杉板本実コンクリート技法
今回は杉板本実(ほんざね)型枠コンクリート技法について。
コンクリートなのに木目調でどこどなく暖かみと品があります。
色々調べたら、まず経験の無い職人さんでは中々難しく、綺麗に木目がでないとの事。
*杉板本実の板をきれいに並べたり不必要な箇所の面を削ったりと片枠大工さんの腕が必要。
*コンクリートから剥がす時の剥離剤の下処理を板一枚一枚にしなければならない事。
*片枠を外した時上手く木目がでないことや、失敗して割れてしまう事がよくある事。
*とても繊細なバイブレーションや竹の棒などでタイミングを見計らい片枠を外さねばならない繊細な配慮が必要な事。
*コンクリートの乾く条件や外す時間などで色が変わる事。
予算も工期もさほど無い中、これだけ聞いて諦めかけたくもなったのですが、どーしても今回はこれで無いとデザインコンセプトに合わない。職人さんを探して探して探しまくった結果、なんと父の知り合いに最近杉板本実加工をやったばかりの職人さんがおりました!
事情を話すと、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。と。。一安心しました。
昔は日本でも良くこの技法を使ってやっていたのですが、今は殆ど作らなくなってしまったので、出来る職人さんが少なくなってしまったとか。探しまくった都内の木工所さんから杉板本実の凹凸板のサンプルを3枚郵送してもらい。(凹凸本実を扱っている木工所さんを探すのもの一苦労しました。)
この3枚のビミョーな彫りの深さの違いの中を良く良く吟味して、今回は一番浅めの彫りを使用する事にしました。
群馬の大工さんの丁寧で繊細な仕事ぶり、知り合いの片枠工務店さんの丁寧なコンクリート仕事のコラボの結果、こんな素晴らしい木目が浮き上がりました。
工期も最短で枠を外したばかりなのでコンクリーとがまだ少し濡れて色むらがあります。大満足な仕上がり!上部には雨垂れ防止もつけて頂きました。(雨垂れ防止をつけておくと、雨が降って伝わって落ちる時につく汚い後みたいなものが防止されるのですよ。)
出来上がりはこんな感じです。
デザインした看板や足元のプランターにも思った通り雰囲気がぴったりでした。諦めずに探し続けてよかった。 少しでも良いものを作ろうとする職人さんの丁寧な仕事魂と心意気のおかげです。埼玉の東上線終駅近くですが、毎朝、通勤で通る人たちが一目おく、ちょっと暖かみのある素敵なコンクリート壁が出来上がりました。
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