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生産者に軸足を置いた方がいい。

ひとつ、決めたことがあります。

百年杉を届けるには「5週間程度かかります」と、加藤木材さんのウェブサイトに書かれています。

これまでは、その目安から少し余裕をみて敷く日を決めていました。

それを変えます。

納期がほんとうに決まるのは届ける1週間くらい前ですが、敷く日はそれから決めます。私も向こう1ヶ月くらい予定が埋まってたりするので、もしかしたら、杉を敷くのは届いて3週間後くらいになるかもしれません。

材を届けられなくなる「何か」は、いつ起こるかわかりません。

ウッドショックやロシア産材の輸入制限の影響を受けて、もともと伐る人が少ない中でわざわざ質の高い百年杉を伐る人がいなくなったり、一次生産者が怪我をして入院されたり・・

これはどうしようもないことです。

注文したからと言って、いつも都合よくそこに丸太があるわけではないのです。

それでも、お客さんを喜ばせようと、引越しの日や、大人数で調整した床敷きの日になんとか間に合わせるために、手元にあるグレードの高い材を出してくれたりします。

グレードの高い材が届くとお客さんはラッキーと言いますが、その裏で生産者は損をします。

私は、杉を敷くと決めた人が「決めた」ということがすごいと思うし、私を信頼してくれたのがうれしくて、心情的になんとか沿おうとしてしまいます。

でもいっぽうで、生産者は多大な時間と労力をかけて材にして届けてくれます。そのことも、サービスしてくれることも、あたり前のことではありません。 

杉を買った人がラッキーと思ったとき、よかったね、と感じる一方で、ああ、生産者が無理してくれたな、有難い。でも大丈夫かな、と、感じないとおかしいのです。

話は変わりますが、今、自然農の野菜を月2回生産者から直接届けてもらっています。ちょくちょく話すからか、相手の事情を察しやすいです。おのずと、この野菜とこの野菜だけほしいと要求するのはやめとこう、と、なります。

でも、杉の産地は遠くて、一次生産者と直接やり取りしないと、いろんな事情や息づかいが見えません。

でも、だからといって「つくり手の苦労がみえなければ心は痛まない。だからお金を出す側の都合が優先される。」という資本主義社会の欠陥に、はまりこんではいけない。

私はまんまとはまりこんでいました。。。

つくり手がしてくれることをあたり前に感じてしまっていました・・

で、まあ、ちょっと病んでしまったのですが、かなり回復しました。

よいバランスでいるには、おそらく軸足を7:3くらいの割合で生産者の側に置くのがいい気がしてます。

なにより産地に行くこと。来月行けるので楽しみです。


敷くのを何年も迷って決める方がいますが、何年も待ったのだから、もう3週間くらい待ちましょう(笑)

なんたって太陽と土と水が100年かけて育てたんですよ。

あと杉材が先に届くと邪魔にならないか、と、心配される方。束にして置けば思っているほどカサはとりません。

というか、あるだけで香りが広がって幸せですよ。

敷くまでを楽しみに思うのも、
2畳だけ敷いてみるのも、
ひと部屋敷いて空間が劇的に変わるのも、
床ぜんぶに敷き詰めて家が森になるのも、

ぜんぶが楽しみで面白いんです。

そんな感じでよろしくお願いします!!

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