繊維の種類32:モヘアについて
おはようございます。
今日も東京は晴れ渡る寒空、日本海側は特に寒いみたいなので雪などの影響もなく無事に新しい年を迎えられることを願う。2024年も残り4日、健やかに楽しみたい。
布の素材として、動物繊維の種類を毛繊維、絹繊維、羽毛繊維それぞれに分けて、まず毛繊維で一通り南米のラクダ科の動物の毛を見てきたところで今日はカシミアと一緒に紹介し忘れた山羊の毛モヘアを見ておこう。
動物の種類
モヘヤあるいはモヘア(英: mohair)は、トルコ原産のアンゴラ山羊(英: Angora goat)の毛、およびそれらを用いた織物。
モヘヤ(mohair)はアラビア語で「選ぶ」という意味で、アンゴラウサギ(英: Angora rabbit)の毛アンゴラと区別するためにそう呼ばれる。
「モヘア」とも書かれるが、家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程での指定用語は「モヘヤ」となっている。
産地
主要産地はトルコ、南アメリカ、アメリカテキサス州で採取されている。
トルコ:モヘアの原産国で、品質が最も優れています。毛足が長く、光沢や柔らかさが特徴です。
アメリカテキサス州:モヘアの生産地として有名で、「テキサスモヘヤ」とも呼ばれます。上品な光沢と柔らかさが特徴です。
トルコでは年に1回しか毛刈りをしないため長い繊維を産出している。
以前は南アフリカがモヘアの世界最大の生産地だったがそこでの動物虐待があったとして、H&MやZara、GAP、ユニクロなども取り扱い停止を発表した。倫理上正しい経営判断だと思うけれど、お金にならなくなったアンゴラ山羊たちがその後どうなったのかはより恐ろしい。
特徴
アンゴラ山羊の毛であるモヘアは、純白の繊維で動物繊維の中で最も光沢があり、羊毛に比べなめらかな外観を持っている。このため、すぐれたデザインやカラーを表現できる優れた天然素材である。
また絹のような光沢がある外観だけでなく、機能も優れている。毛は長く(100~300ミリ)、羊毛のようにスケールが飛び出していないため、弾力性に富んでいて手触りは柔らか。繊維の強度も高く耐久性もあるので、毛玉ができにくく摩耗しにくい。繊維の性質から吸湿性・通気性がよいため、保湿性は少なく暖かく蒸れにくく匂いや湿気を繊維に溜め込まない。
30~50%くらいの羊毛と混紡するのが適当で、服地の他、ニット、ショール、帽子、スーツやニットなどの衣類に幅広く使用されており、春夏用のスーツや盛夏物として定着している。
デメリットとしては、抜けやすく静電気が起きやすいこと。そして家でクリーニングでモヘアに水を通すと繊維が膨張して絡まりやすくなる。家でのクリーニングではどんなに優しく手洗いしても摩擦が起きてしまうので、繊維が絡まって固くなりふわふわやもこもこが失われてしまう。汚れにくい素材ではあるので頻繁に洗う必要はないものの洗濯する際はクリーニング店にお任せしよう。
モヘア繊維はもともと弾力性に富んでいるため、毛玉ができにくく、摩耗しにくい。同時にこの優れた品質は特殊な加工技術を必要とし、モヘア生地がカシミアに匹敵する一因とも言われる。
明日は、アンゴラ山羊と混同されやすいアンゴラを見ていこう。
こちらの文章は以下のリンクを参考文献として使用しています。
僕は幸せになると決めた。
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