「イニシェリン島の精霊」を観ました
映画鑑賞備忘録です。
2023年2本目は「イニシェリン島の精霊」。
舞台は1920年代のアイルランドに属する孤島。そこに住むバードリックは親友・コルムから突然の絶縁を告げられます。コルムの言動が理解できないバードリックは行動を起こしますが、事態は次第に悪化していき……というあらすじです。
あえてチープな言い方をすればこの映画で起きることは2人の大喧嘩なわけですが、コンパクトなスケール感であるがゆえに、約2時間かけてじっくり2人の思いや関係性の変化が描かれていて引き込まれました。また、そうしたミニマムな物語ではありつつも示唆に富んでいて、多く考えさせられました。
コルムがバードリックを遠ざける理由がグサッときますよね。周囲の善性への信頼、自分自身の「善い行い」を疑わない愚直さなどを、「ただの”良いやつ”で退屈な人間」と評すあたり、そんなこと言わないでよ、と思いつつ、まぁそういうこともあるよね……と同感できなくもないのが……。「残された時間をどう生きるか」という思いにも頷けますし。ただ、どんな理由があろうとも、切り落とした指を人んちのドアに投げつけていいわけないのですが。
島を脱出し、新たな生活を手にしたバードリックの妹・シボーンを除き、誰も幸せにならないので視聴後はなんとなく気分が下がりましたが、個性的で面白い作品でした。
ちなみに、位置づけ的にはブラック・コメディに分類されているっぽいのですが、これはコメディなの……かな?
(2023年1月下旬に鑑賞)
いいなと思ったら応援しよう!
等身大リラックマをいつか購入したいです。