繊維の種類14:苧麻(ラミー)
おはようございます。
今朝は広く薄めの雲に覆われてグレーがかった朝。
さて、布の素材として靭皮繊維の代表とされる麻の中で衣服の素材となる以下の3つに関してみているところ。
亜麻(あま) Linen リネン 亜麻科
苧麻(ちょま)Ramie ラミー 葦麻科
大麻(たいま)Hemp ヘンプ 桑科
昨日リネンの基本情報を見てきたところで、今日はリネンと特徴が似ている苧麻(ラミー)に関して見ていこう。
実際たくさん種類のある麻だが、日本の「家庭用品品質表示法」で麻と表示して良いのがリネンとラミーだけ。ちなみにその他の麻素材は、麻ではなく「植物繊維」+繊維の名称を表示する。かつては「指定外繊維」とされていたのですがこの用語は廃止となり、たとえばヘンプなら「植物繊維(ヘンプ)」などと表示される。
ラミーの特徴
苧麻(ラミー)は繊維が長く太いのでとても丈夫、リネンと比べるとやや硬めの感触。
麻特有のシャリ感があって、ややチクチクするのがラミーの特徴です。「麻はチクチクする」というイメージをお持ちの人もいるかもしれないが、そのチクチクする麻はおそらくはリネンではなく繊維の毛羽立ちが多いこのラミー。ただ、最近では生地を作るときの加工の方法次第でチクチク感のないラミーも増えていて、リネンと同じくらい肌触りのよいラミー生地もある。
その丈夫さとはうらはらに、独特な繊細感を持つラミー。リネンはどちらかというとマットな印象なのに対して、ラミーの方が色が白く絹のように光沢があるため、発色がよく高級感を感じられる。
リネンもラミーも、さらっとした肌触りと使い込むほどに風合いが出てくるという特徴は共通しています。
ラミーの産地
は多年草であり、2メートルを超えることもあります。冬に葉を落として枯れるが地下茎が残っていれば翌年以降も春に新芽を吹く。
ラミーは中国をはじめ、ブラジル、フィリピン、インドネシア等で栽培されている。中国では年3-4回、フィリピンでは5-6回の収穫が可能である。
ラミーの歴史
リネンの紀元前8,000年頃という起源には負けるものの、分布域では自生種のほかに、6000年前からヒトの手により栽培されてきた。績んで取り出した繊維を紡いで糸とするほか、紐や縄にして荒く組んで網や漁網に用い、織って布にすれば衣類や紙としても幅広く利用されてきた。
ラミーはリネンとは異なり、日本において現在自生している有史以前から繊維用に栽培されてきたものが野生化した史前帰化植物であった可能性が指摘されている。古代日本では朝廷や豪族が部民(専門の職業集団)として糸を作るための麻績部(おみべ)、布を織るための機織部(はとりべ、はとり、服部)を置いていたことが見え、『日本書紀』持統天皇7年(693年)条によれば、天皇が詔を発して役人が民に栽培を奨励すべき草木の一つとして「紵(カラムシ)」が挙げられている。苧麻(ちょま、まお)や紵(からむし、お)といった名称以外にも青苧(あおそ)、山紵(やまお)、真麻(まお)などといった名で古くから文献に名が挙げられている。
中世の越後国は日本一のカラムシの産地だったため、越後上杉氏は衣類の原料として青苧座を通じて京都などに積極的に売り出し、莫大な利益を上げた。新潟県の魚沼地方で江戸時代から織られていた伝統的な織物、越後縮はこれで織られていた。また上杉氏の転封先であった出羽国米沢藩では藩の収入源のひとつになった。このため、カラムシの専売化をめぐり、宝暦10年(1760年)の『青苧騒動』や文化4年(1807年)の『青苧一件』が起こる。なお、置賜地方(山形県南部米沢市周辺)産のカラムシを「米沢苧」という。この他、江戸時代の北日本での有名な産地に陸奥国会津や出羽国最上地方があった。
一方、南方では薩摩藩がカラムシの生産や上布の製織を奨励したため、薩摩藩(鹿児島県)や琉球王国(沖縄県)では古くから栽培や加工が発達した。
現在では、本州では福島県会津地方の昭和村が唯一の産地であり、ユネスコ無形文化遺産・国の重要無形文化財に指定されている「小千谷縮・越後上布」の原料となっている。沖縄県宮古島市の宮古島では、苧麻の栽培から国の選定保存技術に選定された手績み等を経て、国の重要無形文化財である宮古上布の織布までの行程が一貫して行われている。
ラミーの種類
上で挙げた様に、苧麻(ちょま、まお)や紵(からむし、お)といった名称以外にも青苧(あおそ)、山紵(やまお)、真麻(まお)などの呼ばれ方をしているが、実際布になった段階では苧麻(ラミー)と呼ばれる。
日本本土ではカラムシが普通だが、変異が多い。和名をカラムシとするものを独立種とする扱いもある。
しかし、原名亜種のナンバンカラムシは葉や葉柄に粗い毛があり、また茎はより木質化して高く伸びる。熱帯アジア原産で沖縄には普通に見られるが、これも持ち込まれた可能性がある。日本本土産のものは真の自生ではなく、栽培逸出の可能性も示唆されており、現在ではナンバンカラムシの変種とする扱いが普通である。葉の裏面が緑色のものがあり、これをアオカラムシという。
こちらの文章は以下のリンクを参考文献として使用しています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%8D%E3%83%B3
https://handmade-wafu.com/essay/blog/2022/02/11/linenandramie/
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