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陶磁器32:日本の焼き物(福岡県:小石原焼)

おはようございます。
今日は朝から日差しがマイルドで、気温も20℃を下回っていて羽毛布団のお陰で涼しい中の温もりを感じながら起きられる、とても爽やかな朝。

さて、日本各地の焼き物の名産地をピックアップしたところで、具体的に1つずつ見ていこう。
23回目の今日は、福岡県の小石原焼。

小石原焼(陶器)

小石原焼(こいしわらやき)は、福岡県朝倉郡で作られている陶器。
小石原焼の特徴はロクロを回しながら模様付けをしていく技法によって生まれる独特の模様で、実用性のある美しい陶器として進化を遂げてきた。
焼き上がりは素朴な中に上品な風合いがあり、実用性に長けながらも美しい形と色味が魅力。
模様は、飛び鉋と呼ばれる鉋を使ってロクロを回しながら土を削って行く方法や、刷毛や櫛を使って模様をつける方法、指で模様を描いていく方法がある。その他、等間隔に釉薬や化粧土を流して行く流し掛けや、釉薬を少しずつ浴びせる打ち掛け、釉薬を竹の容器から少しずつかけていくぽん描き等で模様をつけていく。

歴史

小石原焼の起源は、1669年(寛文9年)の江戸時代まで遡る。初代高取八蔵の孫にあたる八之承が大字小石原皿山で小石原陶土を発見し、移住したことから始まりまった。
1682年(天和2年)に黒田藩の3代目当主である、光之が肥前の伊万里焼の工芸師を招き明国の技法を取り入れて八之承と共に磁器を作り初めたとされている。当時は小石原焼のことを当時の地名に因んで中野焼と呼ばれていた。
その後一時中野焼は途絶え、1927年(昭和2年)頃の昭和時代に再興。この時に磁器から陶器を作るようになる。1835年(天保6年)の史実誌によると、当時の生活用品である酒壷や花器、茶器等が主に作られたと記されている。
小石原焼は第二次世界大戦後の物資不足により需要が高まり生産が活発化される。1958年(昭和33年)のブリュッセルの万博博覧会において、グランプリを受賞し、「用の美」のキャッチフレーズと共に注目されるようになった。
1965年(昭和40年)頃から受注生産から見込み生産の形に変遷し、市場は全国に広がる。1975年(昭和50年)には、通産省の伝統的工芸品に陶磁器としては初めて指定された。小石原焼は350年の歴史を誇る日本を代表する工芸品と言える。

地理

福岡県朝倉郡は、筑前町と東峰村の1町1村を含む郡。この2つの町村が挟む他の町村が合併して朝倉市となり、飛び地の状態で同じ住所を保有する珍しい形となっている。場所はいわゆる博多エリアから南東に位置していて、太宰府方面に進んだらさらにその半分の距離のところに位置するのが筑前町である。
この街は、小石原川と宝満川に挟まれ、これらの川は朝倉軍の南を流れる筑摩川に合流する。どちらも太い川ではないものの、良質の陶土が取れると言われれば納得の河川域という訳だ。

作り方

  1. 原土堀り 小石原の陶土を掘る。小石原には豊富な陶土が昔から多く現在も多量の陶土を掘ることが可能。

  2. 土乾燥 堀った陶土を乾かす。

  3. 粉砕 谷川の水を使って乾燥させた陶土を細かく粉砕する。

  4. 土こし 水槽を利用して粉砕した陶土を細かくこしていく。土が細かくなり粘り気が出るまで何度もこす作業を続ける。

  5. 脱水 こした陶土を脱水する。

  6. 土練り 土を練っていく。菊の花びらの形のように練って行く行程のため土練りは菊練りと呼ばれる。菊練りは土の中の空気を追い出し、粘りと硬さを出す。

  7. 土こね 手作業で土こね作業を丁寧に行う。陶土の粒子の均一化と水分濃度の平均化を行い陶土内の気泡が完全になくなるまで続ける。

  8. ロクロ成形 ロクロを使って成形する。現在は電動のロクロを使い、レバーで速度を調節しながら成形。陶土を棒状に伸ばし、上に積み重ねて行く練り付け手法や、陶土を成形した後に紐で引き取って行く引きづくり手法等が用いられる。

  9. 半乾燥 ロクロで成形した陶土を天日で干して乾燥させる。

  10. 化粧掛け 道具や指等を使って乾かした陶土に模様をつけていく。飛び鉋や刷毛目、櫛目、指描き等の手法を用いて様々な模様や細工をつけていく。

  11. 削り 化粧土をつけた品物にロクロを回しながら鉄片を当てて削ることで、様々な文様をつけていく。化粧掛けと同時に行う手法。

  12. 素焼き 様々な模様や細工を施した品物を素焼きする。

  13. 釉薬かけ 地元で採れる藁灰、木灰、長石等を配合して作られた釉薬をかけていく。小石原焼ではひしゃく使ってむらなく釉薬をかけていくひしゃくがけや、口の小さなものに釉薬を入れて等間隔に流していく流し掛け、一気に釉薬をかけていく打ち掛け等の手法があり、そのいずれも独特の風合いが持ち味。釉薬は作品に艶や光沢を与え、水の浸透を防ぐ役割がある。

  14. 本焼き 登り釜を使って成焼きしていく。溶けやすい釉薬の作品から奥に並べて1000度になるまで一番下の焚き口で焼いていく。おおよそ15時間程度で1000度に達したら、横焚きの行程に入る。釜の温度が約1300度に達したら上の窯の横炊き。おおよそ火入れから40時間程窯で焼いていき、炊きあがったら約1週間かけて窯を冷やして窯出しを行う。



*上記の情報は以下のリンクからまとめています。

https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/tokonameyaki/



僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。



皆様も、良い一日を。

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