繊維の種類46: アクリル
おはようございます。
曇り空から始まる朝だけど、朝には晴れて日中は13度まで上がるらしいので比較的過ごしやすいと言えそうだ。
さて、今日からは化学繊維の合成繊維の中から、アクリルに関して学んでいきたい。
合成繊維
合成繊維とは、低分子の製造原料から合成によりつくられた高分子の組成の化学繊維。合繊と略す。合成高分子の構造には縮合高分子の繊維(ナイロンやポリエステル)と重合高分子の繊維(アクリルやポリプロピレン)がある。
ポリエステル・ナイロン・ポリウレタンは、石油や天然ガスの原料から、ほぼ同じ工程で作られており、三大合成繊維と呼ばれている。
アクリルの特徴
石油を原料とする繊維ですが、軽くて暖かくウールに近い性質をもつ合成繊維。
アクリル繊維は、アクリロニトリルを溶剤に溶かしてノズルから押し出し紡糸する、溶液紡糸法で作られる。1950年にデュポン社が工業生産を始めた繊維で、合成繊維の中でも染色性に優れ鮮明な発色が得られ、耐薬品性や耐候性にも優れている。
アクリル繊維は羊毛に似せて科学的に作られたので、かさ高く、柔らかい風合いに特徴があり、主にステープルファイバー(短繊維)として使用される。
熱を加えると縮みやすいことから、収縮繊維と収縮しない繊維を混紡した後に熱処理で収縮繊維を収縮させることで、糸の中に多くの空気を含むように加工したのがバルキー糸(嵩高加工糸)と言う。こうして嵩をもたせるように加工した糸がローゲージニットや毛糸、毛布、カーペットに多く使われる。
一方、アクリロニトリルと塩化ビニルを6:4の比率で共重合させたポリアクリロニトリル・ポリ塩化ビニルを紡糸したものもあり、アクリル系繊維(Modacrylic Fiber)と呼ばれ区別される。アクリル系繊維は一般的な特徴はアクリル繊維と同じだが、難燃性がある点が異なり、防炎カーテンなどの難燃インテリア素材として使われている。アパレル素材以外の用途では、光ファイバーやPAN系炭素繊維に用いられる。
なお、アクリル樹脂はメタクリル酸メチルを主成分としており、「アクリル」の名が含まれるが別物である。
メリット・デメリット
メリット
保温性があり、強度も強く、耐久性がある
虫食いなどの影響を受けない
吸水・吸湿性が小さく乾きが早い
鮮やかな染色加工が可能(合成繊維の中では最も鮮明に染めることができる)
酸やアルカリなどの薬品に強い
太陽光による劣化や雨水など対する耐候性に優れる
デメリット
毛玉も出来やすい
静電気が起きやすい
熱に弱い
アクリルは、ふっくら柔らかい風合いで暖かい。柔らかい風合いと保温性を実現するには、嵩(かさ)高く空気をたくさん含むことが条件の一つでもありますが、アクリルは人工的にこの機能を持たせた繊維。
またウールよりも安価で、水や蒸気でも縮まず、色も鮮やかに染まり、耐候性にも優れているため、セーター・ニット帽、手袋などの冬物衣類、毛布・カーペットの原料に用いられる。非常に柔らかく、モコモコした感触で保温性も高いため、フリースなどの防寒着などにも重宝されている。
一方でアクリルは、吸水・吸湿性が劣っており、汗を吸わない。そのため、下に吸湿性の高い天然繊維を着ることで、それを補うと良い。
アクリルが生まれた経緯
1950年にデュポン社が初めて工業生産を開始する。比較的簡単な技術で生産が可能なことから、中国など第三国への技術移転が進み生産量も増加傾向にある。反面、日本を含めた先進国では生産が減少傾向であり、2002年には、日本で初めて国産技術によるアクリル繊維を製造した旭化成が市場から撤退するなど、ビジネス面ではコスト競争で厳しい環境に置かれている。 2014年現在、日本国内で製造される化学繊維のうち、アクリル繊維・アクリル系繊維は14パーセントの割合を占めている。
明日は、合成繊維のポリウレタンに関して見ていこう。
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