「ニュージーランド-秘境を巡る7日間 /大自然と文化の旅」
1.1日目:オークランド到着 - 都市の魅力に触れる
「キアオラ!」(こんにちは)。12時間のフライトを終え、オークランド国際空港に降り立った瞬間、笑顔で迎えてくれた入国審査官の温かい挨拶に、長い飛行の疲れが一気に吹き飛んだ。
「ニュージーランドへようこそ。楽しい滞在になりますように」。その言葉に、これから始まる冒険への期待が膨らむ。
【宿泊先】
コーディス オークランド バイ ランガム ホスピタリティ グループ (Cordis, Auckland by Langham Hospitality Group)
https://www.cordishotels.com/en/auckland/
オークランドの中心部に位置する5つ星ホテル。モダンな内装と快適な設備が魅力的だ。部屋からはスカイタワーが見え、オークランドの街並みを一望できる。
チェックイン後、早速オークランドの街を散策することにした。まずは、ホテルからも見えるスカイタワーへ。高さ328メートルのタワーからは、オークランド全体を見渡すことができる。360度回転するレストランで昼食を取りながら、これからの旅程を確認する。
隣のテーブルの若いカップルと意気投合した。彼らは南島から観光に来ていたという。
「南島にも行く予定なの?テカポ湖は外せないよ。あそこの星空は最高だから」彼らの熱いお勧めに、急遽旅程を変更することにした。
夕食は、地元の人にも人気のワテルフロントエリアへ。
【レストラン】
ソウル バー アンド ビストロ (Soul Bar & Bistro)
https://www.soulbar.co.nz/
ワテルフロントに位置する人気レストラン。新鮮なシーフードと地元の食材を使った料理が自慢。
おすすめメニュー:
• ニュージーランド産グリーンリップムール貝のワイン蒸し
• ワカティプ湖産のキングサーモンのグリル
ムール貝の旨みと白ワインの香りが口の中に広がる。キングサーモンの身はしっとりとして、地元の野菜と見事にマッチしていた。ワインを片手に、目の前に広がるワイテマタ湾を眺めながら、明日からの旅への期待を膨らませる。
初日の夜は早めに就寝。時差ボケを解消し、明日からの冒険に備えるためだ。窓から見えるオークランドの夜景を眺めながら、私たちは穏やかな眠りについた。
2.2日目:ワイトモとロトルア - 北島の自然を満喫
朝日とともに目覚め、早朝のハーバーを散歩してみた。朝もやの中、ヨットのマストが林立する風景は絶景だった。
その後、新たな冒険の日が始まる。今日の目的地は、北島の自然の宝庫、ワイトモとロトルア。オークランドからは車で約3時間。レンタカーを借りて、自分たちのペースで旅を進めることにした。
ニュージーランドの道路は左側通行。日本と同じなので運転にも慣れやすい。ただし、道路標識や速度制限には注意が必要だ。のどかな田園風景を楽しみながら、私たちはワイトモへと向かった。
ワイトモに到着すると、まず向かったのは有名なワイトモ洞窟。ここでは、幻想的な光景が待っていた。
【アクティビティ】
ワイトモ・グローワーム・ケーブ・ツアー
https://www.waitomo.com/glowworms-and-caves
暗闇の中、ボートに乗って洞窟内を進む。ガイドが静かに語りかける。
「みんな、目を閉じてごらん。そして、ゆっくり開けて」
目を開けると、頭上には、無数のグローワーム(蛍の幼虫)が青白い光を放っている。まるで星空のようだ。隣に座っていた地元の少年が小さな声でつぶやく。「わぁ、きれい...」
その一言に、自然の神秘に対する感動が込められていた。
洞窟探検の後は、ワイトモの緑豊かな自然を楽しむためにハイキングへ。ルアクリ・ブッシュ・ウォークは、初心者でも楽しめる約1時間のトレッキングコース。ニュージーランド固有の植物や鳥を観察しながら、心地よい汗を流した。
昼食は、ワイトモ・ケーブス・ビジターセンター内のレストランで軽く済ませる。
【レストラン】
ハブバー & キッチン (Huhu Cafe)
https://www.huhucafe.co.nz/
地元の食材を使ったカジュアルな料理が楽しめる。
おすすめメニュー:
• ラム・バーガー
• キウイフルーツのチーズケーキ
午後は、ロトルアへ向けて出発。約2時間のドライブを楽しみながら、徐々に変わっていく景色に目を奪われる。ロトルアに近づくにつれ、空気中に漂う硫黄の匂いが強くなってくる。
ロトルアは、地熱活動が盛んな地域として知られている。到着後、まず向かったのはテ・プイア。
【アクティビティ】
テ・プイア・マオリ・ビレッジ (Te Puia Maori Village)
https://tepuia.com/
マオリの伝統文化と地熱地帯が一度に体験できる場所。間欠泉や泥池を見学した後、マオリの伝統舞踊「ハカ」のパフォーマンスを鑑賞。夕食は、伝統的な地中料理「ハンギ」を楽しんだ。
ハカの披露後、若いマオリの女性が話しかけてきた。
「ハカの意味がわかった?」
「勇気と誇りを表現しているんでしょうか」
「そう、そのとおり。でも、それだけじゃないの。私たちの歴史と未来への希望も込められているのよ」
彼女の目に宿る誇りと情熱に、マオリの文化の深さを感じた。
日が暮れてからは、ポリネシアン・スパへ。温泉につかりながら、星空を眺める。南半球の星座は、私たちにとって新鮮だった。
【宿泊先】
ブラック・スワン・ブティック・ホテル (Black Swan Lakeside Boutique Hotel)
https://www.blackswanhotel.co.nz/
ロトルア湖畔に位置する高級ブティックホテル。部屋からは湖の美しい景色が楽しめる。
ベッドに横たわりながら、今日一日の冒険を振り返る。グローワームの幻想的な光、マオリの人々との心温まる交流、そして大地のエネルギーを感じる地熱地帯。ニュージーランドの自然と文化の深さを、身をもって体感した一日だった。
明日は南島へ。新たな冒険が待っている。
3.3日目:クライストチャーチとテカポ湖 - 南島の美しさに魅了される
朝早くにロトルアを出発し、オークランド国際空港へ向かう。国内線ターミナルから、南島最大の都市クライストチャーチへのフライトに搭乗した。機内から見下ろす南アルプスの山々に、思わず息を呑む。
クライストチャーチに到着後、まずは市内観光へ。2011年の大地震の爪痕は今も残っているが、街全体が復興に向けて前を向いている姿に感銘を受けた。
【アクティビティ】
クライストチャーチ・トラム・シティツアー
https://www.christchurchattractions.nz/en/christchurch-tram/
レトロな路面電車に乗って市内を巡るツアー。ガイドの説明を聞きながら、主要な観光スポットを効率よく回ることができる。
ガイドの言葉が印象的だった。
「私たちの街は地震で大きな被害を受けました。でも見てください。人々の努力で、少しずつ、でも確実に復興しているんです」
その言葉に、街の至る所で見かけた「HOPE」(希望)の文字が重なる。
カードボード・カテドラルと呼ばれる仮設の大聖堂を訪れた。段ボールを使って建てられたこの教会は、震災からの復興のシンボルとなっている。その独特な外観と内部の荘厳さに、言葉を失った。
昼食は、再開発が進む市内中心部で。
【レストラン】
リトル・ハイ・エンパイア (Little High Eatery)
https://www.littlehigh.co.nz/
様々な飲食店が集まったフードコート。地元の人々で賑わう活気ある雰囲気が魅力。
おすすめメニュー:
• ニュージーランド産ラムのケバブ
• 地元のクラフトビール
午後は、初日に出会ったカップルのおすすめでもあったテカポ湖へ向けて出発。約3時間のドライブだが、途中のスコットランドのような美しい田園風景に何度も車を止めて写真を撮った。
テカポ湖に到着すると、その美しさに息を呑んだ。ターコイズブルーの湖面と、背後に広がる雪をかぶった山々。まるで絵葉書のような光景だ。カップルとの出会いに感謝した。
夕暮れ時には、マウント・ジョン天文台へ。ここは、世界で最も星空が美しく見える場所の一つとして知られている。
【アクティビティ】
アースアンドスカイ 星空ツアー (Earth & Sky Stargazing Tour)
https://www.earthandsky.co.nz/
専門ガイドの解説を聞きながら、南半球の星空を観察するツアー。望遠鏡を使って、普段見ることのできない天体を観察できる。
南十字星を見つけられず戸惑っていると、ガイドが優しく教えてくれた。
「北半球から来た人には見つけにくいんだ。ほら、あそこを見て。四つの星が菱形になっているでしょう?」
その瞬間、南半球の夜空に、はっきりと南十字星が浮かび上がった。
南十字星やマゼラン雲など、北半球では見られない星座を観察できた。天の川の壮大さに、言葉を失う。宇宙の広大さを感じながら、人間の小ささを実感する瞬間だった。
【宿泊先】
ペッパーズ ブルーウォーター リゾート (Peppers Bluewater Resort)
https://www.peppers.co.nz/bluewater/
テカポ湖を一望できる高台に位置するリゾートホテル。部屋からの眺めは最高。
ホテルのレストランで夕食を楽しむ。地元の食材を使った料理と、ニュージーランドワインのペアリングが絶品だった。
この3日間で出会った人々の温かさ、自然の壮大さ、そして文化の深さに触れ、ニュージーランドという国の魅力に完全に心を奪われてしまった。まだ旅の半ばだというのに、もう次の訪問を考えている自分に気づく。これからの冒険に、胸が高鳴る。
4.4-5日目:クイーンズタウン - アドレナリン溢れる冒険
朝早くテカポを出発し、クイーンズタウンへ向かう。約3時間のドライブだが、途中のマウントクックやワナカ湖の絶景に何度も立ち寄った。
クイーンズタウンに到着すると、その美しさと活気に圧倒される。周囲を山々に囲まれた美しい湖畔の街は、アドベンチャースポーツの聖地として知られている。
まずは、街を一望できるスカイラインゴンドラへ。山頂からの眺めは息をのむほど美しい。
翌日は、この地域ならではのアクティビティを体験。
【アクティビティ】
ショットオーバージェット (Shotover Jet)
https://www.shotoverjet.com/
狭い渓谷を高速で疾走するジェットボートは、スリル満点。美しい景色と共に、アドレナリンが爆発する体験だった。
夜は、地元で人気のレストランで食事を楽しんだ。
【レストラン】
ラータ・ダイニング・ルーム (Rata Dining)
https://www.ratadining.co.nz/
地元の食材を使った創作料理が楽しめる。
おすすめメニュー:
• セントラルオタゴ産ラムのロースト
• 地元のピノ・ノワール
5.6日目:ミルフォードサウンド - 大自然との触れ合い
クイーンズタウンからミルフォードサウンドへのドライブは、約4時間。途中の景色の変化が素晴らしく、何度も車を止めて写真を撮った。
夜は、テ・アナウの静かな宿で過ごす。
【宿泊先】
フィヨルドランド・ロッジ (Fiordland Lodge)
https://www.fiordlandlodge.co.nz/
自然に囲まれた静かなロッジ。地元の食材を使った料理も絶品。
6.7日目:オークランドに戻って - 旅の締めくくり
最終日は、テ・アナウからクイーンズタウン経由でオークランドへ。
オークランドに戻り、最後の夜は街の雰囲気を楽しむ。
【レストラン】
デポ (Depot Eatery & Oyster Bar)
https://www.eatatdepot.co.nz/
カジュアルな雰囲気の中、新鮮な海産物や地元の料理が楽しめる。
おすすめメニュー:
• 新鮮な牡蠣
• ラム・リブ
7日間の旅を振り返りながら、ニュージーランドの多様な魅力に改めて感動する。自然の壮大さ、人々の温かさ、文化の深さ。すべてが心に深く刻まれた。
次の訪問を夢見ながら、私たちは帰国の途につく。この国が教えてくれた「大地との共生」の精神を、日常に持ち帰ることを誓いながら。
この旅で、ニュージーランドの魅力のほんの一部を垣間見ることができた。次は、もっと長期の滞在で、さらに深くこの国を知りたいという思いが強くなった。自然との共生、文化の尊重、人々の温かさ。これらの要素が見事に調和したこの国は、まさに「地上の楽園」と呼ぶにふさわしい。
≪現地情報≫
■入国方法
観光目的で90日以内の滞在の場合、ビザは不要。
ただし、パスポートの残存有効期間は、入国日から起算して3か月以上必要。
■現地での移動手段
都市部:バス、タクシー、レンタカーが便利。
地方:レンタカーが最も便利。公共交通機関は限られている。
■通貨
ニュージーランド・ドル(NZD)
■チップ
基本的にチップの習慣はない。
特別なサービスを受けた場合は、任意で支払うことがある。
■その他
・左側通行なので、運転の際は注意が必要。
・国立公園内では、自然保護のため厳しい規則がある。
・天候の変化が激しいので、防寒具や雨具の準備は必須。
・オゾン層が薄いため、日焼け対策は重要。