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Books_書評

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読んだ本の紹介記事をまとめています。 何かのお役に立てたら幸いです。
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2023年1月の記事一覧

『派遣添乗員ヘトヘト日記(梅村達/三五館シンシャ)』を読んで、初めて「ツアー旅行」に行ってみたくなった。

「一人旅」vs「ツアー旅行」旅が好きだ。とりわけ、一人旅が好きだ。 それは、自分が旅に求めるものの中で、「非日常」や「未知」といった要素が大きいからだ。 例えば個人的には、日本人が少なければ少ないほど良いし、日本語が少なければ少ないほど望ましい、と考えている。 そして何より、全てをその瞬間の自分だけの判断で行えるという自由さは、何ものにも代えがたい。 その一人旅の対局にあたるのが、本書の主な舞台となるいわゆる「ツアー旅行」だろう。 本書に関心を持ったのは、同シリーズである

『肝臓こそすべて(尾形哲/新星出版社)』は、脂肪肝を指摘されたその足で買って帰れ。

とうとう指摘された先日受診した会社の人間ドックで、人生で初めて指摘事項があった。 それは「脂肪肝」。 自分はお酒はほとんど飲まず、決して肥満体型でもないが、「とうとう来たか」と思った。 近年、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)という概念が注目されているらしい。 その名の通り、お酒に起因しない脂肪肝炎、というものだ。 ではその主な原因は何かと言うと、「糖質の過剰摂取」だそうだ。 「とうとう来たか」と思ったのは、自分は昔から大の炭水化物好きで、毎食、大量の米や麺類を食べており

『自分の意見で生きていこう(ちきりん/ダイヤモンド社)』は、AI時代を生き抜くための教科書だ。

豊かに生きていくために海外に行くと、必ずといっていいほど感じることがある。 それは、「(日本人と比べ、現地の方々は)自己主張が強い」ということだ。 それはつまり、自分の「意見」を明確にし、かつそれを表明している、ということでもある。 ではなぜ、海外でそう感じることが多いのか。 日本では、自分の意見を明確にしたり、ましてや主張することが少ないからだろう。 背景には、日本の学校教育も関係しているのでは、と思う。 自身の経験を振り返ってみても、学校教育のほとんどは、 「正解があ

『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム(西岡杏/日経BP)』

超高給な無名企業私が新卒時の就職活動をしていた十数年前から、「ものすごく給料が良い」と有名な企業があった。 しかし、その企業は、それまでの20年強の人生では、社名すら聞いたことがなかった。 「そんな会社が、電通や三菱商事やフジテレビよりも高給なのか」、そんな印象を持った記憶がある。 それが本書のテーマである、キーエンスだった。 日経ビジネスの記者である著者による本書は、そのキーエンスの「強さ」がタイトルの通り徹底的に「解剖」されている。 一言で言うと、「基本が超徹底されて

『腹だけ痩せる技術( 植森美緒/KADOKAWA)』は正月太りの救世主だ。

新年一発目の絶望年末年始で激増した。 新幹線や飛行機の利用者数ではない。私の体重の話だ。 美味しいものを食べすぎてしまった、というのはあるが、年齢のせいか、昔より明らかに太りやすくなってしまった。 しかも、他の部位に比べ、特にお腹周りが気になる太り方。 いわゆる「中年太り」「ビール腹」「メタボ体型」だ。 いよいよそんな年齢になってしまったか、と絶望しつつ帰省から戻り、体重計に乗ってみると、やはり数値的にも3kgほど増えていた。 そんな状況で本棚を眺めていた時、本書が目に止

『ノマドライフ(本田直之/朝日新聞出版)』を読んで、福岡に住んでみたくなっ

コロナ禍になって、丸3年を迎えようとしている。 その間、テレワークや移住に象徴されるように、我々の生活や仕事は劇的に変化を遂げた。 そんな今日この頃、ふとKndleライブラリを眺めていると、本書が目に止まり、読み返してみた。 本書の出版は、なんと2012年。 以前書いた『まだ東京で消耗してるの?』とも共通するが、「タイムマシンで現在を見にきた後に書いたのではないか?」と思うような内容だった。 「ノマドライフ」の定義 まず、本書のタイトルにもなっている、「ノマドライフ」の