「ペルー&ボリビア-アンデスの魂を追って」
1.Day1‐Day2:リマからクスコへ
いよいよペルーの地に足を踏み入れた。リマの空港に降り立つと、湿った空気が肌を包んだ。
リマでの滞在は短かったが、その雰囲気は印象的だった。コロニアル様式の建築が立ち並ぶ旧市街を歩きながら、スペイン統治時代の面影を感じた。夕暮れ時、ミラフローレス地区の海岸沿いを散歩すると、パラグライダーが夕陽を背に舞う光景に出会った。
【レストラン】
Central Restaurante
住所:Av. Pedro de Osma 301, Barranco 15063, Peru
https://centralrestaurante.com.pe/
ペルーの食文化を堪能したいなら、ここは外せない。世界のベストレストラン50にも選ばれた名店だ。
おすすめメニュー:
• デグステーションメニュー(ペルーの多様な生態系を表現した創造的な料理の数々)
翌朝、私たちはクスコへ向かう国内線に乗り込んだ。機内から見るアンデス山脈の姿は圧巻で、これから始まる冒険への期待が高まった。
クスコに到着すると、標高3,400メートルの高地特有のめまいと軽い頭痛を感じた。ホテルのスタッフが用意してくれたコカティーを飲みながら、ゆっくりと高度に順応することにした。
【宿泊先】
Belmond Palacio Nazarenas
住所:Plazoleta Nazarenas 223, Cusco 08000, Peru
https://www.belmond.com/hotels/south-america/peru/cusco/belmond-palacio-nazarenas/
かつての修道院を改装した豪華ホテル。クスコの中心部に位置し、歴史的な雰囲気と現代的な快適さが融合している。
午後、少し体調が落ち着いたところで、クスコの街を探索することにした。サン・ブラス地区の急な坂道を上りながら、カラフルな民芸品店や小さなカフェを覗いた。地元の人々の温かな笑顔に触れ、徐々にこの地に溶け込んでいく感覚を味わった。
夕食は、地元の人におすすめされたレストランへ。
【レストラン】
Chicha por Gaston Acurio
住所:Plaza Regocijo 261, Cusco 08000, Peru
https://chicha.com.pe/
ペルーを代表する料理人ガストン・アクリオのレストラン。伝統的なペルー料理を現代的にアレンジしている。
おすすめメニュー:
• アルパカのロースト
• クイ(モルモット)のフライ
窓から見える星空の下、明日からのマチュピチュへの旅に思いを馳せながら、眠りについた。
2.Day3: インカの聖地‐マチュピチュへの旅
朝焼けとともに目覚め、今日こそマチュピチュに向かう日だと実感した。朝食を済ませ、クスコ駅へ向かう。ペルーレイル社の豪華列車「ヴィスタドーム」に乗り込むと、まるで時代を遡ったかのような気分になった。
列車は、ウルバンバ川に沿って進む。車窓から見える景色は刻々と変化し、アンデスの雄大な山々が次第に熱帯の植生へと移り変わっていく。約3時間半の旅は、それ自体が一つの冒険だった。
アグアス・カリエンテス駅に到着し、そこからバスでマチュピチュへ。蛇行する山道を20分ほど上ると、突如として目の前に広がる光景に息を呑んだ。雲の合間から姿を現すマチュピチュの遺跡。何度か写真で見たことはあったが、実際に目にすると、その壮大さに圧倒された。
【アクティビティ】
マチュピチュ遺跡ツアー
ガイド付きで遺跡内を巡るツアー。インカの歴史や建築技術について詳しく学べる。
遺跡内を歩きながら、インカ帝国の栄華と神秘に思いを馳せる。太陽の門、インティワタナの石、神聖広場...それぞれの場所に込められた意味を聞くたびに、古代文明の知恵と技術に感嘆した。
昼食は遺跡近くのレストランで取ることにした。
【レストラン】
Tinkuy Buffet Restaurant at Belmond Sanctuary Lodge
住所:Machu Picchu Pueblo, Aguas Calientes 08681, Peru
https://www.belmond.com/hotels/south-america/peru/machu-picchu/belmond-sanctuary-lodge/
マチュピチュ遺跡のすぐそばにあるレストラン。豊富な種類のペルー料理ビュッフェが楽しめる。
おすすめメニュー:
• ロモ・サルタード(牛肉の炒め物)
• セビーチェ(魚介のマリネ)
午後は、オプションでワイナピチュ山に登ることにした。急な階段と狭い道を1時間ほど登ると、マチュピチュを見下ろす絶景ポイントに到着。汗だくになりながらも、そこから見るマチュピチュの全景は、言葉では表現できないほど美しかった。
夕方、再び列車でクスコに戻る頃には、私たちの心は感動と充実感で満たされていた。車窓に映る夕陽に染まるアンデスの山々を眺めながら、夫と今日の体験を語り合った。
【宿泊先】
Belmond Hotel Monasterio
住所:Calle Palacios 136, Plazoleta Nazarenas, Cusco 08000, Peru
https://www.belmond.com/hotels/south-america/peru/cusco/belmond-hotel-monasterio/
16世紀の修道院を改装した5つ星ホテル。スパニッシュコロニアル様式の建築と豪華な内装が印象的。
マチュピチュの神秘的な雰囲気が、私たちの心に深く刻まれた一日だった。
3.Day4‐Day6: チチカカ湖‐水上の村と太陽の島
朝早く、私たちはクスコを後にしてプーノへ向かうバスに乗り込んだ。約10時間の長旅だが、途中で様々な観光地に立ち寄るツアーバスを選んだことで、退屈することはなかった。
アンデスの高原地帯を走る道中、アルパカの群れや色とりどりの民族衣装を着た地元の人々の姿を目にした。ラヤ峠では標高4,335メートルの高地に立ち、息をのむような景色を眺めた。シックアニ遺跡では、先コロンブス期の文明の痕跡に触れ、歴史の重みを感じた。
プーノに到着したのは夕方だった。チチカカ湖のほとりに建つホテルにチェックインし、明日の湖上ツアーに備えて早めに休むことにした。
【宿泊先】
GHL Hotel Lago Titicaca
住所:Av Sesquicentenario 1970, Sector Huaje, Puno 21001, Peru
GHL Lago Titicaca, Puno.
チチカカ湖を一望できる絶好のロケーション。モダンな設備と伝統的なデザインが融合したホテル。
翌朝、早めの朝食を済ませ、港へ向かった。チチカカ湖でのボートツアーが今日のメインイベントだ。最初の目的地は、トトラという葦で作られた人工の浮島、ウロス島だった。
島に到着すると、カラフルな民族衣装を着た島民が温かく迎えてくれた。島全体が揺れる不思議な感覚に戸惑いながらも、島民の案内で島内を探索した。彼らの生活様式や、トトラを使った様々な工芸品に触れ、人間の適応力と創造性に感銘を受けた。
【アクティビティ】
ウロス島ホームステイ体験
島民の日常生活を体験できるプログラム。
次に向かったのは、タキーレ島。織物で有名なこの島では、島民たちの伝統的な暮らしぶりを見学した。男性が編み物をし、女性が農作業をするという、他とは異なるジェンダーロールに興味をそそられた。
【レストラン】
Suma Jakkaña Restaurant
住所:Taquile Island, Puno, Peru
タキーレ島にある地元の家庭料理レストラン。島で採れた新鮮な食材を使った料理が楽しめる。
おすすめメニュー:
• トゥルーチャ・フリタ(マス料理)
• キヌアスープ
午後、ボリビア側のコパカバーナに向かうボートに乗り込んだ。国境越えの手続きは少し時間がかかったが、スムーズに進んだ。コパカバーナに到着後、太陽の島(イスラ・デル・ソル)へ向かった。
太陽の島では、インカ文明の発祥の地とされる場所を訪れた。神聖な雰囲気に包まれた遺跡を歩きながら、はるか昔にこの地を訪れた人々の思いに想像を巡らせた。
夕暮れ時、島の最高地点に登り、チチカカ湖に沈む夕日を眺めた。湖面に映る夕陽の光景は、この旅で最も美しい瞬間の一つだった。
【宿泊先】
Ecolodge La Estancia
住所:Isla del Sol, Bolivia
https://www.ecolodge-laketiticaca.com/
太陽の島にある環境に配慮したロッジ。伝統的な建築様式と現代的な快適さが融合している。
その夜、ロッジのテラスで地元のミュージシャンによる伝統音楽を聴きながら、今日の体験を振り返った。湖上の村々で出会った人々の笑顔、手つむぎの織物の繊細さ、太陽の島の神秘的な雰囲気...すべてが鮮明に心に刻まれていた。
翌朝、太陽の島を後にしてコパカバーナに戻り、そこからラパスに向かうバスに乗った。チチカカ湖畔の景色を眺めながら、この地域の豊かな文化と歴史に思いを馳せた。
4.Day6:天空の鏡‐ウユニ塩湖の絶景
ラパスからウユニへの道のりは、まさに冒険そのものだった。朝早くラパスを出発し、バスで約10時間かけてウユニに到着した。道中、アンデス高原の壮大な景色に魅了された。赤茶けた大地、遠くに見える雪をかぶった山々、そして時折見かけるラマの群れ。すべてが新鮮で、カメラのシャッターを切る手が止まらなかった。
ウユニに到着したのは夕方だった。小さな町だが、世界中から訪れる旅行者で活気に満ちていた。ホテルにチェックインし、明日の塩湖ツアーの準備をした。
【宿泊先】
Hotel de Sal Luna Salada
住所:Orillas Salar de Uyuni, Uyuni 0000, Bolivia
https://www.lunasaladahotel.com.bo/
塩湖の縁に建つユニークなホテル。建物の大部分が塩でできている。
翌朝早く、4WDのジープに乗り込んでウユニ塩湖へ向かった。日の出とともに塩湖に到着すると、そこには想像を超える光景が広がっていた。一面の白い塩の大地が朝日に輝き、まるで天と地がひとつになったかのような錯覚を覚えた。
【アクティビティ】
ウユニ塩湖サンライズツアー
日の出とともに塩湖を訪れ、幻想的な光景を楽しむツアー。
塩湖の中を進んでいくと、あちこちに小さな塩の山が見えてきた。ガイドの説明によると、これは塩の採取場所だという。塩湖の中心部に到着すると、一面の水鏡が広がっていた。空と大地の境界線が消え、まるで宙に浮いているような不思議な感覚に陥った。
夫と私は、互いに写真を撮り合いながら、この奇跡的な光景を心に焼き付けた。遠近感が失われる塩湖での写真撮影は、思わず笑いが出るほど楽しかった。
昼食は、塩湖の真ん中に設置されたテーブルで取ることになった。
【レストラン】
Salt Flat Picnic
塩湖の中央に設置された特設ピクニックエリア。
おすすめメニュー:
• キヌアサラダ
• ラマ肉のグリル
午後は、塩湖周辺の観光スポットを巡った。サボテンが生い茂るインカワシ島では、奇妙な風景に目を奪われた。塩湖の中に浮かぶ島に、巨大なサボテンが林立する光景は、まるで別世界のようだった。
夕方、再び塩湖に戻り、サンセットを待った。夕陽が沈むにつれ、塩湖の色が刻々と変化していく様子は息をのむほど美しかった。オレンジ、ピンク、紫と移り変わる空の色が塩湖に反射し、まるで地上に広がる万華鏡のようだった。
夜、ホテルに戻る頃には、私たちは言葉では表現できないほどの感動で満たされていた。塩湖で過ごした一日は、まさに人生最高の体験の一つだった。
5.Day7: ラパスの活気‐魔女市場と空中ケーブルカー
ウユニでの忘れられない体験を胸に、私たちはラパスへと戻った。世界最高所の首都と呼ばれるこの街は、高度3,640メートルに位置している。到着してすぐ、その独特の雰囲気に圧倒された。急な坂道、カラフルな民族衣装を着た人々、そして息を呑むような山々の景色。すべてが刺激的だった。
最初に向かったのは、名物の魔女市場だ。路地に入るとすぐに、独特の香りが鼻をついた。
【アクティビティ】
魔女市場ツアー
ラパスの魔女市場を地元ガイドと巡るツアー。
市場では、乾燥したハーブ、カラフルな護符、そして目を背けたくなるような動物の乾燥死体まで、ありとあらゆるものが売られていた。地元のガイドによると、これらは全て伝統的な儀式や祈祷に使われるのだという。文化の違いに戸惑いながらも、アンデスの人々の信仰の深さを感じずにはいられなかった。
昼食は、ガイドおすすめのレストランで地元料理を楽しんだ。
【レストラン】
Gustu
住所:Calle 10 de Calacoto #300, La Paz, Bolivia
Gustu
ボリビアの食材にこだわった現代的なレストラン。
おすすめメニュー:
• ラマ肉のタルタル
• キヌアのリゾット
午後は、ラパスの目玉である空中ケーブルカー「Mi Teleférico」に乗ることにした。街を一望できるこの交通手段は、観光客にも地元の人々にも人気だ。
【アクティビティ】
Mi Teleférico ツアー
ラパスの空中ケーブルカーを利用した市内観光ツアー。
ケーブルカーからの眺めは息をのむほど美しかった。赤レンガの家々が山肌に張り付くように立ち並び、その背後には荘厳なイリマニ山がそびえ立つ。街の喧騒から離れ、静かに街を見下ろす時間は、この旅の中でも特別なものとなった。
夕方、エル・アルト地区に到着し、そこから夕日に染まるラパスの街を眺めた。広大な街並みが黄金色に輝く様子は、まるで絵画のようだった。
夜は、地元の人々に人気のペーニャと呼ばれる民族音楽ライブハウスを訪れた。
【レストラン兼ライブハウス】
Peña Huari
住所:Calle Sagárnaga 329, La Paz, Bolivia
伝統的なアンデス音楽とボリビア料理が楽しめる場所。
おすすめメニュー:
• ピカンテ・デ・ポヨ(鶏肉の辛味煮込み)
• チチャ・モラダ(紫トウモロコシのジュース)
ケーナやチャランゴの音色に包まれながら、私たちは改めてこの旅の素晴らしさを実感した。ホテルに戻る頃には、ラパスの夜景が街を包んでいた。
6.Day8:アンデスの思い出とともに
最終日、朝早くホテルを出発し、エル・アルト国際空港へ向かった。チェックインを済ませ、搭乗までの時間を空港内のカフェで過ごすことにした。
飛行機に乗り込み、窓から見えるアンデス山脈に別れを告げた。離陸するにつれ、ラパスの街が小さくなっていく。
帰国便の中で、私は旅のメモを整理しながら、この経験を何かの形で残したいと思った。この旅で感じた感動や発見を、何らかの形で表現したい。そして、同じように冒険を求める人々に、この地域の魅力を伝えたい。
それが本noteの原点でもあるのだ。
ペルーとボリビアを巡る10日間の旅は、私たち夫婦にとって忘れられない経験となった。古代文明の遺跡から、自然が作り出す絶景まで、南米アンデス地域の多様な魅力に触れることができた。
マチュピチュの石造りの遺跡群は、インカ文明の偉大さを今に伝え、私たちに畏敬の念を抱かせた。
チチカカ湖の水上生活は、人間の適応力と創造性を示す素晴らしい例だった。
ウユニ塩湖の果てしない白さは、地球の神秘を体感させてくれた。そしてラパスの活気ある街並みは、現代のアンデス文化の息吹を感じさせてくれた。
また、この旅を通じて、旅することの意義を改めて実感した。新しい文化や環境に触れることで、自分の価値観や世界観が広がる。当たり前だと思っていたことが、実はそうではないことに気づく。そして、異なる文化を持つ人々との交流を通じて、人間の多様性と普遍性を感じることができる。
ペルーとボリビアの旅は、私たちに多くの気づきと学びをもたらしてくれた。例えば、インカの人々が自然と調和しながら生きてきた知恵。チチカカ湖の島民たちが限られた資源を最大限に活用する工夫。ウユニの人々が厳しい自然環境の中で生きる強さ。そしてラパスの人々が伝統と近代化のバランスを取りながら、活気ある街を作り上げている姿。
これからも、新しい場所を訪れ、新たな発見と感動を求めていきたい。
≪現地情報≫
■入国方法
ペルー:観光目的で90日以内の滞在の場合、日本人はビザ不要。パスポートの残存有効期間は入国時から6ヶ月以上必要。
ボリビア:観光目的で90日以内の滞在の場合、日本人はビザ不要。パスポートの残存有効期間は入国時から6ヶ月以上必要。
■現地での移動手段
ペルー:
リマ市内:タクシー、バス、メトロが利用可能。Uberなどの配車アプリも普及している。
クスコ〜マチュピチュ:列車が主な移動手段。ペルーレイル社やインカレイル社が運行している。
ボリビア:ラパス市内:ケーブルカー(Mi Teleférico)、バス、タクシーが利用可能。
ウユニ塩湖:4WDのツアーが一般的。
■通貨
ペルー:ヌエボ・ソル(PEN)
ボリビア:ボリビアーノ(BOB)
■チップ
ペルー:レストランでは通常10%程度。タクシーではチップは不要。
ボリビア:高級レストランでは5〜10%程度。タクシーではチップは不要。
■その他
高山病対策:クスコ、ラパス、ウユニなど高地を訪れる際は、高山病対策が必要。事前に医師に相談し、必要に応じて薬を処方してもらうことをおすすめする。
治安:一般的な注意は必要だが、観光地では比較的安全。ただし、夜間の一人歩きは避けるなど、基本的な注意は必要。
服装:気候や訪問先によって大きく異なる。特に高地では寒暖の差が激しいので、重ね着ができる服装がおすすめ。
予防接種:黄熱病の予防接種証明書が必要な場合がある(特にアマゾン地域を訪れる場合)。詳細は最新の情報を確認すること。
※この記事は筆者の主観に基づいて作成されています。旅行前に最新の情報を確認することをおすすめします。
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