繊維の種類33:アンゴラについて
おはようございます。
今日も東京は晴れ渡る寒空で、なぜかキンキンに冷えている感じがする。2024年も残り3日、健やかに楽しみたい。
布の素材として、動物繊維の種類を毛繊維、絹繊維、羽毛繊維それぞれに分けて、まず毛繊維で一通り山羊とラクダの毛を見てきたところで、今日はアンゴラ山羊と間違われやすいアンゴラウサギを見ていこう。
動物の種類
アンゴラウサギ(英: Angora rabbit)はカイウサギの品種のひとつ。全身を長い被毛で被われた長毛種で、被毛はアンゴラ兎毛と呼ばれて毛織物の素材として利用される。採毛を目的とした毛用種として改良され、世界各国で独自の品種が作られた。
日本ではアメリカン・ラビット・ブリーダーズ・アソシエーション(ARBA) で公認され、品種標準が定められている、イングリッシュアンゴラ、フレンチアンゴラ、サテンアンゴラ、ジャイアントアンゴラの4品種がよく知られている。
なお、原産国はトルコであり、アンゴラではない。
アンゴラウサギは最も古いウサギの品種とも言われており、起源については諸説ある。名前に「アンゴラ」と入っているため、原産国をアフリカのアンゴラ共和国(南アフリカの左上、ナミビアの直上)と勘違いする人も多いが、アンゴラウサギとアンゴラ共和国には直接の繋がりはない(綴りも前者がAngoraで後者がAngola)。そもそもアンゴラの気候では、アンゴラウサギのような長毛種は野生で生きていけない。
産地
アンゴラウサギは、中国やヨーロッパ、南米などに多く生育している。アンゴラウサギは日本でも飼育されており、ペットとして一般家庭に飼われているケースも。
以前より婦人用衣料用等の高級素材として人気があり需要があります。アンゴラウサギは、日本でも過去に飼育されていた時代があり、1960年代では年間約300tの生産量がありましたが、1970年代にはほとんど飼育されなくなりました。現在の産地は、世界の生産量の9割を占める中国、そのほかは、フランス、チェコなどのヨーロッパや、ごく少量ですが南米のチリでも飼育されているようです。(年間生産量はおよそ4700トン)
特徴
アンゴラ兎毛は、軽く、温かく、それに加え、毛のスケール(鱗)が平滑性に富んでいるため、光沢及びソフト感がある。また、色は純白で柔らかく滑らかで独特のぬめり感があり、とても軽い。
毛が抜けやすく強度も比較的劣るのが欠点だが、フェルト化もする繊維なので高品質のフェルトとして帽子などにも良く使われる。
アンゴラ兎からとった毛で光沢が良く柔らか。毛には縮み(縮れ)がないので、それだけで紡績することは困難で、羊毛と混ぜて使われることが多い。
生産
アンゴラウサギは毛が伸びやすく、定期的に毛を刈らねばなりません。上質なアンゴラ繊維は、地面につかず清潔で長さも確保できるため、背中など体の上方から採取される。刈り取りの方法は90日間隔で年4回、または75日間隔で年5回行われ、慣れれば一匹15分ほどで刈り取ることができた。
アンゴラウサギは通常放牧ではなくケージの中で飼育します。また、その毛は、12〜14ミクロンの細い毛(産毛)と30〜100ミクロンの太い毛(刺毛)で構成されており、3か月で5〜9cm、1年で12〜15cm伸びるといわれています。通常年4回抜け替わる時期があり、採毛はバリカンもしくは毛バサミで刈り取る方法により行う。
アンゴラ兎毛の採取に関しては実は近年まで、刈り取るという方法のほかに指で抜き取るという聞くだけでも身の毛がよだつ方法が行われていた。しかし、これが明るみに出たことで、こちらも動物愛護の観点から世界中の小売企業が素材調達を中止され、刈り取りのみへの舵取りが世界的に切られている。
動物繊維に関して、羊、山羊、ラクダ(ラマも含む)、そして今日ウサギも見てきた。それぞれの厳しい気候に適して生き抜くための進化の功績を人間が家畜化することでその恩恵に与ってきたことがよくわかる。他にも馬毛や牛のヤク、鹿やアザラシなど毛皮などもあるものの、布生地としての素材からは外れてしまうので一旦毛繊維はここまでとして、年明けより絹繊維を見ていきたい。
こちらの文章は以下のリンクを参考文献として使用しています。
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