【ウーリーと黒い獣たち】スピンオフ#ユッキーとウーリー
母ラブコは献身的にユッキーとキッキーを育てた。
決して裕福とは言えないが、ラブコは休みなく働き、娘2人には何不自由なく生活させてくれた。
ユッキー誕生日の夜、プレゼントはとびきり大きいイッヌがいい!ついにイッヌが飼える!と母ラブコの帰りを今か今かと待っていた。
しかし
母ラブコが連れてきたのはゴリラそっくりのウーリーだった。
川から流れてきた?
は?
コイツただのゴリラじゃん!
いらねー!
くそが!!
帰れ!
ゴリラは嫌だ!
イッヌがいい!!
あっちいけ!!ゴリラ!毛むくじゃら!
クソが!!!!!!!
口の悪いユッキーは、ゴリラのような
ウーリーに捲し立てる。
誰がごりらやねん!
初めはウーリーを嫌がっていたユッキー。次第にウーリーの極度の傾聴姿勢に心を開いていった。
心優しい妹キッキーは、
「ウーリーが来てから毎日が楽しいね」
ユッキーと違い、どこまでも心優しいキッキーだ。
ケンカもしたが、ユッキーの話をよく聞いてくれたウーリー。
しかしあれだな。オマエいいゴリラだな!
誰がゴリラやねん!
こんな会話をよくしていた。
母ラブコは、いつも仕事で家を空けていたので、キッキー ウーリーと3人で過ごす事が多かった。
ガサツでズボラで面倒臭がりのユッキーは、家事や勉学はいつも心優しい2人に押し付けてやってもらっていた。
ここターリキィ王国では15歳から飲酒と仕事が認められている。
ユッキーは15歳になるとすぐに、夢だった酒屋を始めた。べしゃり屋のぼーちゃ
が宣伝してくれたおかげもあり、お店は一気に人気店となった。
ユッキーは「いらっしゃいませー」
とお客さんを迎えた事なんてない。
挨拶はいつもこうだ
「やっほ〜!」
セクハラがひどい客には、クソが!と怒り、客の誰よりも豪快にお酒を飲むユッキーのこのお店が、なぜか繁盛していた。
仕事が休みの日は、朝からディーン王国の殿方達との合コーンに明け暮れた。
仕事の日は、お店を開けるまでの時間、決まって着物屋のよよティーヌと落合い、べしゃり屋のぼーちゃのところで喋るのが日課だった。
最近あまり上手くいっていない、ディーン王国の本命フジ・オカとの事もいつも2人に聞いてもらっていた。
ぼーちゃ「ユッキー!男は清楚が好きやねん!清楚で挑め!とにかく清楚やねん!!!ぶははははははは!!」
よよティーヌ「ユキティン!清楚清楚清楚!!清楚やろ!清楚清楚清楚!ってゆーか時代は合コーンよりティヌダーやろ!どんどんやってこ!!」
そうか清楚か…ティヌダーか…
メモメモ。
この国のことはぼーちゃに聞けばなんでもわかる。
どうやらウーリーには秘密があるということも、ぼーちゃから聞いて何となく理解した。
時が経ち、ウーリーが結婚することになったと母ラブコから聞いた。
清楚清楚清楚清楚清楚清楚清楚
お相手はこの国イチの清楚カイサーだった。
この人と結婚します。とウーリーに紹介されたが…
カイサーに会った瞬間、ユッキーはビビビっと気が付いてしまった。
カイサーは清楚じゃない
オレと同じ匂いがする
ユッキーはカイサーと とにかく気が合った。カイサーのお家にお邪魔しては
ビールを飲みながらペヤング大盛りを食べ、鳩時計の清楚ー!清楚ー!清楚ー!を聞き2人で爆笑していた。
帰る時には決まって
「DO教のトゥボ(壺)をローンで買った事は絶対に誰にも言わないでね。これを持ってる事は知られたらいけないの。あと、ラブコが持っている光るnoteも秘密よ!ごっつぁんです!」
釘を刺された。
リトルソーは、べしゃり屋のぼーちゃ特製のたこ焼きをご馳走するとよく喋ってくれた。可愛い顔して辛辣な言葉を話す、リトルソー。
一度だけ
「どうしてターリキィ語を喋らないの?」
と聞いた事があった。
「喋るとか喋らないとかそんな無秩序なこと言わないで。これは概念の問題だから。」
リトルソーの言っている意味が全く分からなくて、それから一度も聞かなかった。リトルソーはとにかくかわいいので、いつもたこ焼きをご馳走して気に入られようとした。
が、イマイチ手応えがない。
ごっつぁんです!!
ある朝、うーりーが何やら男達に連れて行かれたと耳にした。
心優しい母ラブコとキッキーは、青ざめてうーりーのところへと走った。
ユッキーはこれからディーン王国フジ・オカとデートの約束をしていた。
せっかくおデートなのになー
ウーリーめんどくっっさ!くっさ!
すると、慌てたぼーちゃが教えてくれた。
「ユッキー!アンタのタイプの賢者シュミクトもいるって!ヒヤトラーズもいるって!他にもイケメンいるかもよ!見にいけば?!」
なんだって。それなら話は別だぜ。
少し見に行くか。ぶはははは!
広場に着くと、ウーリーが無理やり、
シュミクトにメウボーシを食べされて
いる所だった。
ごっつぁんです!!!
続く。