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お願いです、映画「サユリ」を観てください

ホラー映画の歴史は「サユリ」以前、「サユリ」以後に分かれる……。

そう確信しました。まさに金字塔と呼ぶべき作品。傑作です。

どんな映画なのか、そんなことをあなたが調べる必要はありません。とにかく観てください。今すぐ劇場に行ってください。全人類が観るべき映画なんです。本当です。信じてください。

(以下、どんな内容かを滲ませつつ、本作について書いていくので、読まずに映画館に向かって走りだしてください)


○そう言われても……

そうは言っても、よく分からない映画を観に行けないよ……なんて思ってしまう人もいらっしゃいますよね。

いいから!!!早く観に行って!!!

と、顔面ゼロ距離で叫び散らして上映館まで追いやりたいところですが、簡単に説明します。

原作は押切蓮介先生の同名漫画。監督は、異様な熱量を持つファンに囲まれていることでもお馴染みの白石晃士監督です。

独自のホラー観を確立し、新たな恐怖を生み続ける2人のタッグ。これで面白くならないわけがないんですよね。

個人的にはあらすじも読まず、予告のティザーも観ずに鑑賞してほしいのですが、予告を観ればこの映画の異常性をすぐにわかって頂けるかと思います。

予告でこんな一番美味しいネタをバラしていいの!?と驚きなんですが、実際に映画を観たら大丈夫でした。普通のホラー映画と思われてスルーされるより、最強の引きを用意して映画館に引きずりこむことを優先させたのかなと思います。

そう、この映画はとにかくババア(汚い言葉で恐縮ですが敢えて「ババア」と表現します)が凄いんです。

圧倒的な精神力で復讐すべき敵であるサユリに真っ向勝負を挑むババアに驚愕。怪異に立ち向かう系の作品はこれまでも数あれど、ここまで劇的でアグレッシブなババアが、かつて存在したでしょうか。

ババア覚醒後の展開・シーンは全てが異常で、どうかしているというほかにありません。型破りで一切の容赦がない振る舞いは観客の度肝を抜きまくってきます。抱腹絶倒という言葉は「サユリ」のためにあったんだ……!と気づかされます。

一方で、今作の主人公である実の孫を厳しくも愛をもって鍛え上げる師匠としての姿は震えるほどかっこよく、磨き上げた太極拳で活路を拓くために闘うシーンでは、観るものの胸に熱いものが込み上げること間違いなしでしょう。

そして、この映画、驚くべきポイントがもう1つあります。なんと、ちゃんと怖いんです。

この手の作品だと、肝心のホラーパートが弱くて全編シュールなホラーギャグ映画になってしまうこともありますが、「サユリ」は初っ端から怖いです。

ところどころ可笑しさを感じさせつつも、ギャグに振り切らないよう絶妙なバランス感覚で気持ちの悪さを植え付けてくる秀逸な序盤に、この映画は何かが違うと感じさせられました。

不気味な演出でじっくり募らせた違和感が弾け、瞬間襲いくる畳み掛けるが如く恐怖のラッシュ。末の弟が大変なことになってしまう時は思わずヒェェ……となりました。

2時間弱の尺の中に数えきれないほどの驚きが詰め込まれた本作。ぜひ鑑賞して、恐怖や笑い、哀しみ、怒り、愛など様々な感情の渦に飲み込まれて頂きたいです。

この絶賛に満ちた文章が真実なのか、はたまた異様な熱量を持つ白石晃士監督ファンによる妄言なのか、あなたの目で見て確かめてください。

ちなみに、本作には白石晃士監督ファンにはお馴染みの要素もいろいろと登場しています。この作品がいたく気に入った方は、これを契機に、よりディープでシュールで異常な白石バースへと足を踏み入れてみてください。

(2024年8月末に鑑賞)

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ぱすた大将軍
等身大リラックマをいつか購入したいです。

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