我が家的食育と少食ちゃん

子育てをするまで考えたこともなかったのが「食育」なるものです。

私が出産した頃、食育基本法というのができました。当時、一見よさげだけど、何で今わざわざ?とちょっと気味悪さを感じました。もしや食に関しての思想を統一したい?それもできれば大企業が儲かるように?みたいな、陰謀めいた意図を想像したりしたのです。

例えば娘の小学校に、食育の一環で大手企業さんが牛乳の素晴らしさを伝える講義をしに来たりするのはこの法律が一枚噛んでる気はします。

(個人的には大企業が教育に介入していくのは良くないと思っています。
むしろ公教育で必要なのは、価格やCMなどの印象操作に流されず食品を見極める力の方だと思うんですよね。
そのうち、遺伝子組み換えの種屋さんが安全神話を広めるためにやってくる可能性がないとは言えないわけですし。)

でも少なくとも現時点では、食育の定義はあやふやなままで、各団体、各家毎に独自の食育が行われるようになった感があります。地方では地消地産もそれなりに大事にされていて、大企業のひとり勝ちというわけでもありません。


さて、我が家の食育方針ですが、

一、身体に不要なものはなるべく口に入れない
一、今日の適量を知る

の2本立てとなっております。
学校が推進する「好き嫌いなく何でも食べる」とか「残さず食べる」とはちょっと異なる方針ですね。

ひとつめの不要なものというのは、いわゆる添加物のことで、買い物するとき品質表示を確認するなど、わりと月並みなことです。ここでは主にふたつめに関するお話をします。


実はウチの子、小さい頃からかなりの少食でした。どれくらいかと言われると説明が難しいのですが、お前は虫かよ!いや虫の方がまだ食べてるよ!ってツッコミが入るくらいの量しか食べないのです。ちゃんとご飯をつくっているのに、娘が口に入れる総カロリーはネグレクトの事件として報道されるレベルと変わらないくらいで、、

外圧もあり、娘が幼い頃は私も追い詰められて色々悩みました。でも娘は成長曲線の範囲内の真ん中よりやや下くらいをしっかりキープして順調に育っていたし、運動や知能の発達はめちゃめちゃ早かったので、だんだん「この子は燃費がいいニュータイプなんだ」と思えるようになったのでした。
そして、超少食ながら、ちゃんと成長していく娘を見て、「もしかして必要摂取カロリーって、考えられているより個人差の幅が大きいのではないか?」と思うようになりました。

いま、少食ちゃんを育てていて、昔の私みたいに悩んでいるお母さんたちには、「体重が増えているなら大丈夫」と声を大にして言いたいです。食べないのはお母さんのせいではありません。本格的な素材で良い出汁をとろうが、丁寧に裏ごししようが、食べない子は食べません。そのことで険悪になったり食事にトラウマを作るくらいなら、取り分けできる大人用のものを作って「気が向いたら食べてね」くらいの態度でも大丈夫だったと思います。(当時はなかなかそこまで割り切れなかったけど)

いつか大人一人前を食べられるようになります。娘は小学校四年までは私や夫氏が手伝わないと外食の一人前が食べられなくて、高学年になってようやく、という感じですが、それでもまあ順調に成長しています。体調も滅多に崩しません。

娘の場合、私が欲を出して「あと一口」と口に入れたばっかりに、それまで食べさせたものまで全部吐かれた(涙)ことがあって、それ以来食べる量は完全に本人に任せています。

私はよく食べる子どもだったので小学校で辛い経験はしていないのですが、昼休みの間中、酷い時は5時間目まで給食を食べさせられているクラスメイトがいました。

無理やり食べさせるのってある意味暴力なんですよね。

大人は腹八分目を推奨されるのに、小学校では人によって満腹以上の摂取を強要される、よく考えたら変な話なんです。
食べ過ぎることでかかる身体への負担のことをもっと考えるべきなのではないでしょうか。

うちの場合、小学校がお弁当で学校給食の完食を強要されることはなかったのですが、もし給食生活だったら、学校に物申していたかもしれません。汗

多分、必要摂取カロリーは本人が一番わかっていて、それは個人による差はもちろんのこと、体調によってもその日の活動状況によっても変化するのです。

だから自分の身体にきちんと向き合って、今日の適量を知ること、そして良質な食べ物を適量摂取することを大事にして欲しい。

それが私が娘に伝えている我が家の食育です。

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