繊維の種類47: ポリウレタン

おはようございます。
今日は薄雲がかかっているものの、久しぶりにオレンジ色の朝陽が見ることができる爽やかな朝。

さて、今日からは化学繊維の合成繊維の中から、ポリウレタンに関して学んでいきたい。

合成繊維

合成繊維とは、低分子の製造原料から合成によりつくられた高分子の組成の化学繊維。合繊と略す。合成高分子の構造には縮合高分子の繊維(ナイロンやポリエステル)と重合高分子の繊維(アクリルやポリプロピレン)がある。
ポリエステル・ナイロン・ポリウレタンは、石油や天然ガスの原料から、ほぼ同じ工程で作られており、三大合成繊維と呼ばれている。

ポリウレタンの特徴

ポリウレタン(英: polyurethane)とはウレタン結合を有する重合体の総称で、通常イソシアネート基と水酸基を有する化合物の重付加により生成される。ウレタン(-NH・CO・O-)が介する結合をウレタン結合と言い、ウレタン樹脂(ウレタンじゅし)、ウレタンゴムともいう。プラスチックの分類を表す略号はPU、ゴムの分類を表す略号はUである。

このようにポリウレタンは化学繊維の中でもゴムのような性質をもつ繊維で、衣料用としては他の繊維と組み合わせて使われたり、コーティングや接着用途で使われたりする。米国ではスパンデックス(Spandex)、ヨーロッパでは主にイラステイン(elastane)と呼ばれ、日本でエラステイン、エラスタインと呼ばれることもある。

メリット・デメリット

メリット

  • 伸縮性・抗張力に優れる

  • 耐摩耗性、耐油性に優れる

デメリット

  • 水分による加水分解や空気中の窒素酸化物(NOx)、塩分、紫外線、熱、微生物などの影響で、素材が合成された時から徐々に分解される。

  • 耐熱性や耐水性は他の合成ゴムに比べ低い。

  • 紫外線に弱く黄変することがある

ストレッチ性に優れているため、ジャージ、水着、レオタードといったスポーツウェアやストッキングなどの素材として重宝されている。繊維用途以外にも接着剤・塗料・合成皮革・防水コーティング樹脂として様々な用途がある。またポリウレタンは発泡剤を加えるとスポンジ状になるという特徴があるため、防音材や断熱材として使われることも。

一方でポリウレタン樹脂は合成された時点から、水分・塩分・紫外線・熱等によって劣化が始まり、高温高湿度条件下では(使用回数などとは無関係で)加水分解が促進される為製品の機能や耐用年数に大きく影響を受ける素材でもある。
衣服に使われるポリウレタンの寿命は、使用条件に依るが、おおむね製造されてから2~3年程といわれる。性質上、いずれボロボロになってしまい劣化を避けることができないため、注意が必要。

ただし、上記はエステル結合を持つエステル系ポリウレタンの話である。エーテル系ポリウレタンはエステル結合を持たないため、加水分解には極めて強い。

用途は、以下のように工業製品としても幅広く、繊維としてはかなり部分的な使用と言えるだろう。

  • 塗料(油性・水性ウレタン塗料)接着剤(ホットメルト接着剤)

  • ウレタンフォーム(スポンジ、シーリング材、断熱材・防音材)

  • 繊維製品(ジャージ、水着、ストッキングなどのストレッチ素材)

  • 靴製品など(人工皮革・合成皮革、靴底、スキーブーツ)

ポリウレタンが生まれた経緯

1937年にドイツで最初に実用化された弾性繊維(樹脂)の一般名称。1950年代になると工業用に広く用いられるようになり、1959年にデュポン社が開発・発売したライクラ®は水着やスポーツウェアなどを中心にストレッチ性のある繊維として需要が広がった。

合成繊維としては、この他ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどもあるが衣服への使用はほぼないため、明日は、半合成繊維に関して見ていこう。


こちらの文章は以下のリンクを参考文献として使用しています。

https://www.tokyo929.or.jp/column/fiber/post_84.php


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い一日を。

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