しゃべるのが苦手な人のための職場の雑談入門 1.雑談の目的
雑談の目的とは
プライベートな雑談は気の合う友人や家族と雑談を楽しむことそれ自身が目的であり、雑談に目標や目的はない。
しかし仕事における雑談には、雑談を楽しむことそれ自身以外に「業務を円滑に進める」という究極的な目的が存在する。
これは雑談に限ったことではなく、職場で広く行われている懇親会、贈答、ゴルフ、レクレーションといったコミュニケーション活動一般にも当てはまる。
ほとんどすべての仕事において人と人とのコミュニケーションが必要とされる昨今、これらの活動はお互いにあらかじめ関係性を築いておくことで、今後の業務を円滑に進めようという思想のもとで行われている企業活動だ。
職場の雑談で求められること
では円滑な業務遂行のためには、具体的に雑談でどのようなことをやればよいだろうか?
私はこの3つをポイントに挙げる。
1) 相手を理解する/自分を理解してもらう
相手のやっている業務が分かれば、今後の業務でスムーズに仕事に入りやすい。その人の上司はだれか、同僚はだれかを聞いておけば、その人をハブにしてほかの人を紹介してもらえるかもしれない。
逆に自分の今担当している業務、過去担当していた業務、自分の部署のほかの人との関係性を相手に知ってもらうことも大事だ。自分が相手にとってどういった価値がある人間なのかを理解してもらうことで次の「信頼を築く」というフェーズの一歩目に立つことができる。
2) 信頼を築く
長く社会人生活を続けていくと、様々な人に出会う。仕事が遅い人や約束を破る人、すぐに不機嫌になる人に出会うこともある。
初対面だとあなたがどんな人なのか相手には分からない。自分が信頼できる人物であることを示すためには、細かく信頼の貯金を作っていく必要がある。雑談の中でちゃんと挨拶ができる、感謝の言葉が言える、ハキハキとした回答ができることを示せれば、それだけで相手に「こいつはまともな奴だ」という印象を抱いてもらえる。
3) 感情の障壁を取り除く
誰だって知らない人と一緒に仕事をするよりかは知っている人と仕事をする方が気楽だ。自分や相手のひととなりを知っておくだけで、仕事の心理的ハードルが全然違うし、よそよそしい関係のままでは本当によい仕事はできない。
お互いにオープンな関係性で仕事が行えることは最終的な仕事の良し悪しにもつながってくる。一緒に仕事をしたくない人といい仕事をしようとなかなか思えない。
できるだけ多くの人と友好的な関係性を築くことは、間接的に仕事の質を上げることになる。