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陶磁器27:日本の焼き物(徳島県:大谷焼)

おはようございます。
今日は昨日からの湿気がありながら涼しい感じが続いていて、寝起きは少し寒かったくらい。

さて、日本各地の焼き物の名産地をピックアップしたところで、具体的に1つずつ見ていこう。
18回目の今日は、徳島県の大谷焼。

大谷焼(陶器)

大谷焼は、徳島県鳴門市大麻町の名産品で、県を代表する陶器。
大谷焼の特徴は、素朴な風合いを醸し出す土と寝ろくろに代表される製法にある。土は、地元の大麻町萩原で採取される萩原粘土やそれと同等の粘土が使われる。鉄分が多く含まれており、ざらつきが感じられる風合いとかすかな光沢を放つ質感が人気。寝ろくろとは、大人の背丈ほどの巨大な甕(かめ)などを製作する際に、職人が作業台の下に寝転んで、ろくろを足で蹴りながら廻すことから名付けられた成形技法。また、大型の陶器を焼くための登り窯は、日本一の大きさとされる。
大谷焼の製品は、大型の陶器のほか、茶碗や湯呑みなどの日常生活用品や各種装飾品など多岐に渡り、焦げ茶色の陶器が主流だが、なかには深みのある銀色や灰色の陶器もある。

歴史

大谷焼は、江戸時代の後期1780年(安永9年)に当時の豊後国(大分県)から焼き物細工師・文右衛門が現在の鳴門市大麻町である大谷村を訪れ、ろくろ細工によって赤土で陶器を製作したことが始まりだと言われている。
1781年(天明元年)には、陶器に興味を覚えた11代藩主・蜂須賀治昭公の命により、村内に藩営の窯・藩窯が築かれ、阿波国(徳島県)では初の染付磁器が製作された。しかし、原材料費がかさみ、3年後には一旦窯が閉鎖されてしまう。
1784年(天明4年)になると、藍商人の賀屋文五郎(笠井惣左衛門)の働きによって、村内に連房式登窯が、日用品用陶器を焼く民窯として築かれた。
この登り窯で、信楽焼の職人を雇って技術を習得した納田平次平衛を中心として、陶器の生産が開始されたことが、現在の大谷焼の原型となっている。

地理

徳島県鳴門市大麻町は、四国の東の位置する徳島の中でも北東端、瀬戸内海は鳴門海峡に程近い場所に位置しており、徳島駅の真北にある。大麻という名前に加えてすぐ隣には藍住町という街もあり、大麻に藍染めといった徳島の伝統品が詰まったエリアで大谷焼が焼かれてきたことがわかる。
川に関して見てみると、現在の大きく直線的に流れる吉野川の北側を蛇行しながら、そして最終的には二手に分かれながら和歌山湾に流れ込む旧吉野川が掠る感じで通っており、原材料としてもその後の販売販路としても役立っていたであろうことが推察される。

作り方

  1. 粉砕 原料土を採取し、乾燥後に細かく打ち砕く。

  2. 篩(ふるい) 砕かれた土を、ふるいにかけ、不純物を取り除き精製する。

  3. 水簸(すいひ) 精製後の土を水槽の中にいれ、攪拌作業を行う。攪拌しながら同時に、別の水槽に土を流し入れることにより徐々に移し替えていく。移し替えが完了したら、篩で不純物をこし、陶磁器の原料となる粘土・陶土が沈殿するまでしばらく置き、沈殿した陶土をもり鉢に移し、適度な固さになるまで置く。

  4. 土練 円形に広げられた陶土の上に、職人が裸足でのり、両足を使って押し出すように踏みつけながら、土全体の柔らかさを均一に整えるために荒練りを行う。次は、手を使って、荒練りした後の土を回転させながら、土の中の気泡を抜くために練り込む菊練り(冒頭の写真)を行う。

  5. 成形 粘土をろくろに移し替えて手を使って成形を行う。
    大型の陶器を製作する場合には、大谷焼の伝統的な成形技法寝ろくろによって、職人が2人1組となって形を作っていく。

  6. 乾燥 成形後の製品を屋内で陰干しにより乾燥させる。甕や鉢などの大型陶器を製作する場合には20日程かけて陰干しする。小型の陶器類であれば、陰干しに要する期間は2日から7日間程度となる。
    次に屋外に移し天日干し。大型の陶器の場合には2日か3日程度、小型の陶器の場合には1日程度が目安。

  7. 施釉 天日干しによって乾燥できたら、施釉の工程に移る。
    施釉には主に3つの方法があり、1つ目の方法として、素焼きをせず釉薬をかける方法、生掛け。そのほかの方法として、素焼き後の製品を釉薬に浸す浸し掛けや、柄杓を使って製品に釉薬を流し掛ける流し掛けがある。
    なお、素焼きは、約800度の窯の中で、8時間から16時間かけて行う。

  8. 窯詰 製品を焼くために、窯の中に整然と並べていく。

  9. 焼成 窯の温度を約1,230度に設定し、製品を焼き上げる工程・焼成に移る。
    窯には、登り窯、電気窯、ガス窯の3種類があり、それぞれ焼成期間が異なる。
    登り窯では、5から6昼夜が必要とされ、電気釜やガス窯の場合には1日から2日を要する。

  10. 検品製品を窯から取り出し、欠けや亀裂などがないかどうか確認する。



*上記の情報は以下のリンクからまとめています。

https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/tokonameyaki/



僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。



皆様も、良い一日を。

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