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ふつうの人のための不動産投資戦略#3

はじめに

夏休み最終日。人より少し長い休みをもらったものの明日からの仕事に既に酔っている。この期間のメールを一体どうやって読むか。本当に必要なものは多くないとはいえ、内容だけでなく仕事の温度を感じたり、洞察を深く掘り下げたりするにはそれなりに時間が必要だ。AIが色々なことを助けてくれるとは言っても物事を深く掘り下げていくのはやはり人間の仕事だよな、なんて浅いことを考えながらウォームアップする。さて、話を投資に戻そう。

地方都市

前回の記事で都心3区ないし5区という話を書いてお叱りを頂いた。以前と違って確かに新築マンションでは1LDKでも5000~6000万円以上するし、もう買えない、投資対象として考えた場合にリアリティがないということだと思う。そこで、今回は地方都市の可能性について掘り下げてみたい。

生き残り

この国では人口の縮小はどの地方でも深刻だし、高齢化も切羽詰まった問題だ。都市の収斂というのは深刻で、耕作放棄地のように居住放棄地が増えているし、相続放棄や納税拒否のような事案も散見される。しかし、東京一極集中とは言っても地方が全て放棄される訳ではない。起きていることは加速度的な取捨選択であり、人口集中だ。例えば大都市圏なら3から5の主要都市へ地方の都道府県なら2から3の主要地域に人が再度集まってくるという現象は現実に起きつつある。前回の記事で駅からの距離は絶対的な価値と書いた。この主要都市の中心駅から徒歩5分前後の場所ならば、価格上昇の可能性が高いということも合わせて書いておこう。実際のところ、新幹線の停車駅にも関わらず信じられないような値段で売り出されている新築ないし中古マンションがある。最近、このような駅に直結で地域で一番のタワーマンションが立つ場合があるけれど、主力の買い手はこの地域の名士や地主たちだ。彼らでさえ、歴史ある土地に構えた居宅を持ちながらこの先を見据えて都道府県の中心地に再投資している。大切なことは例えランドマークが買えないとしてもその周辺のマンションも同様に値上がりする傾向があることだ。都市の中で極小的な人口の再集中が起こると価格は全体的に引き上げられるのである。

価値の永続性

あなたの地元にはこのようなマンションやアパートはないだろうか。もし、見つかるのであれば投資が可能かどうか、よく検討すると良い。大切なことは価値の永続性と流動性だろう。主要都市の中心駅は鉄道会社が大きな投資を行っているのでまず撤退はあり得ない。価値が続くことに着目しよう。私の以前の上司である大学の傍にアパートを買った人がいる。その大学へ進学することは世界中の人が目標にしているし、大学も土地の歴史やブランドへの投資に抜け目がない。彼が買ったボストンのタウンハウスはその後、価格が10倍になり、賃貸物件としてキャシュフローを産み続けている。駅でなくても良い。打ち捨てられてしまう場所に投資しないことである。

城の二の丸

先日、古くから武家屋敷が立ち並び、地域の上士が住まう由緒正しい土地にお邪魔することがあった。歴史的な価値が高く、災害にも強い。行政の中心地であり、中心駅からの距離も悪くない。しかし、僕は投資することを考えられなかった。何故か。理由は城郭地域ならではの坂道と狭い道路、そして地域全体の人の流れである。いくら由緒ある強い土地とはいえ、高齢化が進めば坂道と狭い道路は致命傷になる。行政の中心地なので需要は底堅い。だが、人は郊外のイオンモールに流れており、商業的な価値を期待しにくい。東京ではまだまだ旧旗本の土地は人気があるけれど、交通の便が悪ければ、場所によってはもう考慮が必要だろう。住む人や世代の変化で永続的だったはずの価値も目減りしてしまう。

まとめ

次の50年を考えた時に永続的な価値とは何だろうか。何百年も上流階級が住んでいたからこれからも同じという訳にはいかない。僕が大学や病院より主要駅の近くが好きな理由は駅はその国や土地の写し鏡であり、活力の泉であり、まだ割安で放置されている不動産があると感じるからだ。もし、気になる場所があったら、注意深くここだと感じる土地を見張ろう。このNote が少しでも困っている人の役に立ちますように。


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