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自己評価を低くするネガティブな価値観を見つける方法

・「自分らしさ」や「自分の強み」を知るということは、「鏡に映る自分を直視すること」

・自己評価が低くて自分に自信がない人は、鏡に映る自分を見ることができない

・自己評価が低くなる理由①鏡が曇っていて自分の姿がよく映らない(長時間ネガティブな気持ちが続いたり、慢性的にどんよりした気分だと、物事を卑屈に考えがち)
→気分のチューニングをしよう

・自己評価が低くなる理由②鏡を覗き込むことができない(強制・制限・恐怖・不安のニュアンスを含む価値観に縛られている)
→まずは縛られていることに気づく。そして過去の記憶を辿って、その価値観を採用せざるを得なかった理由を紐解こう

今回は、自己評価が低くなる理由の2つ目として挙げた、「価値観」について書きます。


自分を苦しめる価値観=ファンデーション

たとえば
・会社ではコミュニケーション能力が評価される
・空気を読まないと嫌われる
・朝早く起きた方がいい
・社交的な人が好かれる
・わがままを言ったら迷惑をかける

私たちはそれぞれ、自分が正しいと信じている価値観を持っています。この価値観たちが複雑なのは、正しいと思っているからといって、心から納得しているとは限らない、幸せや安心感を感じるとは限らない、ということ。

特に「しなきゃ」「しちゃダメ」「こうあるべき」「どうせ私は」といった強制・制限・恐怖・不安のニュアンスを含む価値観に縛られるほど、自己評価が低くなり自分を受け入れにくくなります。

自分を苦しめるのにも関わらず信じて疑わない価値観を、私は「ファンデーション」と呼んでいます。

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自分のファンデーションに気づく質問ワーク

自分自身でも意識していないレベルでファンデーションを塗りたくっていることも多いので、「私が信じ込んでいる価値観は何?」「私にとってのファンデーションは何?」と直接的に考えてもすぐに浮かばないことがほとんどです。

特に最初のうちはひとりで見つけ出すのが難しいので、人に話を聞いてもらうことをおすすめしますが、セルフワークとして取り組めるように、無意識下にあるファンデーションに気づくヒントになる質問をいくつか考えてみました。
「しなきゃ」「しちゃダメ」「こうあるべき」「どうせ私は」といった強制・制限・恐怖・不安のニュアンスの価値観が眠っていないか、自分の心の中を探ってみましょう。

①昔から守っていることは何ですか?それを破ったらどうなると思いますか?
例)待ち合わせの15分前には到着する。それを破ると相手に怒られる。

②大人や目上の人に注意・指導されたことのうち、今でも印象に残っていることは何ですか?もし当時と同じ言動を繰り返したら、どうなると思いますか?
例)コミュニケーション能力がないと社会ではやっていけない。コミュニケーション力を上げないと、評価が下がって会社にいづらくなる。

③ついつい気になる他人の言動は何ですか?それを見聞きするとどんな気分になりますか?
例)空気を読まず自分の要望ばかり言う人。自分ばっかりわがまま言っていて腹が立つ。よくそんなこと言えるなとそわそわする。

④羨ましいと思う人は誰ですか?(芸能人や漫画のキャラクターでもOK)どんなところが羨ましいですか?その人みたいになれたらどうなると思いますか?
例)姉。社交的で天真爛漫でみんなに好かれるところ。姉みたいになれたら私もみんなに構ってもらえるようになると思う。

⑤何度も同じような状況になるな、よく似たようなことを言われるな、ということはありますか?その状況・言葉であなたはどんな気持ちになりますか?
例)会社の人でも友達でも、自分の意見を否定されると落ち込む。嫌われたんじゃないか、頭が悪いと思われたんじゃないかと不安で仕方なくなる。

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質問ワークの解説

浮かんだ答えにこんな感覚を覚えたら、それがあなたにとってのファンデーションの可能性があります。

・苦しくなる
・力がぐっと入る感じ
・体がこわばる、かたくなる
・もやっとする

逆に、そんなに苦しさや違和感を感じず、自然に受け入れられることやむしろ元気が出たりほっと安心するものは、ファンデーションではなく自分にとって適切で必要な価値観、と判断できます。

また、その考え方がほとんどの人に共通するものなのか、それとも自分独特なものなのか、ちょっと俯瞰して考えてみましょう。

・憧れのあの芸能人も同じことを思うかな?
・異国のイタリアに住んでいるおじさんも同じように考えるかな?
・明治時代の人もみんなそう思うかな?

苦しくて居心地が悪い感じがするのになぜか正しいと信じて疑わない価値観や考え方、それこそがファンデーションです。

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※参考までに、例に沿って考えうるファンデーションを想像してみました。

例)待ち合わせの15分前には到着する。それを破ると相手に怒られる。
→相手の時間を奪うと迷惑をかける

例)コミュニケーション能力がないと社会ではやっていけない。コミュニケーション力を上げないと、評価が下がって会社にいづらくなる。
→コミュニケーション力がない私は仕事ができない

例)空気を読まず自分の要望ばかり言う人。自分ばっかりわがまま言っていて腹が立つ。よくそんなこと言えるなとそわそわする。
→わがままを言ったら嫌われる

例)姉。社交的で天真爛漫でみんなに好かれるところ。姉みたいになれたら私もみんなに構ってもらえるようになると思う。
→社交的で天真爛漫でない私は構ってもらえない存在だ

例)会社の人でも友達でも、自分の意見を否定されると落ち込む。嫌われたんじゃないか、頭が悪いと思われたんじゃないかと不安で仕方なくなる。
→自分の意見を言うと傷つけられる

価値観には、正解もなければ良い悪いもありません。自分にとって心地がいいかそうでないか、がすべてです。
ファンデーションっぽいものの存在に気づいたら、そのメイクを落として心地よさの総量を増やしましょう。

▼要らないファンデーションを落とす方法はこちら


そもそもなぜ、自分を苦しめるファンデーションを塗ってしまうのか?

苦しさや居心地の悪さを感じるのに、なぜわざわざそのファンデーションを手に取って顔に塗ってしまうのでしょうか。不思議ですよね。

赤ちゃんを想像してください。「どうせ私は人見知りだし」「泣いちゃいけない」「空気を読んで笑わなきゃ」と思っている子なんていないですよね?(笑)
私たちは元々、ファンデーションを塗っていないすっぴんの状態で生まれす。そこから、家族や周りの人との関わりや環境の変化、加齢に応じる経験の積み重ねの中で、色々な考え方を吸収します。
つまりファンデーションは自分が本来持っているものではなく、外から入ってきたものです。

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外から入ってきたのなら、それを跳ね除けることだってできます。一度握り締めたとしても、違和感や嫌悪感があるならそれをすぐに手を離すこともできます。
本当は苦しいし納得していないし違和感や疑問があるのに、それでもファンデーションを手に取り自分の顔に塗る、と決めたのは紛れもなく自分自身です。
跳ね除けたり手を離したりしないのはなぜか。それは、ファンデーションを採用することで得られるメリットがあると無意識的に感じているからです。

■ケース1 自分や相手が喜ぶ

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例)婚活中のA子さん
「結婚したい」と思っていて、女子会のたびに友人にもそう発言しているA子さん。婚活アプリを活用してデートを重ねつつ、エステやネイルサロンに行って外見磨きをがんばっています。でも、なかなかいい相手が見つかりません。
実はA子さん、結婚の話をすると途端に表情が曇って、目が全然笑っていません。結婚したいと願っているのに、気分が落ち込んで自分の将来が不安で仕方ありません。
さて、A子さんはどんなファンデーションを塗っているでしょうか?

もしかしたら、こんな考えを採用しているかもしれません。

・結婚しないと親が悲しむ
(メリット:結婚できたら親を喜ばせられるから、結婚したい)

・結婚しないと女性は幸せになれない
(メリット:幸せになりたいから結婚しないと)

・30歳までに結婚できないと友達と話が合わない
(メリット:結婚したら仲間外れにされない、寂しくない)

結婚したら、親が喜ぶ。幸せになれる。仲間外れにされない。
自分や大切な人にとってプラスになると思っているから、結婚を目指しているのかもしれません。でもそれは裏を返せば、"メリットを受け取るには結婚するしかない"と視野が狭くなっている可能性があります。選択肢がそれしかないと思うと、苦しくなるのも仕方がありませんよね。

さらに、それを実現できないのを自分のせいにしてしまう場合も。「結婚できない自分は魅力がない」「愛嬌がないからダメなんだ」「頭の回転が遅いから男性に愛想尽かされるんだ」などと、自己評価を下がってしまうのです。


■ケース2 自分を守る盾になる

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例:八方美人のBさん

自分の意見がなかなか言えずBさん。授業や会議では手を挙げず多数意見に同調し、友達とランチに行った時ですら、つい周りの子に合わせて同じメニューを頼んでしまいます。
少しいじわるかもしれませんが、 この状況を言い換えると、Bさんは自分の意見を言わないことを選んでいます。

Bさんの心の内はどうなっているでしょうか?

もしかしたら、幼い頃クラスメイトに対して自分の意見を言ったことがきっかけでいじめられた経験をして以来、「自分の意見を言ったら嫌われる」というファンデーションができあがったのかもしれません。
自分の意見を言わなければ嫌われないだろう。たとえ食べたいメニューが頼めなくても、会議で自分の存在感がゼロになっても、自分の意見を言わない方が傷つかないからそれでいい。本当は言いたいことを我慢してストレスが溜まっていることもいつしか感じられなくなって、諦めにも似た取捨選択をしている可能性があります。


まとめ

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・自分を苦しめる価値観(ファンデーション)は、他人との関わりや加齢に応じる経験の積み重ねの中で、色々な考え方を吸収して得たものであり、外から入ってきたもの

・本当は苦しいし納得していないし違和感や疑問があるのに、ファンデーションを使い続けるのか。それは、そのファンデーションを採用することで得られるメリットがあると無意識的に感じているから

・ファンデーションは無意識下にある場合が多くひとりで見つけるのは難しいが、第三者との対話や質問ワークなどを通して、過去の出来事・他人との関わりを紐解くと見えてくる



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井上ゆかり
読書と手帳が好きなので、本や文具の購入に使わせていただきます♡