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「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」を観ました
映画鑑賞備忘録です。
2021年8本目は「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」。
アニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場版29作目。エリートだけが通うことの出来る小中一貫校、私立天下統一カスカベ学園(通称、天カス学園)を舞台に繰り広げられる青春×ミステリーの学園物語。
今回はテーマが"探偵"ということで、学園を脅かす「吸ケツ鬼」の正体に迫る謎解きパートが映画のメインストーリー。クレしんらしく非常にバカバカしく、そうはならんやろ的なナンセンスで不条理なギャグが連発されながら進行していきます。ただ、一応ミステリーということで、犯人が発覚するまでの道筋はしっかり描かれますし、ミスリードを誘うようなブラフを混ぜてみたりと結構丁寧な脚本で良かったです。内容のアホさ加減とキャラクターたちの真剣さのギャップが良い感じにシュールでした。
謎解きパートだけでもなかなか楽しめたのですが、今作が真価を発揮したのは後半のバトルパートです。謎解きパートにて、風間くんがとある事故でスーパーエリート化。しんちゃん達と袂を分かち、友情をかけた校内外周マラソン勝負を繰り広げることになります。
このマラソン勝負がかなり熱いんです。スーパーエリートとして圧倒的な差を見せつける風間くんに対して、しんちゃんはカスカベ防衛隊の仲間や学園で得た友人たちの助けを受けて前進していきます。仲間キャラクターたちが我が身を顧みず、主人公のため、そして自分自身の意思を貫くために戦っていく展開、オタクが一番好きなやつ。こんなの熱くならざるを得ないでしょ。中でもゲストキャラ、阿月チシオのエピソードは泣かせますね。
風間くんとしんちゃんがラストスパートをかけるクライマックスシーンでは熱い気持ちが吐露されていくのですが、ここがまたまた素晴らしくて、クレヨンしんちゃんってやっぱり侮れないなって再認識させられます。これまでのしんちゃん達の友情を総括するかのような、見応えのある良いシーンでした。
あと、クレしんの名言メーカーといえば、ひろし&みさえ。今作は2人の出番はほぼ無く、脇役のポジションなんですが最後にサラッとめちゃくちゃ良いこと言うんですよね。今作は"親の子離れ"もテーマに盛り込まれていて、子ども連れの親御さんにも刺さる部分があったんじゃないかなと思いました。
クレヨンしんちゃんらしいバカバカさはキープした大人向けになり過ぎない内容、謎解き→バトルと見応えのある二段構え展開、爽やかなメッセージ性と、どの要素もよく練られていて、これこそ大人も子どもも楽しめるクレヨンしんちゃんではないでしょうか。「ヘンダーランド」「オトナ帝国」「戦国大合戦」などの傑作と共に後世に継いでいきたい良作でした。
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