返還要求運動の新たな視点③~運動を趣味に~
数カ月ぶりの更新です。
この間、日本JCの北方領土返還要求現地視察大会、若市議会での講演、そして洋上慰霊事業など、様々な事業に関わらせていただいた。
機会をいただいた関係者に、まずは感謝を伝えたい。
かれこれ6~7年前になると思いますが、都市部で行う返還要求関連運動で「ヒーローショー」をやりたいと相談されたことがある。話を聞いた瞬間は、あまりに乗り気ではなかったが、具体的な内容を知ると、ぜひやるべきだと支持させていただいた。
内容としては、ヒーローショーを開催、そして、そのヒーロー=特撮戦隊モノのドラマに主演された俳優をゲストに、安全保障や領土問題を考えるパネルディスカッションを行うというもの。
遊園地や商業施設、また様々な催事で、ヒーローショーを開催し、親子の観客動員を狙うという手法は昔からある。
ただ私自身、アニメや漫画、特撮が好きなヲタクで、大人になってからもヒーローショーを見に行っていたが、率直な感想として「親の息抜きの場」。ヒーローショー鑑賞が目的ではなく、「ついで」なコンテンツでしかないという印象を感じていた。
それこそ北方領土関係や他の事業でも、ヒーローショーをアトラクションの一つとして採用してる事例は多いが、主催者の感想として、「思ったより動員が稼げなかった」という反応が多い。
ヒーローショーを開催すれば、親子連れ、新規ユーザーが集まるという狙いがあったものの、結局は従来からのユーザーが子どもを連れてきたというだけの効果しか得られなかったということ。
元々その事業や催事に興味や用事がある親の「ついで」として子どもを連れてくるという効果はあるが、興味や用事のない親が、わざわざ子どもと一緒に来るという効果は大きくはないということ。
なので、当初ヒーローショーをやりたいと相談された瞬間は、一部関係者が子どもをつれてくるだけで、空席が目立つ会場を想像してしまい、効果は期待できないと私の中で判断した訳です。
一方、私が乗り気になったのは「俳優を招く」という点。
当時、イケメン戦隊俳優が注目され、関連イベントには、親子というより親が熱狂的で、他県から新幹線や飛行機を乗り継いでイベントに参加したといったユーザーもいるほど盛り上がっていた。
日本の芸能界は、政治的な事業に対して消極的。
ただドラマの中で「戦う」「守る」を演じた者であれば、安全保障・領土問題も政治分野に踏み込まなければ、積極的になるのでは?とも感じたし、こういったものに興味や理解のある新規ユーザーに、改めて安全保障や領土問題の基礎、そして重要性を伝えるには最適なパッケージだと、企画段階で成功するイメージが湧きました。
当日は狙い通り1500のキャパの大半が埋まる大盛況。
私自身役割があって、事業後、来場者30名前後にしかヒアリングアンケートができなかったが、普段安全保障・領土問題などの事業に参加したことがないという方が多かったし、年齢層も青年・青少年も多かったし、知らなかったことを学べたという感想も多く、大成功だったと感じている。
なにより私自身ヲタクなので楽しかった訳ですがw
企画した担当者は、熱狂的な特撮ファン・ヲタクではなく、青年・青少年に興味を持ってもらいたいという目標に対して、マーケティングといわれる視点から効果のある手法として企画しているという点で、企画・事業構築の面で勉強にもなった事業に参加させていただいたと感じている。
運動+趣味は運動を推進する上で有効な手法であると感じている。
どうしても運動の目的は、政治的、社会的なモノを目指すが、目標の置き所によって「趣味」に特化できると考える。
趣味となれば、十人十色で、様々な手法が考えられる。
青年・青少年に興味を持ってもらう入口として趣味の分野を取り入れることは有効である。
ただ、趣味は十人十色なので、実は万人受けはしないという点は考慮しなければならない。
それこそひと昔前、ゆるキャラ、萌えキャラブームがあり様々な地方自治体や団体で作成し、PR等に活用していたが、たぶん当初の狙いよりも効果は発揮できていない事例が多い。
それは、ゆるキャラ・萌えキャラという趣味の分野には、好きな人はめっちゃ好きだが、嫌いな人・興味が持てない人もいる…というかそちらの方が多い。言い換えれば、好きな人に向けてのコンテンツというのが基本で、コア層に対して、確実に届けるという目標設定をしなければならない。