繊維の種類42:リヨセル(テンセル)

おはようございます。
今日は東の空も曇り空、最高気温も東京で7℃までしか上がらない、とても冷え込みが厳しい朝。

さて、今日は化学繊維の再生繊維の中でリヨセル(テンセル)に関して学んでいきたい。

再生繊維

再生繊維は天然の高分子化合物(植物から得られるセルロース繊維)の繊維組織を化学処理によって一度溶解してから再生させて紡糸した繊維。

リヨセル(テンセル)の特徴

リヨセル(テンセル)は、木材パルプ(主にユーカリ)を原料として使い、そのまま溶剤で溶かして、中のセルロースを繊維に再生した再生セルロース繊維の一種。
毒性のある二硫化炭素を使用しない完全クローズドシステムで製造されることから比較的環境負荷が低いとされている。

メリット・デメリット

リヨセルは、誘導体化(分析種の分子構造を変化させる化学反応)などのプロセスを経ないため、セルロース分子の重合度の低下が少なく、強度面で優れている。このため、レーヨンと較べ引っ張り強さが大きく、水に濡れた時の強度低下も少なく、洗濯時の収縮も小さい。また、天然繊維素分子をそのまま生かして作られているため、微生物の働きによって分解される。

欠点としては、紡糸時に繊維長軸方向に分子が高度に配列させられているため、ストリングチーズの様に繊維が裂けるフィブリル化(繊維が縦方向に割れて白化して見える現象)が起こりやすく、褪色し易い特徴がある。
これらの欠点を補うためにしばしば用いられる方法が、繊維や編織布に対し、「もみ処理」や「たたき処理」を加え、表面にミクロなフィブリルを意図的に形成させた後、セルラーゼなどの酵素を使用してこれらを除去する方法である。また、粗剛な感触や染色性が多少劣るなどの欠点があるため、そのままで使用することは通常無い。

リヨセル(テンセル)は、エレガントなドレスやカジュアルジーンズ、ホームテキスタイル、ユニフォーム、寝具、セーターなど、さまざまな製品に使用される。

リヨセル(テンセル)が生まれた経緯

1855年にフランスでレーヨンの誕生から1世紀以上経ったのち、1988年イギリスのコートルズ(Courtaulds)社が試験生産を始め、テンセル®(Tencel®)の商品名で販売開始。その後オーストリアのレンチング・ファイバーズ(Lenzing Fibers)との合併により、現在は素材の総称は「リヨセル」、ブランド名は「
テンセル®」商標として製造販売されている。

製法

レーヨンなどと同様に、木材(ユーカリなど)等のパルプが原料である。これらを溶剤に溶解させて紡糸原液(ドープ)とし、その希薄溶液中に押出、繊維とする。

明日は、再生繊維のキュプラも見ていこう。


こちらの文章は以下のリンクを参考文献として使用しています。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い一日を。

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