繊維の種類3:性質と形態
おはようございます。
予定通りの冷え込みで東京も最低気温の6℃、やっぱり寒い。まだ大丈夫だろうと思っていたけど、去年作った一人用こたつを今日夜にセットアップしよう。
さて、昨日は繊維といった時に何を指すのか、どんな種類があるのかを確認した。
今日はその繊維の性質の指標を見ておこう。
繊維の性状
(1)繊度 fineness(太さ)および長さ
繊維の断面は完全な円形ではないので、直径や断面積では表せない。このため、繊維の太さは一定の長さに対して重量がいくらかを表す恒長式のデニール(d)か、一定の重さに対して長さがいくらかを表す恒重式の〈番手〉で表現される。一般に細い繊維ほど高級な糸が作れるので優良とされる。ある程度自由に太さを制御して作れる人造繊維に対して、天然繊維はだいたいの太さが種類によって決まっている。
綿花の太さは12~28μmであり、長さは最高の綿であるシーアイランドコットン(アメリカの南北カロライナ州やジョージア州の諸島で栽培され、海島綿ともいう)が38~51mm、エジプト綿35~45mm、ソ連綿は改良品種で30mmである。インド綿とパキスタン綿の在来種は10~20mmだが、品質はアメリカ綿よりかなり劣る。アメリカのアップランド綿は品質はシーアイランド綿に劣るが、アメリカ綿のなかで量的に最も多量に生産されており、現在では品質がよいので南アメリカ、インド、アフリカ、旧ソ連一帯、中国などでも栽培されている。
合成繊維は近年1μmくらいの極細繊維が作れるようになり、人工皮革の製造に利用されている。
(2)強度と伸度
繊維の使用上最も大切な性質は強度と伸度である。
強度は引っ張って切れたときの荷重の大きさで表す屈曲強度や摩擦強度などもあるが、引張強度が強さの代表的なものである。
ヤング率の大小は、単繊維については繊維の硬さと考えて良い。羊毛およびアセテートの強度はそれぞれ1.0~1.7gf/d,1.3~1.6gf/dと低いが,ナイロン(強力)の強度(標準時)は6.4~9.5gf/dと高い。超高強力繊維と呼ばれる炭素繊維(F1や飛行機、衛星などにも使われるカーボンファイバー)の引張強度は16~21gf/dと極めて高い。
(3)比重
植物および動物繊維の比重は、だいたい1.3~1.6くらい。綿花は比重1.47~1.52とやや重い。衣料用には軽いものほどよいが、漁網ではある程度の重さがないと適当な沈降速度が得られない。重いものでは分子内に塩素を含むサランの比重が1.70であり,最も軽いものは水に浮く唯一の繊維であるポリプロピレン繊維の0.90。衣服に多いポリエステルは1.38と中程度であるが、ナイロンは1.15と軽い。
(4)紡糸性
繊維を紡いで糸にする工程では、細い繊維が互いにからみ合って抜けなくなる状態が作り出される。綿のようなねじれた繊維や羊毛のようにスケール(クチクラとも呼ばれる樹皮のように繊維の表面についている鱗片状組織)をもつ繊維は、繊維間の相互作用が強く紡糸性に優れている。合成繊維などでは繊維に巻縮を与えて,紡糸性の向上を図っている。
繊維の形態
綿繊維はよじれた偏平な形をとっているが、これは綿繊維が綿が実の中にあるとき中心に細胞液を含む中空糸であり,実が割れた後水分が蒸発して繊維が収縮する際に形成される。
羊毛は鱗片状細胞(スケール)に取り巻かれた表面構造をとっており,この構造によって羊毛のフェルト性(縮充性)が出てくる。
絹繊維は三角断面をとっており,それによって独特の光沢を出す。また、リネン繊維は長い微小繊維が集まってできている。
化学繊維ではナイロン6,ポリエステル,スパンデックスは普通は円形断面の繊維であるが,多くの異形断面糸も作られている。
既に繊維の種類も一緒に出てきているが、聞き馴染みがあるものばかりなのでそれほどわかりにくいことはなかったかと思う。
ただ、明日は実際に繊維を分類しながらご紹介していきたい。
こちらの文章は以下のリンクを参考文献として使用しています。
コトバンク:繊維
僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。
皆様も、良い一日を。