小さな自己満足の話

それは娘の入学説明会の時のこと、覚悟はしていたものの制服が高額なことに驚愕したことを今でも覚えています。
中でもわたしの中で消耗品という位置付けだったブラウスが、一枚6000円弱だったのには参りました。

小学校の時は公立で制服もお値段控えめ。すぐくたびれるし汚れるし、どんどんサイズアウトもするので一年間に何枚も買い換えていたように思います。

でも、その高額な長袖のブラウスをわたしは2枚しか買いませんでした。あと1枚洗い替えがあれば安心だけど、絶対にお洗濯をサボらないようにあえて2枚です。

年齢的にサイズアウトでまとめて着れなくなる可能性もまだまだあるし、洗い替えのない状態でどこまでやれるか、とりあえず試してみたかったのです。

変わったのは洗濯です。当然ながら平日に洗濯をサボることができなくなりました。

そして洗濯機の前に手洗いを必ずするようにもなりました。

だって、制服のブラウスの買い換えのサイズアウト以外の要因って襟と袖口の汚れだから、それを徹底的に防ぎたかったのです。

それまでは、襟や袖口が汚れてきたタイミングで固形石鹸で手洗いしていました。
でも、それだと汚れは薄くすることができるだけで完全に落とすのは難しいんですよね。

そこで、一見汚れてないように見える最初から、襟と袖口をしっかり固形石鹸で手洗いすることにしました。見えない汚れを落とすというスタンスで、一日もサボることなく部分手洗い。

そうすると、いつまで経っても汚れの輪っかはできないことがわかりました。


なんだそうだったんだ。


汚れてから落とそうとするから大変なのであって、汚れないようにすれば襟の輪っかはできなかったんだ。知らんかった。

そんなことも知らなかったの?と、世の奥さま方には驚かれそうだけど、本当にずっと汚れって汚れてから落とすものだと思い込んでいたんです。
思い込みって怖い。

汚れてから必死に落とそうとゴシゴシする労力を考えたら、汚れが見える前の手洗いはもの凄く楽です。ただ毎日継続するのが重要ですが。

で、嬉しいような悲しいような、まだサイズアウトしていないので、もうすぐ2年になりますが、その2枚のブラウスでやり繰りしています。(もちろん長袖シーズンのみです。半袖も2枚買いました。)

安いブラウスだったら、こんなに気合いは入らなかったと思うので、ある意味感謝です。
却って経済的だったかもしれない。
少なくとも高額なブラウスは、毎日の手洗い洗濯に耐える耐久性を持っていました。

主婦歴は無駄に長いですが、元来ズボラなので人に自慢できるような技は何ひとつ持っていません。

でも毎日洗濯物を干す時に、ブラウスの襟を白く保つことができてる、って思うことは、自分の生活を少しだけ肯定する材料になっています。

我ながら、小さな小さな自己満足です。

でも、案外そんな小さなことに支えられて生きているのかもしれない、とも思います。

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