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ギリシャ-エーゲ海に抱かれて


1.Day1:旅のはじまり - アテネへの到着

エーゲ海に浮かぶ青と白の街並み。それは誰もが一度は目にしたことのある絵はがきのような風景だ。しかし、その実像は写真では決して表現しきれない魅力に満ちている。

アテネ国際空港に到着したのは、現地時間の午後2時。日本からの長時間フライトで少々疲れは感じたものの、ギリシャの澄んだ空気が私たちを優しく迎えてくれた。

空港からアテネ市内までは、メトロ(地下鉄)を利用。約40分。切符売り場では英語での案内もあり、観光客への配慮を感じる。

【宿泊先】
New Hotel Athens
https://www.yeshotels.gr/newhotel/
古代とモダンが融合したブティックホテル。アクロポリスまで徒歩10分の好立地。

ひとことメモ:朝食のギリシャヨーグルトと蜂蜜が絶品。スタッフの気配りが心地よい。

チェックイン後、まずは腹ごしらえ。ホテルのスタッフお薦めの地元のタベルナへ向かう。

【レストラン】
Scholarhio Ouzeri
住所:Tripodon 14, Athina

おすすめメニュー:
・ムサカ(茄子のミートソースグラタン)
・ホルタ(野草のオリーブオイル和え)
・グリークサラダ

ひとことメモ:常連客と店主の会話が飛び交う活気ある雰囲気。ウゾ(アニス風味の蒸留酒)と共に本場のギリシャ料理を堪能。

夕暮れ時、アクロポリスを目指す。丘を登りながら、古代の石畳を踏みしめる。その一歩一歩に、歴史の重みを感じる。

夕陽に照らされたパルテノン神殿は、想像以上の迫力だった。オレンジ色に染まる大理石の柱。風に揺れるオリーブの木々。遠くに広がるアテネの街並み。時が止まったかのような静寂の中、夫と二人、息をのむような景色に見とれる。

近くにいた地元のカメラマンが話しかけてきた。「この時間帯が一番美しい」と、彼は笑顔で教えてくれる。カメラを向ける最適なアングルまで、親切に案内してくれた。

【アクティビティ】
パルテノン神殿見学
営業時間:8:00-19:30(季節により変動)

ひとことメモ:夕方の見学がおすすめ。観光客も少なく、ライトアップ前の美しい景色を独り占めできる。

1日目の夜は、プラカ地区の路地裏を散策。白壁の建物に囲まれた石畳の道。青いドアや赤い花々が、どこか懐かしい雰囲気を醸し出している。

タベルナからは、ブズーキ(弦楽器)の音色が漏れ聞こえてくる。観光客向けの賑やかな通りを少し外れると、地元の人々の暮らしが息づく 街が広がっていた。

初日から、私たちはすっかりギリシャの魅力に取り憑かれていた。明日はアクロポリス博物館と、アテネの市場を巡る予定だ。静かな興奮と期待を胸に、初日の夜を過ごした。

2.Day2:アテネ散策 - 古代と現代の交差点

朝日に輝くアクロポリスの丘を眺めながらの朝食。テラスで味わうギリシャヨーグルトと蜂蜜の組み合わせは、この国ならではの贅沢だ。

「カリメラ(おはよう)」
朝食時、隣のテーブルの老夫婦が微笑みかけてくれる。アテネ在住50年というマリアさんは、「アクロポリス博物館は開館直後が空いているわよ」とアドバイスをくれた。

【朝食】

New Hotel Athens - ルーフトップレストラン
おすすめメニュー:
・ギリシャヨーグルト with 地元の蜂蜜
・スパナコピタ(ほうれん草のパイ)
・フレッシュフルーツ

ひとことメモ:テラスからアクロポリスを望む朝食は、一日の完璧な始まり

マリアさんの助言通り、開館直後のアクロポリス博物館へ向かう。透明なガラス床の下には、発掘中の古代の街が広がっている。まるで時間の層を歩いているかのような感覚だ。

【アクティビティ】
アクロポリス博物館
営業時間:8:00-20:00(金曜は22:00まで)
Home | Acropolis Museum | Official website

ひとことメモ:3階のパルテノン展示室は必見。実物大のフリーズが圧巻。

博物館を出て、プラカ地区の迷路のような路地へ。青い扉の民家、鉢植えの花々、路地に干された洗濯物。日常の風景が絵になる。

午後は、モナスティラキ地区の中央市場へ。活気に満ちた市場では、威勢の良い掛け声が飛び交う。

「これ、試してみて!」
オリーブ売りのおじさんが、新漬けのオリーブを差し出してくれる。塩加減が絶妙で、思わず袋詰めを購入。

【昼食】
O Thanasis
住所:Mitropoleos 69, Athina
おすすめメニュー:
・スブラキ(串焼き)
・ドルマデス(葡萄の葉の詰め物)
・ツァツィキ(ヨーグルトディップ)

ひとことメモ:行列のできる人気店。地元客と観光客が肩を並べる。

夕方は、リカヴィトスの丘へ。ケーブルカーを使えば楽に登れるが、私たちは階段を選択。汗を流しながら登った先には、アテネ市街を一望できる展望台が待っていた。

【夕食】
Orizontes Lycabettus
住所:Lycabettus Hill, Athina
https://orizonteslycabettus.gr/
おすすめ:
・シーフードパスタ
・ラム肉のグリル
・地元白ワイン

ひとことメモ:夜景と共に楽しむディナーは格別。予約必須。

夜のアテネは、また違った表情を見せる。パルテノン神殿のライトアップ、路地裏のタベルナから漏れる音楽、石畳に映る街灯の明かり。古代と現代が交差するこの街で、私たちは時を忘れて歩き続けた。

明日はいよいよサントリーニ島へ。エーゲ海に浮かぶ白亜の街並みへの期待に、胸が高鳴る。

3.Day3:サントリーニ島への旅

早朝のアテネ国際空港。国内線ターミナルは、エーゲ海の島々へ向かう人々で賑わっていた。

アテネからサントリーニまでのフライトは約45分。機内から見下ろすエーゲ海の青さに、思わず息を呑む。断崖絶壁に白壁の家々が連なる景色が、しだいに近づいてくる。

【宿泊先】
Andronis Luxury Suites
Andronis Luxury Suites Oia | Endless Feelings
洞窟をリノベーションした伝統的なケーブハウス。インフィニティプールからカルデラビューが絶景。

ひとことメモ:朝食は部屋のテラスでサービス。プライベート感たっぷりに景色を独占できる。

チェックイン後、まずはイアの街並み散策へ。真っ白な壁に青いドーム、その向こうに広がる紺碧のエーゲ海。まるで絵はがきの中を歩いているような感覚だ。

「ヤッスー(こんにちは)」
路地で出会った地元のおばあちゃんが、にこやかに挨拶してくれる。白壁に掛かった鮮やかなブーゲンビリアを指さしながら、「今が一番きれいな季節よ」と教えてくれた。

【ランチ】
Melitini
住所:Oia 847 02
https://melitinioia.com/
おすすめメニュー:
・フェタのハニーグリル
・トマトケフテデス(サントリーニ特産チェリートマトのフリッター)
・白ワイン「アシルティコ」

ひとことメモ:地元産の食材にこだわった家庭的な料理。テラス席からの眺めも最高。

午後は、サントリーニ特有の溶岩ビーチへ。赤と黒の砂浜は、火山島ならではの景観だ。

夕暮れ時、イアの街に戻る。世界中から人々が集まる有名な"サンセットスポット"は避け、地元のガイドに教わった穴場へ。

「ここなら観光客は少ないよ」
案内してくれたディミトリスの言葉通り、静かに夕陽を楽しめる場所だった。カルデラに沈む夕陽は、空と海を黄金色に染めていく。

【ディナー】
Ambrosia Restaurant
住所:Oia 847 02
https://ambrosia-restaurant.com/
おすすめメニュー:
・新鮮な魚介のカルパッチョ
・ラム肉のハーブ焼き
・サントリーニワイン

ひとことメモ:予約必須。テラス席からサンセット後の夜景も楽しめる。

夜のイアは、また違った表情を見せる。青く輝くドームのライトアップ、路地裏のバーから漏れる音楽、月明かりに照らされる白壁の街並み。

部屋に戻り、プライベートテラスでワインを傾けながら、夫と今日一日を振り返る。波の音だけが聞こえる静寂の中、満天の星空が私たちを包み込んでいた。

明日は、島内観光とワイナリーツアーの予定だ。火山島ならではのワインづくりに、今から期待が高まる。

4.Day4:サントリーニ島での冒険

テラスに運ばれてきた朝食。エーゲ海を一望できるプライベートテラスでの朝食は、この上ない贅沢だ。

【モーニング】
Andronis Luxury Suites - ルームサービス
おすすめメニュー:
・サントリーニ特産チェリートマトのオムレツ
・地元産オリーブとフェタチーズ
・フレッシュフルーツ

今日はまず、サントリーニ特有のワイナリーツアーへ。火山性の土壌で育つブドウは、独特の味わいを持つという。

【アクティビティ】
Santo Wines Winery Tour
https://santowines.gr/
時間:10:00-18:00
料金:ワインテイスティング付きツアー

ひとことメモ:予約推奨。カルデラビューのテラスでテイスティングができる。

「この畑のブドウは、かごの形に育てているんです」
ガイドのマリアが説明してくれる。強風と強い日差しから守るため、伝統的な「クーロウラ」という方法で、ブドウの木を籠状に編んで育てるのだという。

白ワインの「アシルティコ」は、ミネラル豊富な火山性土壌ならではの味わい。試飲しながら、夫と顔を見合わせる。「これは買って帰ろう」

昼食は、フィラの街にある地元で人気のタベルナへ。

【ランチ】
Ouzeri
住所:Fira 847 00
おすすめメニュー:
・グリルドオクトパス
・ファヴァ(イエローピースのディップ)
・サントリーニサラダ

午後からは、カタマラン(小型クルーザー)でのクルーズツアーへ。

【アクティビティ】
Sunset Oia Sailing
https://sailing-santorini.com/
時間:14:00-19:00
内容:温泉ビーチ、火山島上陸、シュノーケリング、BBQディナー付き

ひとことメモ:少人数制で快適。船上BBQが絶品。

エメラルド色の海に浮かぶ火山島に上陸。まだ温かい溶岩の地面を歩き、活火山の息吹を肌で感じる。

「ここから見上げる断崖絶壁が、サントリーニの成り立ちを物語っているんです」
船長のヤニスが教えてくれる。紀元前の大噴火で形成された島の歴史に、思いを馳せる。

夕暮れ時、船上でのBBQディナー。新鮮なシーフードと地元ワインを楽しみながら、沈みゆく夕陽を眺める。

帰りのタクシーで、運転手のコスタスと談笑。「観光客は多いけど、でもここには古き良きギリシャが残ってる」という言葉が印象的だった。

部屋に戻り、テラスのジャグジーに浸かりながら、満天の星空を眺める。火山が作り出した絶景の島で過ごした一日を、静かにかみしめた。

明日は最終日。アテネに戻る前に、まだ見ていない南部の街メガロコーリも訪れたい。

5.Day5:アテネへの帰還 - 最後の朝に込めた思い

夜明け前、まだ暗いうちに起き出した。サントリーニ最後の朝日を見逃すまいと、テラスで待機する。やがて空が白み始め、カルデラの向こうから太陽が顔を出す。この5日間で見た中で最も美しい朝焼けだった。

チェックアウト前に、メガロコーリへ。観光客の少ない南部の街は、昔ながらの島の暮らしが残る。

「これ、うちで作ったワインよ。試してみて」
路地で出会った老夫婦が、自家製ワインを分けてくれた。観光化された街では味わえない、素朴な温かさに触れる。

空港への道中、タクシーの運転手が「また来てね」と笑顔で手を振る。5日間の短い滞在だったが、ギリシャの人々の温かさは心に深く刻まれた。

アテネに戻り、最後の夕食は、プラカ地区の路地裏にある隠れ家的タベルナへ。

【ディナー】
To Kafeneio
住所:Epicharmou 1, Athina
おすすめメニュー:
・モウサカ
・クレタ風サラダ
・レッドワイン

ひとことメモ:常連客と店主の会話が飛び交う、地元の雰囲気たっぷりの店。

6.旅の総括:古代と現代が織りなす日々

ギリシャは、想像以上に多くの表情を見せてくれた。アテネでは、パルテノン神殿やアゴラ遺跡など、古代の遺産が現代の街に溶け込む不思議な調和を感じた。

サントリーニでは、火山が創り出した絶景と、そこに暮らす人々の営みが印象的だった。白壁の家々、青いドーム、断崖絶壁に沈む夕陽。どれもが絵になる風景だが、その裏には、厳しい自然と共生してきた島民の知恵と工夫がある。

夫婦でエーゲ海に沈む夕陽を眺めながら交わした会話は、きっと大切な思い出として心に残るだろう。

<ギリシャ旅行基本情報>
■気候:地中海性気候
・春(4-5月)と秋(9-10月)がベストシーズン
・夏(6-8月)は暑く、観光客も多い
・冬(11-3月)は比較的穏やか

■治安:概ね良好
・スリには注意
・タクシーは正規のものを利用

■言語:ギリシャ語
・観光地では英語も通じる
・簡単なギリシャ語の挨拶を覚えると喜ばれる

■通貨:ユーロ
・クレジットカードは主要店舗で使用可
・現金も必要

■チップ:
・レストラン:5-10%
・タクシー:料金の端数を切り上げる程度
・ホテル:ポーター1個につき1-2ユーロ

古代ギリシャの遺産、エーゲ海の絶景、そして何より温かい人々との出会い。すべてが心に深く刻まれた、忘れられない思い出となった。

カリスタ(さようなら)、ギリシャ。きっとまた会いに来ます。

※この記事は筆者の主観に基づいて作成されています。旅行前に最新の情報を確認することをおすすめします。

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