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片手バックの良いとこ悪いとこ

両手バックハンドで打つか?
片手バックハンドで打つか?

これまた議論に決着のつかない話ですが……。

今回はそれぞれのメリットとデメリットについて、両方出来る僕の経験から書いていきます。

まずは片手編になります。

片手バックハンドのメリット


引用元
https://timgombis.com/2014/08/27/the-one-handed-backhand/


まず一つ目は、

『とにかく格好良い』

これです。

片手バックハンドをわざわざ選ぶ理由なんて、大多数がこれに尽きます。

デメリットの方で書きますが、現代テニスにおいて弱点となる部分が多いにも関わらず、それでも茨の道を進むのは、有り余る見た目の良さに他ならないと思います。

かくいう僕も、片手バックハンドを7年程やってきましたが、選んだ理由は『格好良い』からです。

ただ、それだけの理由で片手にしてしまうのは、後々のテニス人生において多大なる後悔と苦痛を伴うこと間違いないので、これを読まれている方にはまだ決めるのは待って頂きたい(もう片手で何年の方も多いと思いますが)。


引用元
http://www.tennisnow.com/News/2015/February/Strokes-Top-5-ATP-Backhands.aspx


続いて二つ目は、

『スイングスピードが両手よりも速くなる』

です。

スイングスピードはテニスにおいて重要な要素で、安定したインパクトを再現できるなら、速ければ速いほど良いくらいです。

スピン量と打球速度はスイングスピードに依存するため、上記のようになります。

何故片手の方が速くなるかといえば、そもそも片手で物を振る方が、両手で振るよりもエネルギーが分散しづらく、腕を長く使えるからです。

ハンマー投げのように加速までの時間に最大限猶予があり、野球のバッティングのように持つ物の重量があり片手では支えられない場合は別ですが。

プロ野球のピッチャーで、わざわざ両手で投げる人はいませんよね。

テニスラケットの重量はガット込みでも400g以下であり、平均すれば350g程度になると思います。
(フレームに重りを貼れば400g以上も有り得ますが)

スイングスピード=ボールの威力と簡単に考えれば、テニスという競技での重要性は伝わると思います。


引用元
http://www.tennisnow.com/News/Federer-Falls-To-Gasquet,-Berdych-Through-To-Quart.aspx


三つ目は、

『ボールのタッチ(感覚)が良くなる』

ことです。

これにより、バック側では咄嗟の面作りが上手くなります。
ライジングというよりは、ハーフバウンドの処理が上手くなる感じでしょうか。
バックのハーフボレーもついでに上手くなりやすいと思います。

まとめると足元の対応が良くなると言えます。
浅いボールをショートクロスに運ぶのなんかは、両手よりも上達しやすいと感じます。



引用元
https://tennisniche.wordpress.com/tag/federer/


四つ目は、

『スライスが上手くなる』

正直これが一番大きいと思います(個人的には)。
片手のプレイヤーの多くが、これによって自然に緩急を使えるのではないかという持論さえあります。

ただしこれは一つの決定的弱点の元に成立しているのですが……。

ともかく、スライスが上手いことによって得することは多々あれど、損することはありません。
スクールのジュニアだと、横着してるとか足をサボっているとか言われそうな気はします。

(そう言われたら、では何故プロ選手の多くはスライスを上手く使えるのか? と聞いてみればいいと思います。彼らは必要だからスライスを練習して使えるようにしているのです。使わなければ上手くなりません)

片手バックハンドのデメリット


引用元
https://www.google.com/amp/s/amp.abc.net.au/article/13241328


一つ目は、

『肩付近の高い打点が難しい』

ですね。

これは片手をやったことがない人でもご存じの方は多いのではないでしょうか。

片手はその性質上、インパクトを支えているのは片腕になります。
ですので、肩付近でのインパクトの場合、身体の構造上、力が入りにくいのです。
両手であれば非利き手側も使えるため、ある程度の抑えが効きますが、片手ではそれができません。

現代テニスではスピンを掛けることは最早当たり前で、どれだけ高く弾ませるボールを打って、相手に攻めさせずチャンスを引き出すか、が重要になっています。

その点から見て、片手は大きく遅れを取ることになるのです。


引用元
https://www.google.com/amp/s/www.si.com/.amp/tennis/2016/02/16/death-of-one-handed-backhand-tennis


二点目は、

『オープンスタンスでのカウンターができない』

ことです。

これがスライスに頼らざるを得ない決定的弱点の部分になります。

片手バックハンドは従来クローズドスタンスしか使えません。
つまり元からオープンスタンスが出来るようなショット形態ではないので、仕方ないことなのです。

ただ現代テニスにおいては高速ラリーがベースになってきており、コンパクトにパワーを出していくことが求められています。

その点で片手は相性が悪く、基本しっかりテイクバックを取らないと出力できません。

ましてやテイクバックが困難なオープンスタンスでは、そもそもまともに打つことすらできません。

故に、守備的な場面ではスライスしか選択することができないのです。



引用元
https://www.roke.co.uk/innovations/hawk-eye-industry-changing-technology


三つ目、

『ストレート又は逆クロスへ安定して打てない』

片手バックハンド一番の弱点はこれだと思います。

両手であれば前述してきた通り、非利き手で支えられるためコース変更もよ容易ですから、打てないコース(大まかにクロス、ストレート、逆クロスの3種)はありません。

ですが片手はどうしても面を支える能力が低いため、コース変更する場合には完璧なフットワークとタイミングが求められます。

特にタイミングの部分で、片手は苦労します。

これはコースを決めているのが、打点での面の向きだからです。
さきほどの通り両手は非利き手が使えて、押すことも支えることもできますが、片手では面の向きを支えているのはタイミングだけなのです。

一度振りだしてしまえば、片手は止めることができません。
ブロックリターンのように面を打つ方向のまま平行移動させる方法もありますが、これだとせっかくのスイングスピードが落ちてしまい、パワーの乗った球は飛んで行かないのです。


終わりに


今回は片手バックハンドについて書きました。
両手でも同じことですが、メリットデメリットが両者それぞれあるので、最終的にはやはり好みになってしまいます。

ただ僕としては、初心者や今後試合に勝ちたいという方には両手バックハンドをお勧めしたいです。

次回で両手について書いていきますので、そこでその理由も述べたいと思います。

では、この辺りで。

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