を下記に残しておきます。
(それでも著作権に引っかかりそうな量ですが、それだけ学びになったということで、何とかご容赦頂きたい)


・映画や演劇などを観ていても、気づいたことを相当な分量メモします。おそらく、一つの作品につき、多い時で100個以上、少なくとも数十個のポイントはメモしていると思います。

・街に出る時も、街と対話して、考え、気づいたことを、よく立ち止まってはメモしています。

・メモを取ると、あらゆる日常の出来事を片っ端からアイデアに転換できます。一見価値の無さそうな、普通の感覚では誰もがスルーしてしまう小さな事象でさえ、メモすることでアイデアになる。

・メモによって夢は現実になる。

・勉強や就活、社会人になり起業してからも、ずっとメモを相棒にして人生の難問をクリアしてきました。だから、今の僕があるのはメモのおかげだと言っても過言ではないと思います。

・僕自身、本当に心からやりたいことを見つけるのに、30数冊もノートを書いた。

・ここまで狂ったようにメモをとる、何よりも大切な理由は、この残酷なまでに時間が限られている人生という旅の中で、「より本質的なことに少しでも多くの時間を割くため」。

・クリエイティブで新たな知的生産につながる思考や、自分にしか思いつかないような代替不可能性の高い思考。これら価値のある本質的思考に1秒でも多く時間を割くために、メモをしているのです。

・AIが進化していく時代において、付加価値の低いことに思考労力を費やしている暇はありません。

・「過去のファクトを思い出す」という余計なことに思考の時間を割かないために、メモをする。

・第二の脳である外部ハードディスク(メモ)に記憶の部分を頼ることで、空いた自分の脳の容量を、創造力を要することにめいっぱい使う。

・人間にしかできないこととは、独自の発想やセンス、視点で、アイデアを創出することです。

・「知的生産」のためにメモを使う。これこそ、「AIに仕事が奪われる」という言説が世の不安を扇動する今、僕たちが最も磨くべきスキルです。

・ビジネスに限らず、僕から生まれ出るほぼすべてのアイデアは、ふだん無意識に通り過ぎてしまいそうなことに目を向けて、逃げずにそれらを「言語化」することで生まれています。

・きちんとメモをとる習慣を身につけると、自分にとって有用な情報をキャッチするための「アンテナの本数」が増えます。

・メモをとる習慣がない人は、実は、毎日「宝」をみすみす落とし続けてしまっているようなものだと僕は思っています。

・日常のふとした瞬間にこそ、宝が眠っている。

・量が質を生むというのは、いつの時代も、どのジャンルにおいても、大体の場合において誰も覆すことのできない真理です。

・熱意を伝えたいのなら、紙がベストです。

・ラジオ番組でパーソナリティをしている時も、インプットしたことや、それを受けて考えたこと(でもまだ口には出さないこと)などを、自分自信しゃべりながら、ひたすら台本やノートにメモしていきます。

・番組に来てくださったあるゲストの方が、ノートにメモしながら話をしている僕を見て「嬉しい、すごく気持ちがいい!」と言ってくれたこともありました。そして「こんなこと、今まであまり話したことないんだけど…」と、真剣に、深い話をし始めてくれたのです。

・メモをとるかとらないかで、相手の受ける印象が異なる。感情には返報性がありますから、メモをとることによってこちらから特別な敬意を示せば、相手も自分に対して、特別な敬意を抱いてくれるようになる。「あなたの話から一つでも多くのことを吸収したい」という姿勢が可視化されて、より実りのある会話になっていきます。

・メモをとることで、その場で展開されている議論を綺麗に構造化できるようになります。

・メモをとるということは、同時に、「言葉にせねばならぬ」ということを意味します。メモをとるためには、頭の中でぼんやりと思っていることを、ノートの上なり、スマホの中なりに、「言葉にして」アウトプットせねばなりません。

・言語化能力を磨くことによって、説明能力も同時に身についていきます。

・言語化の過程で、思考はどんどん深くなります。思考こそ、言語をもたらす燃料です。

・ノートは原則「見開き」で使う。

・そもそも書き込む場所が狭いと思考が窮屈になるので、できる限り広くスペースをとる。

・左側に左脳的な「事実」、右側に右脳的な「発想」という具合で、脳の構造に沿ってメモを書く場所を分ける。これによって、脳のポテンシャルを最大限に引き出します。

・人間の脳は、空欄を見ると「埋めなくてはならない」という強力な潜在意識を持つ。もったいない感じがしても、心を鬼にして、右側を空欄にしておく。

・メモをする上で、この「転用」という段階にまでたどり着くことは、強調してもし足りないほどに重要です。

・気づきからきちんとアクションに「転用」することを通じて、自分の日々が、人生が、変わっていきます。

・「抽象化」というと難しいかもしれませんが、「他の分野にも応用可能な気づきを得よう」というつもりで考えると、綺麗に具体から抽象度の高い命題を抽出することができるようになります。

・いつ書いたのか、という時間情報は、後で振り返った時にとても重要。

・メモを書く時はできるだけ、4色ボールペンを使うようにしています。

・ペンの使い方一つで、発信力が上がったり(緑色)、意思決定力が上がったり(青・赤)するわけですから、本当に面白い。

・単語登録をする。仮に1日3分短縮できれば、1ヶ月で90分もボーナスタイムが得られるわけなので、大きいです。

・「朝5時半の女」。「標語力」は人の関心を惹きつける上で、とても大切なもの。

・メモの本質は「振り返り」にあります。「ファクト」を「抽象化」して、それをどういう風に自分に「転用」してアクションするのか?

・「抽象化」こそが僕のメモ術の根幹です。もっと言うと、人間に与えられた最も重要な思考機能であり、最大の武器であると、確信を持って断言できます。

・僕は、人より速く本を読むことができます。それは「本の具体ではなく、抽象を読んでいるから」です。個別具体のエピソードはなく、「抽象レベルでは何を言っているか」という観点で読む。構造を読む、ということです。枝葉や葉脈はさっと飛ばし、幹の部分を読むのです。

・細谷功さんの『具体と抽象』という名著が非常に勉強になる。

・「今日は時間がなくて、手紙が長くなってしまいました」(パスカル)

・本やテレビ、映画や舞台を観ている時など、情報やコンテンツに触れる際に、メモを取り、抽象化する癖をつけてみてください。10倍ではきかないくらいに、得られる情報量が圧倒的に増えます。

・抽象化とは、端的に言うと、「具体的な事象の本質を考える」ことです。

・自分の感想を抽象化して、なぜ自分はこんな風に感じるのか、とそのインサイトを深掘りしていけば、「自己分析のための抽象化」に繋がります。

・抽象化の最たるパワーは「他の具体に落とせる」ということ。「思考を深める=抽象化」すると、再現性、汎用性が生まれるのです。

・僕は幸運にも、具体的に解決しなければならない課題を多く抱えています。

・「解くべき課題の明確化」は、抽象化の前段階においてまず重要。

・メモしている時点で、あらゆる現象や思いを紙の上で言葉にしなくてはなりません。「メモをとる」という強制力を自分に課すことによって、自然と言語化能力が引き上げられ、それは多くの場面でプラスに働く。

・言語化の効用は、想像以上に大きい。

・まず自分の「言語化されていない深層意識」に目を向けてみることです。自分の意識に対して、「なぜその意識を持ったのか」と「why」を向けて、そこから滲み出てくる思いを逃げずに言葉に変えていく、という作業です。

・僕は、気づかないうちに深めることをやめていた表層的な意識を、メモをとることによって抽象化して、言語化しています。メモの左ページに「勉強になった」と書いたら最後、右ページを埋めないと気が済まないからです。嫌でも、何がなぜどのように勉強になったのかを、思考して、言葉にしていくことになります。

・メモ代わりに、TwitterなどSNSを使うのも有効。〇〇が面白かった、それは、〇〇だったからだと思う、と、理由を言葉にしてしっかり伝えるのです。わかりやすく、オリジナリティがあったりすると、拡散されるでしょう。一方で、わかりにくく、どこかで聞いたことがあるような言葉は、共感を得られません。こうした上手にアウトプットをせねばならない一定の制約下で言語を届ける訓練を続けると、言語化能力は磨かれていく。

・レトリックにこだわれば、聞き手の心に言葉が深く入り込む。例:「良質な非常識(南場智子)」「永遠は短い(秋元康)」

・本来矛盾するような言葉同士をくっつけると、人の心に「?」が浮かんでインパクトを与えられる。

・「自分の感性に引っかかる言葉」を一つでも多く書き留めておく。

・例えば僕は、映画や舞台から抽出した言葉をよく使っています。それは、脚本家が数時間のストーリーの中に入れ込んだセリフ群は、人に感動を与えるという観点で、すごく考え尽くされたものである可能性が高いからです。

・自分の心に刺さった語彙、引っかかる表現があったら、なるべく全てメモしておきましょう。

・面白い表現を見つけたら、自分の心がどう揺れ動くかを観察してみましょう。そうすることで、自分が発信側に回った時にも、よりクリエイティブな言語を発信することができる。人の心に影響を与えやすくなるのです。

・良い演者は、自らの体を離れたところから客観視する「離見の目」を持っている。(世阿弥)

・ジャパネットの高田明さんも能に造詣が深く、この「離見」を意識して伝える力を伸ばしていったそうです。

・どうしても、命を削ってでも実現したいことがある。そのための武器がメモ。

・最終的には「自分は何をやりたいのか?」という問いに行き着きます。自分を知り、自分の望みを知らないまま、どんなビジネス書を読んでも、どんなセミナーに行っても、まず何も変わらないでしょう。まず「自分を知る」ことが何よりも重要です。

・「個の時代」においては「オタク」が最強。

・夢中になれるもの、熱中できるものがある人はこれからの時代、とても強い。そのためにも自分を知り、自分の望みを理解しておくことが大切なのです。

・僕は就職活動の時に、自己分析ノートを30冊ほど書きました。「過去の自分の意識を抽象化する」という意識で、それまでの人生を全力で振り返っていました。

・本屋さんに売っている就活の自己分析本を片っ端から買って、全ての質問に答えていきました。

・僕が当時志望していた外資系投資銀行は、1万人受けて2〜3人受かるという倍率。この中で、「偶然」上位数%に入ることはできない。偶然を必然にするために、努力できることはないか。そう考えていった結果、僕が出した仮説が、「自分を徹底的に深掘りすること」だったのです。

・僕は、就職活動中に異常なまでに自分のことを研究していたので、この質問をまさに受けた時も「色については結構考えていて、実は3色あります。青と紺と黒です。どれか選んで頂ければ、なぜその色が好きか、お話しします」と答えました。

・「タコわさ理論」。経験していないこと、知らないことは、「やりたい」と思うことさえできないのです。であれば、経験の数自体を増やして、「やりたいこと」を見つける確率を上げましょう。

・大切なことは、強く途切れない熱量で、「自分を知る」「自分の意識を言語化する」というテーマと向き合い続けるということです。

・長所が「辛抱強い」で止まっている自己分析は、弱い。ここで一歩踏み込んで、どんな辛抱強さがあるか、具体化します。そして、それらに対して今度は「なぜ?」を向けて、そのインサイトを深掘りし、抽象化してみるのです。自分は、なぜ辛坊強いのだろう。何が自分をそこまで辛坊強くさせているのだろう。自分の辛坊強さを形作った原体験は何だろう。こういったことを考えていきます。

・例えば、「前田さんの長所は?」と聞かれたなら、一つの解答として「圧倒的努力を可能にする熱量」だと答えるかもしれません。これを、「受験の時に1日◯時間勉強しました」とか「毎日朝の5時まで仕事をしています」という形で、もう少し具体化していきます。そしてさらにここから、抽象化に移ります。

・圧倒的な努力ができることの具体例を出し切って見つめた上で、なぜこうした努力ができるのかを抽象化したのです。これによって、「圧倒的な努力」の上位概念は「運命に対する憤り」である、という説明ができるようになる。ここまで抽象化、言語化して初めて、他者にも自分にも説得性の高い自己分析の解が得られていきます。

①自分の意識に目を向ける(具体化)
②whyで深掘りする(抽象化)
通常の自己分析は恐らく①のみで止まります。ただ、それでは本質に辿り着いていません。

・「具体→抽象→転用」という、知的生産思考の黄金則。

・この本の編集者の箕輪さんは、就活の時に「自分の強みは、面白いことだったら何でも頑張れること」と答えていたそうです。その具体的なエピソードは「インドで監禁された後、警察に行くでもなく、すぐネットカフェに行って面白おかしくブログにその経験を書いた」というものです。

・ファクト→抽象化→転用。

・「では具体的に何をするか(転用)」まで書かなければ人生は変わらない。

・「転用」は本当に大切です。「人生をかけて、この分野で大きな挑戦がしたい」ということがわかったとしても、「じゃあ今この瞬間、それに向けて具体的に何をするの?」ということが決まらないと、何も前に進まないからです。

・抽象化まで行っても、転用まで行かないので、行動に落とし込めずに夢が夢のままである人がどれだけ多いことか。「じゃあ5分後に何をするのか」「今できることは何か」まで考えてみましょう。

・自分に対する問いに100問(レベル1)答えて、全て抽象化し、転用までやれば、きっと、自分が心からワクワクする何かが、少なくともその重大なヒントが見つかるはずです。

・自分を深く知っていれば、自分にまつわるあらゆる意思決定の場面において、ほとんど迷わなくなります。

・「言語化」で夢は現実になる。

・書くことによってRAS(毛様体賦活系)という脳のフィルターが作動する。

・まず紙に書いた時点で、潜在意識に刷り込まれる度合いが高くなる。書く瞬間に脳が受けるインパクトは思いのほか大きい。

・しっかり脳に染み込ませる意味では、情報量が多く右脳でも記憶しやすい、アナログの文字にして一度見つめてみるべき。

・紙に書いて、毎日の生活動線上にある身近なところに置いておくことで、その紙を何度も見る可能性を高める。

・ある人は、「デジタルのメモは、ブラックホールの彼方に消えてしまう」とよく言っています。もちろん検索可能性の高さは時にすごい威力を持ちますし、僕もうまく使い分けて活用していますが、デジタルのメモは、何度も見返すきっかけを作ることはなかなか難しいという欠点があります。

・特に明確に意識せずとも、自分の言葉が誰かの潜在意識に大きな影響を与える可能性、つまり言霊の力を考えると、ネガティブなことはなるべく言わないようにしよう、と思えるようになります。

・なるべくポジティブで愛情を込めた言葉を発することによって、自分に関わってくれた人、ご縁を頂いた人の幸せが少しでも増えたらいいなと思って生きています。

・孫正義さんは、タイムマシンで10年後に行ってそこから帰ってきたかのように、ありありと具体的に将来のビジョンを語るといいます。まさに、絵で見えているのです。絵に描けるくらい、写真に現像できるぐらいに思い浮かべている。

・僕も、一緒に仕事をしたい人と一緒に仕事をして夢を叶えていっている映像を何度も思い描くし、それこそ、夢にも見るほどです。そして、夢に思い描いたことは、今までほぼ全て実現しています。その段階に行けば、無意識的行動も含めて、自らの全ての行動がそこに向かっていく。それによって、現実も進みたい方向に自然と向かっていきます。

・ただぼんやりと思うのではなく、逃げずに言語化する。そして、きちんと目に見えるくらいはっきりと映像化する。それが夢を叶えるための、効果的な方法なのかなと思います。

・考え得る全ての夢を書き出してみる。

・ポイントは「終わり」をしっかりと意識すること。人生に終わりがあるとしたら、これだけはやっておきたい、挑戦してみたい、と感じることを全て書き出してみましょう。

・死生観を持った起業家やビジネスパーソンが大成することが多いとよく言われますが、終わりを意識することによって、かけがえのない「今」を全力で生きるようになるからだと思います。

・リストアップしたやりたいことに優先度をつける。SからCの4ランクくらいに分けると良い。A〜Cを細かく分けることよりも、自分にとってSをつけられる夢を炙り出していく作業の方が重要。

・見つかっていないことを認識することで、今度はSランクの夢を見つけようと脳が動き始める。

・具体的(S)で、測定可能(M)で、時間の制約をちゃんと設ける(T)。これによって、夢が叶う確率が大幅に上がります。
(SMARTのフレームワーク)

・ストーリーを語る際に重要な3つのポイント。

①「具体的に」。固有名詞や会話の内容を織り交ぜ、その時の情景が聞き手にもありありと思い浮かぶように話す。具体的な情報の方が記憶に残る。
②「間を恐れず使いこなす」。間はとても重要。
③「インタラクティブに話す」。双方向を意識。

・具体的なエピソードを話す時は「要するに何を伝えたいのか」を先に提示する。

・着地点が見えている状態で具体的なエピソードを話すと、聞く側のストレスは大幅に軽減されます。(小泉進次郎氏の「リーダー像の話」)

・相手をしっかり分析して、敵から何を吸収すべきで、敵にない自分の強みはどこにあるのかということを冷静に考える。

・夢を叶えるためには「緊急ではないけれど重要なもの」に向き合う時間を取ることが大切です。

・自問自答する時間や、夢に向き合う時間をきちんとブロックしておくこと、自分との約束を果たすことは、とても重要です。

・僕の場合は、平日の日中、時間にして18時間くらいは、仕事の予定が詰まっているので、ほとんど自分との約束を入れられません。そこで、寝る前の1時間だけは一切の連絡を遮断して「自分とのアポ」の時間に充てています。ここで必ず、本を読んだり、1日に抽象化した気づきを日記風にまとめたり、自己内省をしたりといった、緊急ではないけれど自分にとって重要なルーティンをこなしています。

・「ライフチャート」で人生を水平に捉える。自己分析においては、「垂直方向のエピソードや価値観の深掘り」に、「水平方向の全体感把握」を掛け合わせて、縦と横で立体的に自分を見ていくことが有効な手段といえます。

・ライフチャートでは、なるべく「中学生より前の時代」を厚めに書く。なぜなら、そこに大人になっても変わらぬ人の本質的な特性が眠っていることが多いからです。

・自分の幼少期を含めて「自分がなぜ、どんな時に喜びを感じ、幸せを感じるか」を見つけていきましょう。

・人生のイベントや出来事に「標語」をつける。「受験合格」だと単なるファクトになりますが、それによってどういう感情の動きがあったか(なぜ感情が動いたか)というエモーション要素も含めて、名前をつける。

・そうすると例えば「受験合格」という言葉は、「努力が報われた瞬間」という標語に変わります。これを続けていくと、「自分が何者か」「どういう時に頑張れるか」「どんな時に喜びを覚えるか」などがどんどん言語化できるようになります。

・ライフチャートを作ると、人に話せる自分だけのストーリーが見えてきます。「この時、自分の心がこう動いた」というファクトに改めて目を向け、その裏側にあった感情を書き出して抽象化できれば、本当に強力なストーリーになる。

・ストーリーのない人生なんてありません。絶対にどこかしら人生を切り取ると、他の人が「えっ?」と前のめりになって興味を持ってくれるような要素は誰にだってあります。

・このインターネット時代において、周りに拡散したくなるストーリーやエピソードを持っていることは、本当に大きな武器になります。

・自己分析1000問とライフチャートで自分のことを知り、幸福の源とも言える「人生のコンパス」を手に入れる。そして、それらを上手に言語化して、他人に話して感動してもらえる状態にまでストーリーを昇華させる。抽象化に長けた皆さんが、ストーリーテリングの力を併せ持つのだとしたら、それは鬼に金棒です。

・メモをとる上で大切なのは、シンプルに「とにかく書くこと」です。

・まずは何よりも、
①メモできる環境を整え(好きなメモ帳・ノートとペンを用意すること)、
②ひたすらメモを取る。
一旦、ここから始めてみてください。

・勝負は、書くか書かないか。もはやこれは、テクニックの問題ではなく、自分の人生とどれだけ真剣に向き合うかという、「生き方」の問題なのです。

・そんなことを記憶している脳のスペースがあったら、もっと意味のある別のことを覚えたり、新しいアイデアを生むことに使ったりしたい、という脳の使い方に対する貪欲な姿勢を持つことです。

・メモは「創造の機会損失」を減らすツール。

・「努力から習慣へ」という意識を持つことが大切。

・「なんであの看板は、赤地に白字なんだろう?」「この広告はどうして、こういう表現を選んだのだろう?」など、多くの人が気にも留めないようなことをつらつらと書き続けます。1日の終わりには、スマホのメモが何スクロールしてもなかなか最後にたどり着けないくらいの量になります。

・「努力」から「習慣」にするためには、まず何よりも、持っているだけでテンションが上がるノートやメモ帳を買うところから始める。

・僕はモレスキンのハードカバーノートが大好きなので、10年以上常に持ち歩いています。社会人の最初の頃に、「自分の心が上がる文具を買いなさい。こんなに費用対効果の高い投資はないよ」とお勧めされて以来、ずっと使い続けています。

・とにかく呪文を唱えるように、メモを取りまくる。行動様式としてメモを体に染み込ませたら、メモの効用なんて意識せずとも、勝手に結果がついてきます。

・脳内のインプットとアウトプットの比率が、アウトプット側に寄った時に、アイデアが出る。

・お風呂にスマホを持たずに入ったら、100%脳内でアウトプットするしかありません。浴室内にインプットするような情報はほとんどなく、そういった場では、脳が自然と、自分から何かを生み出そう、と活性化するのです。

・よく、シャワーの時や寝る前にアイデアを思いつくと言いますが、あれは「脳内の比率をアウトプット側に無理やり寄せているから」なのです。

・人生は、素晴らしいものです。本当に、無限の可能性があります。必ずしも、今皆さんが向き合っていることが全てではない。無限の選択肢の中で、自分の人生の幸せを最大化するものが一体何なのか、考えてみてほしいのです。

・人生は「時間をどう使ったか」の結果でしかありません。ならば、「時間をどう使うのか」というところで、自分の人生の勝算につながる選択をすべきです。

・メモをとり続けてきて、人生をより良く、強く生き切るために必要な相当量のノウハウが、僕自身の中にすごい勢いで溜まってきたし、今後も溜まっていくであろうという感覚があります。

・自分は根底で何を願っているか、この自己理解が進むと、日々をただ漫然と過ごすのではなく、目の前の取るに足らない何かをアイデアに変えたり、夢の実現に前のめりに生きることができます。受け身で生きるのではなく、楽しみながら、自分からとりに行く。そういうスタンスを持つと人生は一気に楽しくなります。

・メモを最強の相棒にすることで、皆さん自身の人生を、そして付随するこの世界を、本気で変えていって欲しい。

・僕にとって、メモとは生き方そのものです。メモによって世界を知り、アイデアが生まれる。メモによって自分を知り、人生のコンパスを持つ。


自分がブログやTwitterでの発信を始めてみようと思ったのも、この本から得た知見を「抽象化」し「転用」したことがきっかけでした。
人生を変える「魔力と科学」を手にするための投資、と考えると、安すぎる買い物でした。


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