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「フィンランド-北欧の魔法の国へ/7日間」
1.1日目:憧れの地、フィンランドへ
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雪に覆われた森林、凍りついた湖面、そして夜空を彩るオーロラ。フィンランドという国名を聞くだけで、私の心は躍る。準備に取り掛かる私たちの胸は高鳴っていた。フィンランド航空の直行便を予約し、7日間の旅程を組み立てる。ヘルシンキからスタートし、オーロラを求めてラップランドへ。そして、サンタクロースの故郷ロヴァニエミを経て、最古の街トゥルクを訪れる。最後にヘルシンキに戻るという欲張りな旅だ。
出発の日、成田空港に向かう車の中で、夫と私は子供のように はしゃいでいた。10時間のフライトも、私たちの高揚感を抑えることはできない。機内で北欧のドキュメンタリー映画を見ながら、これから始まる冒険に思いを馳せた。
ヘルシンキ・ヴァンター空港に降り立った瞬間、冷たい空気が頬をなでる。マイナス5度。日本の冬とは比べものにならない寒さだ。しかし、その寒さが逆に私たちを目覚めさせる。ここが本当にフィンランドなんだと実感させてくれる。
空港からヘルシンキ中央駅までは、Finnair City Busが便利だ。30分ほどで市内に到着する。車窓から見える景色は、すでに私たちを魅了していた。整然と並ぶ白樺の木々、雪化粧した建物たち。まるで絵本の中に迷い込んだかのような錯覚を覚える。
ヘルシンキ中央駅に到着し、荷物を引きずりながらホテルへ向かう。街を歩く人々の足取りは軽く、寒さを物ともしない様子だ。彼らの着こなしにも目を奪われる。シンプルでありながら洗練されたデザイン。これぞ北欧スタイルか、と納得する。
ホテルはヘルシンキの中心部、エスプラナーディ公園のそばにある「ホテル・ケンピ・クルーヴィ」を選んだ。
【宿泊先】
ホテル・ケンピ・クルーヴィ (Hotel Kämp Kluuvi)
https://www.hotelkamp.com/
19世紀末に建てられた歴史あるホテルで、フィンランドの政治家や芸術家たちに愛されてきた場所だ。クラシックな外観に対し、内装は現代的でありながら温かみのあるデザイン。部屋から見える雪景色は息をのむほど美しい。
チェックインを済ませ、荷物を部屋に置いたら、早速街歩きに出かけることにした。寒さに負けないよう、しっかりと防寒具を身につける。マフラーやニット帽、手袋は必須だ。
夕暮れ時、空が紫色に染まり始めた頃、私たちは地元で人気のレストラン「サボッタ」に足を運んだ。
【レストラン】
サボッタ (Savotta)
住所:Aleksanterinkatu 22, 00170 Helsinki
https://www.ravintolasavotta.fi/en/
フィンランドの伝統的な料理を現代風にアレンジしたメニューが評判のレストランだ。木の温もりを感じる内装で、まるで森の中にいるような雰囲気。
おすすめメニュー:
・ロヴァニエミ産トナカイのロースト
・カレリア風ベリーのデザート
ひとことメモ:スタッフの方々が親切で、料理の説明も丁寧。フィンランド料理の奥深さを知るきっかけになった。
ワインを傾けながら、明日からの旅の計画を確認し合う。初日から、フィンランドの魅力に取り憑かれた私たち。この7日間が、どんな冒険をもたらしてくれるのか。期待に胸を膨らませながら、ホテルへと戻った。
窓の外では、雪が静かに降り始めていた。フィンランドの夜は、私たちに魔法をかけるかのように美しかった。
2.2日目:ヘルシンキ-北欧デザインの街を歩く
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朝日が雪景色を照らす中、私たちは2日目の冒険に出発した。ホテルの朝食で、フィンランドの伝統的なルイスレイパ(黒パン)とグラーヴィロヒ(塩漬けサーモン)で体を温めてから、ヘルシンキの街へと繰り出す。
最初の目的地は、ヘルシンキを代表する建築物、ヘルシンキ大聖堂だ。真っ白な外観と青緑色のドームが空に映える姿は、まさに絵葉書のよう。階段に腰を下ろし、行き交う人々を眺めながら、ヘルシンキの朝の空気を肌で感じる。
その後、デザイン地区へと足を運んだ。この地区には、マリメッコやイッタラなど、フィンランドを代表するデザインブランドのショップが集まっている。色鮮やかな布地や洗練されたガラス製品に目を奪われる私たち。「家に帰ったら、インテリアを北欧風にしてみない?」と夫が冗談交じりに提案する。
お昼時には、カウッパトリ市場へ。海沿いにある市場では、新鮮な魚介類や地元の特産品が並ぶ。私たちは、温かいサーモンスープとムール貝のガーリック炒めを屋台で購入し、海を眺めながら立ち食いした。冷たい風が頬を撫でるが、体の中は温かい。
午後は、フィンランド現代美術館キアズマを訪れた。斬新な建築と興味深い展示に、時間を忘れて没頭する。美術館を出た後、近くのカフェでコーヒーブレイク。フィンランド人は世界一のコーヒー消費国と聞いていたが、確かにその香りと味わいは格別だった。
夕方、アアルト家のアトリエを見学。フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルトの作品群に触れ、北欧デザインの真髄を感じる。
夜は、ミシュランの星を獲得したレストラン「オロ」で特別なディナーを楽しむことにした。
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【レストラン】
オロ (Olo)
住所:Pohjoisesplanadi 5, 00170 Helsinki
https://olo-ravintola.fi/
フィンランドの食材を使った創造的な料理で知られるレストラン。シェフの技巧と情熱が込められた一皿一皿に、感動を覚える。
おすすめメニュー:
・フィンランド産フォアグラのテリーヌ
・バルト海のカレイのポワレ
ホテルに戻る途中、雪が静かに降り始めた。街灯に照らされた雪の結晶が、まるでダイヤモンドのように輝いている。
3.3日目:サーリセルカ-オーロラに出会う夜
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朝早く、ヘルシンキ空港からサーリセルカへの国内線に乗り込む。機内から見下ろす景色は一面の銀世界。約1時間半のフライトで、私たちはラップランドの地に降り立った。
サーリセルカ空港は小さいながらも、すでにラップランドの雰囲気が漂っている。トナカイをモチーフにしたオブジェや、サーミ人の伝統衣装を着たスタッフが、私たちを温かく迎えてくれた。
空港からホテルまでは、事前に予約しておいたシャトルバスで移動。車窓から見える景色は圧巻だ。どこまでも続く白銀の世界、点在する赤い小屋、そして凛とした空気。まるで別世界に来たかのような錯覚を覚える。
【宿泊先】
北極圏リゾート (Arctic Resort)
https://www.arcticresort.fi/
サーリセルカの中心部から少し離れた森の中にあるリゾートホテル。ガラス張りのイグルーや、サウナ付きのコテージなど、ユニークな宿泊施設が魅力。
ひとことメモ:夜にはホテル敷地内でオーロラ観測ができる。スタッフのオーロラ解説も丁寧で、初心者にも優しい。
チェックイン後、早速アクティビティの時間だ。今日の午後は、ハスキーそり体験を予約していた。
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犬たちの興奮した鳴き声が、遠くから聞こえてくる。そりに乗り込み、「いっせーの!」の掛け声と共に犬たちが走り出す。風を切って進むそりの感覚は、まさに「疾走感」そのもの。夫が操縦を担当し、私は後ろに座って景色を楽しむ。途中で役割を交代し、私も操縦を体験。最初は怖かったが、犬たちとの一体感を感じられる素晴らしい体験だった。
ハスキーそり体験の後は、サーミ人の文化に触れる時間。地元のガイドさんに案内されて、サーミ人の伝統的な住居「コタ」を訪れた。暖炉を囲んで座り、サーミ人の歴史や文化、そして自然との共生の知恵について学ぶ。ガイドさんのヨイク(伝統的な歌)を聴きながら、ホットベリージュースを飲む。厳しい自然の中で生きてきた人々の強さと、自然への畏敬の念を感じた瞬間だった。
夕食は、地元で評判のレストラン「ペトロネッラ」へ。
【レストラン】
ペトロネッラ (Petronella)
住所:Keskustie 5, 99830 Saariselkä
ラップランドの食材を使った創作料理が自慢のレストラン。木の温もりを感じる内装で、ゆったりとした時間が流れる。
おすすめメニュー:
・トナカイのカルパッチョ
・アークティックチャーのグリル 野菜添え
そして、この日の最大のハイライト。オーロラ観測だ。ホテルのスタッフに案内されて、オーロラ観測に最適なスポットへ向かう。厳しい寒さの中、首を長く伸ばして夜空を見上げる。
しばらくすると、うっすらと緑色の帯が空に浮かび上がった。徐々にその色を濃くし、やがて大きく揺らめき始める。「見えた!」という歓声が上がる。オーロラダンスと呼ばれる、まさに天空のショーだ。
言葉を失うほどの美しさに、目頭が熱くなる。自然の神秘を目の当たりにし、人間の小ささを実感する瞬間だった。
ホテルに戻る頃には、すっかり疲れ切っていたが、心は満たされていた。多幸感に包まれて深い眠りに落ちていった。
4.4日目:ロヴァニエミ-サンタクロースの故郷を訪ねて
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朝、サーリセルカを後にし、バスでロヴァニエミへと向かう。約3時間の道のりだが、車窓から見える雪景色に飽きることはない。途中、トナカイの群れを見かけ、思わず歓声を上げる。
ロヴァニエミに到着すると、まず目に飛び込んでくるのは、街のあちこちに散りばめられたクリスマスの装飾だ。12月でもないのに、なぜだろう?と思ったが、すぐに理由を理解した。ここはサンタクロースの故郷。一年中クリスマスムードなのだ。
【宿泊先】
アークティック・ライトハウス・ホテル (Arctic Light Hotel)
https://www.arcticlighthotel.fi/
ロヴァニエミの中心部に位置する、北欧デザインを取り入れたブティックホテル。オーロラをイメージした照明や、ラップランドの自然をモチーフにした内装が印象的。
ひとことメモ:朝食ビュッフェが豊富で美味。地元の食材を使ったメニューが多く、フィンランドの食文化を楽しめる。
チェックイン後、早速サンタクロース村へ向かう。バスで約8キロ。北極圏の境界線を示す白線を越えると、そこはもう別世界だった。
赤と白のコントラストが鮮やかな建物群、クリスマスソングが流れる街路、そして至る所にいるエルフたち。大人である私たちでさえ、わくわくしてしまう。
サンタクロースオフィスに入ると、そこにはサンタクロース本人が!長い白髭、赤い服、優しい笑顔。まるで子供の頃に描いた絵が目の前で動き出したかのよう。サンタとの対話は英語だったが、彼の温かい眼差しと声のトーンに、言葉の壁を感じることはなかった。
「What do you want for Christmas?」というサンタの質問に、私たちは顔を見合わせて笑った。「This trip is the best gift for us.」と答えると、サンタは満面の笑みを浮かべた。
サンタとの記念撮影を済ませた後は、村内の散策を楽しむ。本場のクリスマスグッズを買ったり、トナカイそり体験をしたり。時間を忘れて夢中になっていた。
夕方、ホテルに戻る頃には、すっかり日が暮れていた。夕食は、地元で人気のレストラン「ノリ」で楽しむことにした。
【レストラン】
ノリ (Nili)
住所:Valtakatu 20, 96200 Rovaniemi
https://nili.fi/
ラップランドの伝統料理を現代風にアレンジした料理が自慢のレストラン。地元の食材を使ったメニューが豊富。
おすすめメニュー:
・スモークトナカイのカルパッチョ
・アークティックチャーのポワレ ディルソース添え
ひとことメモ:ラップランドの野生のベリーを使ったデザートが絶品。地元のリキュールとの相性も抜群。
食事の後、ホテルのスタッフに勧められて、アイスバーに立ち寄ることにした。マイナス5度に保たれた室内は、まさに氷の世界。氷でできたグラスでカクテルを楽しみながら、今日一日の冒険を振り返る。
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「明日は何をしようか」と相談していると、隣のテーブルの地元の方が話しかけてきた。彼らおすすめは、アークティウムという博物館だという。ラップランドの自然や文化について詳しく学べるそうだ。
ホテルに戻る道すがら、再び空を見上げる。オーロラは見えなかったが、満天の星空が私たちを出迎えてくれた。
5.5日目:トゥルク-フィンランド最古の街の魅力
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朝早く、ロヴァニエミを後にして南下する。今日の目的地は、フィンランド最古の街、トゥルク。ヘルシンキ経由で約2時間のフライトだ。
機内から見下ろすフィンランドの景色は、北部の雪景色から徐々に緑が増えていく。トゥルクに到着すると、ラップランドとは全く異なる雰囲気に包まれる。中世の面影を残す建物と、近代的な建築が調和した街並みが私たちを迎えてくれた。
【宿泊先】
ラディソン・ブル・マリーナ・パレス (Radisson Blu Marina Palace Hotel)
https://www.radissonhotels.com/en-us/destination/finland/turku
アウラ川沿いに位置する4つ星ホテル。部屋からは川と街の景色が一望でき、トゥルクの魅力を存分に感じられる。
チェックイン後、まずはトゥルク城を訪れることにした。13世紀に建てられたこの城は、フィンランドの歴史を物語る重要な建造物だ。城内を歩きながら、中世の騎士や貴族の生活に思いを馳せる。展示されている武具や調度品の数々に、夫は目を輝かせていた。
昼食は、トゥルク市場広場にあるカフェで軽く済ませる。フィンランドの伝統的なパイ、カレリアンピーロギを頬張りながら、広場の賑わいを眺める。地元の人々の生活の息遣いを感じられる瞬間だった。
午後は、アウラ川沿いを散策。川に架かる様々な橋を渡りながら、両岸に並ぶカラフルな建物を眺める。途中、フィンランドで最も古い薬局博物館に立ち寄る。18世紀の薬局の様子が再現されており、当時の医療や薬学について学ぶことができた。
夕方近く、トゥルク大聖堂を訪れる。フィンランドで最も重要な宗教建築の一つで、その荘厳な姿に圧倒される。内部のフレスコ画や彫刻の数々に、時の流れを感じる。
夕食は、地元で人気のレストラン「スモーキー・ジョー」で楽しむことにした。
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【レストラン】
スモーキー・ジョー (Smoky Joe)
住所:Läntinen Rantakatu 27, 20100 Turku
アメリカン・バーベキューとフィンランドの食材を融合させた料理が評判のレストラン。
おすすめメニュー:
・スモークサーモンのサラダ
・バルト海産ピケパーチのグリル
食事の後、ホテルに戻る途中、アウラ川沿いを散歩することにした。夜のライトアップされた街並みは、昼間とは全く異なる魅力を放っていた。川面に映る光の帯を見ながら、静かに歩く。
ホテルに戻り、バルコニーに出て夜景を眺める。「フィンランドって、本当に多様な顔を持っているね」と夫。確かに、ラップランドの大自然からトゥルクの歴史ある街並みまで、わずか数日で全く異なる景色を楽しむことができた。
明日はヘルシンキに戻り、最後の1日を過ごす。旅の終わりが近づいていることを寂しく思いつつも、これまでの日々を振り返り、充実感に満たされる。
6.6日目:ヘルシンキ-最後の一日を満喫
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朝早く、トゥルクからヘルシンキへ向かう列車に乗り込んだ。約2時間の車窓の旅を楽しみながら、これまでの旅を振り返る。北の極寒の地から、歴史ある街まで、フィンランドの多様な魅力に触れた5日間。そして今日は、この旅最後の1日。
ヘルシンキ中央駅に到着すると、懐かしさと新鮮さが入り混じった感覚に包まれる。初日に訪れた時とは違い、今では少し慣れ親しんだ街になっていた。
【宿泊先】
ホテル・ヘルシンキ・クラウス K (Hotel Helsinki Klaus K)
https://www.klauskhotel.com/
デザインディストリクトの中心に位置する、スタイリッシュなブティックホテル。フィンランドの国民的叙事詩「カレワラ」をモチーフにした内装が特徴的。
ひとことメモ:屋上テラスからの眺めが素晴らしい。夕暮れ時にはヘルシンキの街並みを一望できる。
チェックイン後、まずはスオメンリンナ島へ向かった。ユネスコ世界遺産に登録されているこの要塞島は、フェリーで約15分。海風を感じながらの船旅も、ヘルシンキならではの体験だ。
島に到着すると、18世紀に建造された要塞の跡が私たちを迎える。石畳の道を歩きながら、かつてこの地で繰り広げられた歴史に思いを馳せる。島内の博物館では、フィンランドの海軍の歴史や、要塞の役割について学ぶことができた。
昼食は、島内のカフェ「Cafe Vanille」で軽く済ませることにした。テラス席から海を眺めながら、サーモンのオープンサンドイッチを頬張る。海からの冷たい風が頬をなでるが、心地よい。
午後はヘルシンキに戻り、テンペリアウキオ教会(岩の教会)を訪れた。岩盤を掘り抜いて造られたこの教会は、近代建築の傑作として知られている。内部に足を踏み入れると、岩肌から漏れる自然光が神秘的な雰囲気を醸し出していた。しばし、静寂の中で瞑想にふける。
その後、アテネウム美術館へ。フィンランドを代表する画家たちの作品に触れる。特に、アクセリ・ガレン=カレラの「アイノの神話」の前では、長い時間立ち尽くしてしまった。フィンランドの自然と神話が織りなす世界観に、心を奪われる。
夕方近く、最後の買い物タイムとして、デザイン地区を再訪。マリメッコやイッタラなど、フィンランドを代表するブランドの製品を、お土産として購入。日本の家でも、フィンランドの空気を感じられそうだ。
これまでの旅を振り返る。北極圏でのオーロラ体験、サンタクロースとの出会い、中世の街並み、そして近代的なデザイン。わずか6日間で、こんなにも多くの経験ができたことに感謝の気持ちでいっぱいになる。
ホテルに戻る途中、エスプラナーディ公園を散歩することにした。夜のヘルシンキは、静かでありながら活気に満ちている。公園のベンチに腰かけ、行き交う人々を眺めながら、夫と静かに語り合う。
ホテルに戻り、荷物をまとめながら、明日の帰国に向けての準備を始める。寂しさと充実感が入り混じる複雑な気持ちだ。
窓の外では、静かに雪が降り始めていた。フィンランドからの最後の贈り物のように思えた。
7.フィンランド旅行を振り返って
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成田空港に降り立ち、日本の空気を肌で感じる。わずか1週間の旅だったが、まるで長い冒険から戻ってきたかのような感覚だ。
家に帰り着き、スーツケースを開けると、フィンランドの香りが漂う。マリメッコのエプロン、イッタラのグラス、サンタクロース村で買ったクリスマスオーナメント。それぞれが、この7日間の思い出を鮮やかに蘇らせる。
オーロラに出会えた夜のこと。あの神秘的な光景は、今でも目を閉じれば鮮明に蘇ってくる。自然の壮大さと、人間の小ささを同時に感じた瞬間だった。日々の忙しさに追われる中で、時には立ち止まって大きな視点で物事を見ることの大切さを、あの光は教えてくれたように思う。
サンタクロース村での体験も忘れられない。大人になった私たちが、まるで子供に戻ったかのようにはしゃいでいた姿を思い出し、笑みがこぼれる。日常生活の中で失いがちな、純粋な喜びや驚きの感覚。それを取り戻せたことが、この旅の大きな収穫だったかもしれない。
ヘルシンキでのデザイン探訪。洗練されたシンプルさの中に、機能性と美しさを兼ね備えたフィンランドデザイン。それは単なる「もの」ではなく、生活を豊かにする哲学のように感じられた。帰国後の生活の中でも、この考え方を取り入れていきたいと思う。
そして何より、この旅を通じて出会った人々のこと。ホテルのスタッフ、レストランのウェイター、現地のガイドさん、そして偶然話しかけてくれた地元の方々。彼らの温かさと親切心が、私たちの旅をより豊かなものにしてくれた。言葉の壁を越えて、人と人とのつながりの大切さを実感できたのも、大きな収穫だった。
フィンランドでの7日間は終わったが、私たちの冒険はまだ続いている。
≪フィンランド旅行情報≫
■入国方法
日本国籍の方が観光目的で90日以内の滞在の場合、ビザは不要です。ただし、パスポートの残存有効期間は、入国時から3か月以上必要です。
■現地での移動手段
ヘルシンキ市内:トラム、メトロ、バスが発達しています。ヘルシンキ・カードを購入すると、公共交通機関が無料で利用でき、また主要な観光施設への入場料も割引になります。
ラップランド地方:レンタカーやバス、タクシーが一般的です。冬季はスノーモービルも人気です。
■通貨
ユーロ(EUR)
■チップ
基本的にチップの習慣はありませんが、高級レストランでは料金の10%程度を支払うこともあります。
■その他
・フィンランドは寒冷地なので、特に冬季は防寒対策が必須です。
・サウナ文化が根付いているので、ホテルやプールの施設でサウナ体験をするのもおすすめです。
・夏季(6月~8月)は白夜現象が見られ、冬季(12月~2月)は極夜現象が見られます。
・北部ではオーロラ観測のチャンスがあります(9月~3月が最適)。
・公共の場での喫煙は制限されています。喫煙可能な場所を確認しましょう。
・自然を大切にする国民性があり、環境への配慮が求められます。
※この記事は筆者の主観に基づいて作成されています。旅行前に最新の情報を確認することをおすすめします。