『腹だけ痩せる技術（ 植森美緒／KADOKAWA）』は正月太りの救世主だ。

新年一発目の絶望

年末年始で激増した。
新幹線や飛行機の利用者数ではない。私の体重の話だ。

美味しいものを食べすぎてしまった、というのはあるが、年齢のせいか、昔より明らかに太りやすくなってしまった。
しかも、他の部位に比べ、特にお腹周りが気になる太り方。
いわゆる「中年太り」「ビール腹」「メタボ体型」だ。
いよいよそんな年齢になってしまったか、と絶望しつつ帰省から戻り、体重計に乗ってみると、やはり数値的にも3kgほど増えていた。

そんな状況で本棚を眺めていた時、本書が目に止まった。
2014年に購入していた（初版は2012年発売）本だったが、その時よりも太ってしまった現在に読み返してみると、改めて大きな学びがあった。

本書のメソッドを一言で言うと、「お腹を凹ませる」だけ。
一見、「本当かな？」と思うような内容だが、読み進めてみると、その根拠や背景には納得させられるものが多い。
実際、何日か実践した後に職場の新年会があったのだが、同僚からむしろ「ちょっと痩せた？」と言われた。
しかも、お金も時間もかからない。これは続けてみようと思った。

読書メモ抜粋

・ほとんどの日本人男性は「姿勢の悪さゆえにお腹がたるみ、そこに脂肪が溜まり始めている」くらいの段階でしかありません。

・お腹さえ締まれば若い頃のようにハツラツとした体型に戻りやすいのが日本人男性の特徴だといえます。また、お腹の脂肪は体の他の部分より落ちやすいもの。男性は女性よりずっと筋肉質ですから、少し脂肪を落とすだけである程度、筋肉の形が浮き出てきます。細マッチョへの変身は、実は意外と簡単なのです。

・具体的な方法は簡単です。お腹を凹ませるだけ。凹ませていない腹はたるみ、凹ませている腹は締まるのです。だから、1日に数回でも意識的に凹ませるだけでもお腹はみるみる痩せていきます。

・お腹を凹ませる動きによって、「筋肉の形状記憶で腹囲がダウンする」「何回か続けることでお腹の脂肪が燃える」「エネルギーを消費しやすい身体になり、効率的に脂肪が燃える、つまり痩せる」という段階的な効果が得られます。

・お腹だけ痩せるためには、お腹を凹ませるのが最も簡単かつ効果的な方法です。

・背筋が曲がっている状態だと、背中やお腹周りの筋肉が働かず、お腹はたるんでいきます。

・お腹を凹ますだけで見た目が5歳から10歳は若返るのです。

・普段の姿勢を重視することで、私の身体は大きく変わりました。食事制限・筋トレ・有酸素運動でびくともしなかった体重が、1年ちょっとで53キロから46キロまで減りました。

・物理的に「腹を細くする」「腹から脂肪を落とす」方法として、私が推奨する動きは1つだけ、「お腹を凹ませる」です。女性も、ウエストがゴムのスカートを穿くようになるとみるみるくびれがなくなります。ボタンを留めるためにお腹を凹ませる、そんな動きを1日に1回でも2回でも行っているのと、全くやらないのとでは大違いなのです。

・確かに、最初は意識的に凹ませてお腹周りの筋力を引き出すだけです。しかしそれを続けていると、わざと凹ませていない時でも凹んだ形になっていきます。筋肉は使ったなりに形を変えていくのです。繰り返すことで筋肉は「形状記憶」するのです。

・顔の皮膚の下には「表情筋」という筋肉が張り巡らされているのですが、これも動かさないでいると張力が失われます。だから普段あまり表情が豊かでない方は頬や口元、目元の筋肉も衰えて、笑っているつもりが顔は笑っていないなんてことになりがち。これは、笑わないでいると笑うための筋力が衰えてしまうからです。

・「40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て」という言葉には一理も二理もあるわけです。知らない方でもお顔を観察していると、その方が普段どんな表情をしているのか、表情筋や皺の状態でわかります。

・大切なのは「日常」でドローインすること。階段を使うのが一番いいですが、例えばエレベーターやエスカレーターに乗る時も、その間にお腹を凹ませてみましょう。長くても数十秒。でも、それを繰り返すだけで腹痩せの効果は上がります。電車内で吊り革につかまって立っている時、一駅分でもかまいません。会議中や信号待ち、また歯磨きの間だけドローインするという方法だって考えられます。

・肩をこれまでよりも後ろに引いた状態で下腹までお腹を凹ませ、普段も走る時も意識してこれを行うように指導しました。すると、どんなに走っても筋トレをしても凹まなかった下腹が、2週間で7センチもサイズダウンしたのです。

・ドローインは有酸素運動と組み合わせた時に最大の力を発揮する。

・全く同じ速さで同じ時間歩く場合、お腹を凹ませていると通常より43.1%消費カロリーがアップしていた。ちなみに大股で歩く場合は20%程度のアップ。

・積極的に凹ませた日はなんとジョギング1時間20分相当のエネルギーを余計に使っていた。

・背筋を伸ばして歩きながらドローインすると、お腹はより早く凹む。

・お腹を凹ませる時、呼吸を止めない。

・猫背は内臓を圧迫し、血行を悪くする、身体の老化を加速させる姿勢。

・背筋を日常生活で意識するだけでも、腹のたるみはかなり改善できます。

・腰に痛みや疲れを感じやすい方は「お尻の穴をきゅっと締める」ようにしてみてください。お尻の穴を中心に意識して締めることで、内臓や腹筋を下から支えている骨盤周りの筋肉、骨盤底筋群も刺激することができます。

・お勧めはお風呂です。お腹の動きがよくわかりますし、お湯の中ですと、温まってお腹周りがほぐれている上に水圧がかかるため、より大きく凹ませられます。今日から入浴時の習慣として始めるだけで、今後のお腹は全く違うものになると思います。

・1日1回たった30秒だけでも、2週間もすればお腹の見た目が変わってきます。

・毎朝ウォーキングをしても1kgも痩せなかったのに、ただお腹を凹ませて歩くようにしたら6kgも痩せた、という方もいました。

・たるみが気になる方は背筋の伸びを、背中の力が弱いと思うなら肩を意識的に引きましょう。コツはできるだけ目線を高く保つこと。これだけで、歩き方はぐんとかっこよくなります。

・路上だって立派なトレーニングの場になります。やり方はつま先立ちでドローインするだけ。

まとめ

本当に、一言で言うと「お腹を凹ませる」だけ。
それだけで大きな効果があります。
読み返して良かった1冊です。

腹だけやせる技術 (中経の文庫)