自分でつくる。素材からつくる。
自分でつくれば、
どうやってできるのかが
ちゃんとわかる。
一部の工程の体験でも、
工程ぜんたいで、
相当な工夫や大変さが
あることが想像できる。
この途方もない作業を、
どこかで誰かがやってくれていると、
“思う”ことができる。
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素材からつくれば、
もともとは、
ぜんぶ自然のものだとわかる。
例えば木肌に触れたりして、
そこに流れるものを感じて、
それが、土と水と太陽が
つくってくれたものだと感受できる。
日本の衣食住には、
ほんとうに無駄のない、
生きものの力をシンプルに活かす、
膨大な知恵と工夫の蓄積がある。
今は衣食住のほとんどが、
生きものをモノとして扱い、
時間を早回ししてつくられて、
そのおかげで、
いつでも安く手に入るけど、
本来のパワーは失われる。
素材に触れて、自分でつくれば、
その違いに気づくようになる。
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自分でつくれば、楽しい。
自分でつくれるんだ、と、わかる。
愛着が湧く。
身体に知恵がつき、
素材を活かして、
次はこうしてみよう、と、
おのずと考える。
体験知がどんどん結びつき、
哲学になり、
人との出会いで加速して、
人生になる。
賢い子なら、
経験を推し広げて、
身の回りにあるもののつくり方を
よりよいものに
変えてくれるかもしれない。
私はその未来に加担する側にいたい。
その小さなひとりでいたい。
私はたまたま
杉を敷くことならシェアできるから、
機会をいただけたら、
有難くやらせていただく。
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私の暮らしにおいて、
自分でつくれるものは
ほんのわずかだけど、
つくるのが難しいものは、
つくる人とつながって得ると、
納得感がある。
”暮らしを手に入れている”感覚がある。
私なりの“活かしあうカタチ”を、
じわじわとたぐり寄せたい。