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イングランド-サッカーと歴史が織りなす7日間/マンチェスター~ロンドン」


1.プロローグ:サッカー観戦への思いと旅立ち


灰色の雲が低く垂れ込める成田空港。私たち夫婦の7日間のイギリス旅行が始まろうとしていた。この旅の主な目的は、夫の長年の夢であるマンチェスターシティの試合観戦。夫の熱い思いに押され、この旅行を計画した。

搭乗ゲートに向かう途中、夫は興奮気味に語り続けていた。「マンチェスターシティの本拠地で試合を観られるなんて、夢みたいだよ」と。その瞳には少年のような輝きがあった。

機内に乗り込み、座席に落ち着くと、ようやく実感が湧いてきた。これから私たちは、サッカーの聖地と呼ばれるイングランドに向かうのだ。歴史ある街並み、美しい自然、そして熱狂的なサッカーファンたち。きっと素晴らしい体験が待っているに違いない。

12時間のフライトの間、私たちは旅のプランを確認し合った。マンチェスターでの3泊、そしてロンドンでの3泊。サッカー観戦はもちろん、歴史的な建造物や美術館、地元のパブなど、様々な場所を訪れる予定だ。

長いフライトの終わりが近づくにつれ、期待と不安が入り混じる気持ちになった。果たして、私たちの旅はどんなものになるのだろうか。そんな思いを胸に、イギリスの地に降り立つ瞬間を待った。

2.Day 1:マンチェスターへの到着と街の第一印象

マンチェスター空港に降り立った瞬間、湿った冷たい空気が私たちを包み込んだ。イギリスらしい天候だ。空は灰色の雲に覆われ、小雨が降っていた。しかし、その独特の雰囲気が、私たちの旅への期待をさらに高めた。

入国審査を済ませ、荷物を受け取ると、私たちはすぐに市内へ向かうタクシーに乗り込んだ。車窓から見える景色は、赤レンガの建物が立ち並ぶ典型的なイギリスの街並みだった。

約30分のドライブの後、私たちは宿泊先のホテルに到着した。今回選んだのは、マンチェスター中心部にある「The Midland」。赤レンガ造りの歴史あるホテルで、ヴィクトリア朝時代の優雅さを今に伝える建物だ。

【宿泊先】
The Midland
住所:16 Peter St, Manchester M60 2DS, United Kingdom
https://www.themidlandhotel.co.uk/

フロントで手続きを済ませ、部屋に入ると、そこには高級感あふれる内装が広がっていた。重厚なカーテン、アンティークな家具、そして大きな窓からはマンチェスターの街並みが一望できる。疲れを癒すには最適な環境だ。

荷物を解いた後、私たちは早速街の探索に出かけることにした。ホテルを出ると、周囲には多くの人々が行き交っていた。週末ということもあり、街は活気に満ちていた。

最初に向かったのは、マンチェスターの象徴的な建物の一つ、タウンホール。ネオゴシック様式の荘厳な建物の前に立つと、その威厳ある姿に圧倒された。夫は建築に興味があるらしく、細部まで熱心に観察していた。

「ほら、見て。あの彫刻の細かさといい、この建物全体のバランスといい、本当に素晴らしいよね」

タウンホールを後にし、私たちは街を歩き続けた。通りには多くのショップやカフェが並び、週末を楽しむ地元の人々や観光客で賑わっていた。その中で、ひときわ目を引いたのが「Northern Quarter」と呼ばれるエリアだ。

ここは、アートやファッション、音楽のカルチャーが集まる地区で、独特の雰囲気を醸し出していた。壁には大きなストリートアートが描かれ、ヴィンテージショップやレコード店が立ち並ぶ。私たちは、その独特の空気感に魅了された。

歩き疲れたところで、地元の人に勧められたパブに立ち寄ることにした。

【レストラン】The Marble Arch
住所:73 Rochdale Rd, Manchester M4 4HY, United Kingdom

ヴィクトリア朝時代の建物を利用したこのパブは、地元の人々に愛されている人気スポットだ。中に入ると、温かみのある木の内装と、賑やかな会話が私たちを迎えた。

おすすめメニュー:
・Fish and Chips(イギリスの定番料理)
・Marble Arch Burger(パブ特製のハンバーガー)
・Manchester Bitter(地元のクラフトビール)

Fish and Chipsの衣がサクサクで、中の魚はふっくら。地元のビールとの相性が抜群!

ひとことメモ

「明日はいよいよサッカー観戦だね」と夫が嬉しそうに言った。その笑顔を見て、私も明日への期待が高まった。

3.Day 2:エティハド・スタジアムでの熱狂と地元の味

朝日がカーテンの隙間から差し込み、私たちを目覚めさせた。今日はこの旅行の最大の目的、マンチェスターシティの試合観戦の日だ。夫の顔には、まるで子供のようなワクワクした表情が浮かんでいた。

朝食をホテルのレストランで済ませた後、私たちはエティハド・スタジアムに向かった。地下鉄に乗り、「Etihad Campus」駅で降りると、すでに多くのサポーターたちが集まっていた。青いユニフォームを着た人々が、歌を歌いながら歩いている。その熱気に、私も徐々に引き込まれていった。

スタジアムに到着すると、その巨大さに圧倒された。青と白を基調とした近代的な建物は、まさにサッカーの聖地という雰囲気を醸し出していた。

スタジアム内に入ると、さらに興奮が高まった。座席に着くと、ピッチの緑の芝生が目に飛び込んでくる。周囲には数万人のサポーターたちがおり、その熱気は想像以上だった。

試合が始まると、スタジアム全体が一つになったような感覚に襲われた。ゴールが決まるたびに、観客席が青い波のように揺れ動く。私はこの雰囲気に完全に引き込まれていた。

試合は接戦の末、マンチェスターシティの勝利で終わった。スタジアムは歓喜に包まれ、私たちも興奮冷めやらぬまま、周囲のサポーターたちと喜びを分かち合った。

試合後、私たちは地元のファンに勧められたパブに向かった。そこでは多くのサポーターたちが集まり、試合の余韻に浸っていた。

【レストラン】
The City Arms
住所:46-48 Kennedy St, Manchester M2 4BQ, United Kingdom

このパブは、サッカーファンに人気の場所だ。壁には歴代の選手たちの写真が飾られ、まさにサッカー文化を体感できる空間だった。

おすすめメニュー:
・Steak and Ale Pie(ビーフシチューパイ)
・Manchester Egg(マンチェスター名物の卵料理)
・各種地元のエール

パブでの食事中、隣のテーブルの地元のファンたちと会話を交わした。

「日本からわざわざ試合を見に来たのか?」と驚かれながらも、彼らは私たちを温かく迎え入れてくれた。サッカーの話題を中心に、マンチェスターの歴史や文化について語り合った。

「マンチェスターは音楽の街でもあるんだ。オアシスやザ・スミスなど、多くのバンドがここから生まれたんだよ」と、一人のファンが教えてくれた。

夜も更けてきたところで、私たちはホテルに戻ることにした。帰り道、街の雰囲気が少し変わっていることに気づいた。昼間の賑わいとは違う、落ち着いた夜の顔を見せるマンチェスター。レンガ造りの建物にライトアップされ、幻想的な雰囲気を醸し出していた。

ホテルに戻り、窓から夜景を眺めながら、今日一日を振り返った。

「今日は最高の日だったね」と夫が言った。その笑顔を見て、私も同意せずにはいられなかった。サッカーを通じて、この街の魅力を存分に感じることができた一日だった。

明日はマンチェスターの歴史を巡る予定だ。今日とはまた違った面を発見できることを期待しながら、私たちは眠りについた。

4.Day 3:マンチェスターの歴史を巡る旅

朝、カーテンを開けると、珍しく晴れ渡った空が広がっていた。今日は、マンチェスターの歴史を巡る一日。産業革命の中心地として栄えたこの街の過去に思いを馳せながら、探索の準備を整えた。

最初に向かったのは、「Museum of Science and Industry」。この博物館は、マンチェスターの産業の歴史を詳しく知ることができる場所だ。

【アクティビティ】
Museum of Science and Industry
住所:Liverpool Rd, Manchester M3 4FP, United Kingdom
https://www.scienceandindustrymuseum.org.uk/

産業革命時代の蒸気機関車や紡績機など、実際に動く展示物が多く、子供から大人まで楽しめる。

ひとことメモ

館内に入ると、巨大な蒸気機関車が私たちを出迎えた。その存在感に圧倒されながら、私たちは展示を見て回った。中でも印象的だったのは、綿工業に関する展示だ。かつてマンチェスターは「コットノポリス(綿の都)」と呼ばれるほど、綿工業で栄えた街だった。

「こんな小さな綿の種から、あんなに大きな産業が生まれたなんて、すごいね」と夫が感心していた。確かに、一粒の綿の種が、この街の歴史を大きく変えたのだ。

博物館を出た後、私たちは運河沿いを歩くことにした。マンチェスターには多くの運河があり、かつては工業製品の輸送に使われていた。今では、その多くが遊歩道として整備され、市民の憩いの場となっている。

運河沿いを歩きながら、私たちは次の目的地、「John Rylands Library」に向かった。

図書館に入ると、その荘厳な雰囲気に息を呑んだ。高い天井、精巧な彫刻、そして何十万冊もの古書。ここは単なる図書館ではなく、まさに知識の神殿だった。

「こんな場所で勉強できたら、きっと誰でも賢くなれるね」と私が言うと、夫は「いや、きっと本を読むのを忘れて、建物に見とれちゃうよ」と冗談を言った。確かに、その美しさに目を奪われ、本を読むのを忘れてしまいそうだった。

午後になり、お腹が空いてきたところで、レストランに向かった。

【レストラン】
The Refuge
住所:Oxford St, Manchester M60 7HA, United Kingdom
https://www.refugemcr.co.uk/

このレストランは、かつての保険会社のオフィスを改装したもので、その内装は Victorian Era と現代的なデザインが見事に融合している。

おすすめメニュー:
・Manchester Tart(マンチェスター名物のタルト)
・Lamb Shawarma(中東風のラム肉料理)
・Voltini(地元のクラフトビール)

シェアリングプレートが充実しており、様々な料理を少しずつ楽しめる。

ひとことメモ

食事の後、私たちは「Manchester Art Gallery」に向かった。ここでは、マンチェスターの芸術の歴史を垣間見ることができる。

美術館を出ると、日が傾き始めていた。夕暮れ時のマンチェスターの街並みは、また違った表情を見せる。レンガ造りの建物が夕日に照らされ、温かみのある雰囲気を醸し出していた。

ホテルに戻る途中、私たちは小さなアンティークショップに立ち寄った。そこで、マンチェスターの古い地図を見つけ、思わず購入してしまった。この地図を見ながら、今日歩いた道筋を確認すると、街の変遷を実感できた。

明日からは場所を変えてロンドンへ。新たな発見と体験が待っているに違いない。

5.Day 4:ロンドンへの移動と夜の街歩き

私たちは最後のマンチェスターの朝を迎えた。3日間の滞在はあっという間だったが、この街の魅力を十分に感じることができた。

ホテルをチェックアウトし、マンチェスター・ピカデリー駅へ向かった。ロンドンまでは電車で約2時間の旅だ。駅に到着すると、多くの旅行者で賑わっていた。

電車に乗り込み、窓の外を眺めていると、徐々に都市の景色が田園風景に変わっていった。
ロンドン・ユーストン駅に到着すると、そこにはマンチェスターとは全く異なる雰囲気が広がっていた。人々の忙しない足取り、高層ビルの林立、そして世界中から集まった観光客たち。まさに国際都市の顔だ。

駅を出て、まずは宿泊先のホテルにチェックインすることにした。

【宿泊先】
The Montague on the Gardens
住所:15 Montague St, London WC1B 5BJ, United Kingdom
https://www.montaguehotel.com/

このホテルは、ロンドンの中心部にありながら、静かな庭園に面した落ち着いた雰囲気が魅力だ。ブリティッシュ・ミュージアムにも近く、観光に便利な立地にある。

部屋に入ると、エレガントな内装と、窓から見える美しい庭園の景色に心が和んだ。荷物を解いた後、私たちは早速ロンドンの街を探索することにした。

最初に向かったのは、テムズ川沿いだ。ロンドン・アイやビッグ・ベンなど、ロンドンを象徴する建物が川沿いに並んでいる。夕暮れ時のテムズ川は、オレンジ色に染まった空を映し出し、幻想的な雰囲気を醸し出していた。

「ロンドンって、歴史と現代が共存している感じがするね」と夫が言った。確かに、何百年も前からある建物の隣に、近代的な高層ビルが建っている光景は、ロンドンならではのものだ。

夜になり、私たちはコヴェント・ガーデンに向かった。ここは、かつて野菜市場だった場所が、今では店舗やレストラン、パフォーマンスアーティストで賑わう観光スポットになっている。

【レストラン】
Rules
住所:34-35 Maiden Ln, London WC2E 7LB, United Kingdom
https://rules.co.uk/

ロンドン最古のレストランとして知られる「Rules」で夕食をとることにした。1798年創業のこの店は、伝統的なイギリス料理を提供している。

おすすめメニュー:
・Roast Beef and Yorkshire Pudding(ローストビーフとヨークシャープディング)
・Game Pie(ジビエのパイ)
・Sticky Toffee Pudding(スティッキートフィープディング)

歴史ある店内の雰囲気も楽しめる。壁に飾られた肖像画や、アンティークな調度品が、まるで時代劇の中にいるような感覚を与えてくれる。

ひとことメモ

ホテルに戻る途中、夜のロンドンの街並みを楽しんだ。ライトアップされた建物や、賑やかなパブから漏れる笑い声。その全てが、ロンドンという都市の魅力を物語っているようだった。

6.Day 5:ロンドンの王室と歴史探訪

目を覚ますと、ロンドンの活気ある街の音が聞こえてきた。今日は、ロンドンの歴史と王室に触れる一日。朝食を済ませ、私たちは最初の目的地、バッキンガム宮殿へと向かった。

バッキンガム宮殿に近づくにつれ、観光客の数が増えていく。宮殿の前に立つと、その威厳ある姿に圧倒された。丁度衛兵交代の時間に重なり、カラフルな制服を着た衛兵たちの行進を見ることができた。

「こんな場所に住んでいる王室って、どんな生活をしているんだろう」と夫が呟いた。確かに、私たちの日常生活とはかけ離れた世界だ。しかし、そこには長い歴史と伝統が息づいているのを感じた。

バッキンガム宮殿を後にし、私たちは徒歩でウェストミンスター寺院へと向かった。道中、セント・ジェームズ・パークを通り抜けた。緑豊かな公園では、多くの人々がランチを楽しんだり、リスに餌をあげたりしていた。

ウェストミンスター寺院に到着すると、その壮大なゴシック建築に息を呑んだ。

寺院内を歩きながら、歴代の王や女王の戴冠式が行われた場所、ニュートンやダーウィンなど科学者の墓、そして「詩人の角」と呼ばれる文学者たちの記念碑を見学した。

「こんなにも多くの歴史的人物が眠る場所なんて、他にないよね」と私が言うと、夫は「まるで歴史の教科書の中を歩いているような気分だ」と答えた。

昼食時間が近づいてきたので、隠れ家的なパブに向かうことにした。

【レストラン】
The Grenadier
住所:18 Wilton Row, Belgravia, London SW1X 7NR, United Kingdom
http://www.grenadierbelgravia.com/

このパブは、かつて近衛兵の兵舎だった建物を改装したもので、その歴史ある雰囲気が魅力だ。

おすすめメニュー:
・Steak and Guinness Pie(ステーキとギネスビールのパイ)
・Fish and Chips(フィッシュアンドチップス)
・London Pride(地元のエールビール)

天井に貼られた各国の紙幣が特徴的。幽霊が出るという噂もある、ミステリアスなパブ。

ひとことメモ

昼食後、私たちはテムズ川沿いを歩き、ロンドン塔へと向かった。途中、タワーブリッジの壮大な姿を眺めながら、ロンドンの歴史の重みを感じた。

ロンドン塔に到着すると、その厳めしい外観に圧倒された。中に入ると、王冠や宝飾品などの「王室の宝物」が展示されている宝物館や、かつて政治犯が幽閉されていた塔内部を見学した。

「ここで多くの歴史が作られたんだね。良いことも悪いことも含めて」と夫が感慨深げに言った。確かに、ロンドン塔は栄光と悲劇の両方を見てきた場所だ。

夕方になり、私たちはテムズ川クルーズに乗ることにした。夕日に照らされたロンドンの街並みは息をのむほど美しかった。

【アクティビティ】
テムズ川クルーズ
乗船場所:Westminster Pier
https://www.citycruises.com/london-river-tours

クルーズ中、ガイドがロンドンの歴史や建築物について説明してくれた。川から見上げるロンドンの街並みは、陸上で見るのとはまた違った魅力があった。

クルーズを終え、インド料理店で夕食を取ることにした。

【レストラン】
Dishoom Covent Garden
住所:12 Upper St Martin's Ln, London WC2H 9FB, United Kingdom
https://www.dishoom.com/covent-garden/

このレストランは、ボンベイのイラニカフェをモチーフにした人気店だ。

おすすめメニュー:
・Black Daal(じっくり煮込んだ黒レンズ豆のカレー)
・Chicken Ruby(バターチキンカレー)
・House Chai(スパイシーなチャイ)

人気店なので予約必須。雰囲気も料理も本場インドの味が楽しめる。

ひとことメモ

7.Day 6:ロンドンの隠れた魅力を求めて

朝、目覚めると、窓の外には雨が降っていた。しかし、この雨がロンドンの街並みに独特の雰囲気を醸し出していた。今日は、ガイドブックにはあまり載っていないような、ロンドンの隠れた魅力を探す一日だ。

朝食後、まず向かったのは、ショーディッチ地区。かつては工場地帯だったこのエリアは、今やロンドンのクリエイティブな若者たちが集まる人気スポットになっている。
雨の中、カラフルな壁画やグラフィティを見て回った。ガイドの説明を聞きながら、私たちは現代のロンドンの創造性と活力を感じた。

「これって、まるで街全体が美術館みたいだね」と夫が感心していた。確かに、どの角を曲がっても新しい作品に出会える。それぞれの作品には、アーティストのメッセージが込められていて、現代社会への批評や希望が表現されていた。

【レストラン】
Attendant Shoreditch
住所:74 Great Eastern St, London EC2A 3JL, United Kingdom
https://the-attendant.com/pages/shoreditch

このカフェは、かつての公衆トイレを改装したユニークな場所だ。

おすすめメニュー:
・Avocado Toast(アボカドトースト)
・Flat White(フラットホワイト)
・Homemade Cakes(自家製ケーキ)

ひとことメモ:独特の空間で、美味しいコーヒーと軽食が楽しめる。地元の人にも人気のスポット。

ひとことメモ

昼食後、私たちはリージェンツ・カナルに沿って歩くことにした。この運河は、かつては産業用の水路だったが、今では美しい遊歩道となっている。

運河沿いを歩きながら、私たちは地元の人々の日常生活を垣間見ることができた。犬の散歩をする人、ジョギングをする人、のんびりと本を読む人。ここには、観光地とは違った、ロンドンの素顔があった。

「こんな風に暮らせたら素敵だね」と私が言うと、夫も「うん、都会の喧騒の中にある、こんな静かな場所があるなんて驚きだよ」と答えた。

パブでひと息ついた後、私たちはカムデン・マーケットへと向かった。カムデンは、パンクカルチャーの発祥地として知られ、今でも独特の雰囲気を持つエリアだ。

【アクティビティ】
カムデン・マーケット
住所:Camden Lock Place, London NW1 8AF, United Kingdom
https://camdenmarket.com/

個性的な店舗が並び、ストリートフードや手作りのアクセサリー、ヴィンテージ衣料など、様々なものが見つかる。

ひとことメモ

マーケットを歩きながら、私たちは様々な国の料理を少しずつ試食した。エスニック料理や、イギリスの伝統的な料理など、多様な食文化が一つの場所に集まっているのが面白かった。

夕方になり、私たちは最後の目的地、スカイガーデンへと向かった。

37階にある展望台からは、ロンドンの街が一望できた。夕暮れ時のロンドンの街並みは、昼間とはまた違った魅力があった。テムズ川に映る夕日、ライトアップされ始めた建物たち。その景色は、まるで絵画のようだった。

展望台を後にし、最後の夜を楽しむため、地元の人に教えてもらった隠れ家バーへと向かった。

【レストラン】
Evans & Peel Detective Agency
住所:310c Earls Court Rd, London SW5 9BA, United Kingdom

このバーは、1920年代の探偵事務所をテーマにした隠れ家的なスピークイージーバーだ。

おすすめメニュー:
・Sherlock's Pipe(スモーキーなウイスキーカクテル)
・The Informant(季節のフルーツを使ったカクテル)
・Detective's Board(シャルキュトリーの盛り合わせ)

入口で「探偵」に事件の相談をするという演出があり、ユニークな体験ができる。

ひとことメモ

バーの独特な雰囲気を楽しみながら、私たちは今回の旅を振り返った。マンチェスターでのサッカー観戦、ロンドンの歴史的建造物、そして今日見た現代的なロンドンの姿。すべてが新鮮で、心に残る体験だった。

部屋に戻り、窓から夜景を眺めながら、私たちは静かに明日への思いを馳せた。イギリスでの7日間は、私たち夫婦にとって、かけがえのない時間となった。

8.Day 7:別れを惜しみつつ、帰国の途へ

目を覚ますと今日が最終日であることを実感した。荷物をまとめながら、この7日間の思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡る。

朝食を済ませた後、チェックアウトの時間までわずかな時間があったので、近くのハイド・パークを散歩することにした。朝もやの中、公園を歩く人々や、ジョギングをする人たちを見かけた。ロンドンの朝の空気を胸いっぱいに吸い込みながら、私たちは静かに歩を進めた。

ホテルに戻り、チェックアウトを済ませた後、私たちはヒースロー空港に向かった。地下鉄に乗り込むと、周りには大きな荷物を持った旅行者たちがいた。彼らの表情を見ていると、自分たちと同じように、イギリスでの思い出を胸に帰国の途につくのだろうと思った。

空港に到着し、チェックインを済ませた後、最後の時間を過ごすために空港内のカフェに立ち寄った。

【レストラン】
Fortnum & Mason Bar
場所:Heathrow Airport, Terminal 5 After Security

このカフェは、ロンドンの老舗百貨店として有名なフォートナム&メイソンの空港店だ。

おすすめメニュー:
・Afternoon Tea Set(アフタヌーンティーセット)
・Scotch Egg(スコッチエッグ)
・English Breakfast Tea(イングリッシュブレックファストティー)

最後にイギリスの味を楽しめる。お土産の紅茶やビスケットも購入できる。

ひとことメモ

搭乗時間が近づき、私たちは重い腰を上げた。搭乗ゲートに向かう途中、お土産店で最後の買い物をした。家族や友人へのお土産を選びながら、イギリスでの思い出を少しでも持ち帰りたいという気持ちが強くなった。

飛行機に乗り込み、座席に落ち着くと、窓の外にロンドンの街並みが見えた。離陸するにつれて、その景色は小さくなっていった。

「また来たいね」と私が言うと、夫も頷いた。

9.エピローグ:思い出と気づき

帰国から数週間が経ち、日常生活に戻った今、イギリスでの7日間を振り返ると、その一瞬一瞬が鮮明に蘇ってくる。写真を見返したり、旅の思い出話をしたりする度に、新たな気づきや感動が生まれる。
旅の終わりに「また来たい」と言った言葉は、単なる感傷ではなく、本当の思いだった。イギリスには、まだまだ発見し切れていない魅力がたくさんある。次は湖水地方やスコットランドを訪れてみたい。そんな次の旅への期待が、もう芽生えている。

≪イギリス旅行の基本情報≫

■入国方法
観光目的で6ヶ月以内の滞在の場合、日本国籍者はビザ不要。ただし、パスポートの残存有効期間は、イギリス出国予定日から6か月以上必要。
■現地での移動手段
・ロンドン市内:地下鉄(チューブ)、バス、タクシーが便利。オイスターカードを購入すると、公共交通機関の利用が便利で割安になる。
・都市間移動:鉄道が便利。事前予約でお得なチケットを購入可能。
■通貨
ポンド(GBP)
■チップ
レストランでは通常、料金の10~15%程度。ただし、料金に「Service Charge」が含まれている場合は不要。タクシーでは料金の10%程度が一般的。
■その他
・電圧は230V、コンセントの形状は3ピンタイプなので、変換プラグが必要。
・イギリスの天候は変わりやすいので、雨具の携帯をおすすめする。
・美術館や博物館は入場無料のところが多い。
・パブでの飲酒は18歳以上。ID確認を求められる場合もあるので、パスポートを持参するとよい。
・イギリスの公衆トイレは有料の場合がある。小銭を用意しておくと便利。
・イギリスの食事は、18~21時頃が一般的。レストランは事前予約をおすすめする。
・イギリスの運転は左側通行。歩行者も道路を渡る際は左右確認を忘れずに。
※この記事は筆者の主観に基づいて作成されています。旅行前に最新の情報を確認することをおすすめします。

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