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⑭ 教師に悪態をついていた子どもたちがあいさつ出来るようになるまで/学級崩壊

学級崩壊(がっきゅうほうかい)とは、学級が集団教育の機能を果たせない状況が継続し、通常の手法では問題解決が図れない状態に陥った状況を指す。主に日本の小学校に関して1990年代後半に新聞やテレビなどのマスコミが使うようになって広まった表現とされている。

学級崩壊とは…?

1. 暴言をやめさせるために立てた仮設


前回は子どもたち同士の繋がりを強くするために行ったGWTの実践を紹介しましたが、今回は崩壊学級でもやっぱりあいさつは大切であると感じた実践を紹介します。

☟ 前回の投稿はこちら ☟


この学級を担任として受け持つようになってから困ったことの1つとして、関わってくださる先生などに対する暴言が止まらないことがありました。「うるせー黙れ!」「貴様」 「お前」
などと暴言を吐いてしまう子どもたちの姿を見て、またそういう暴言を吐いてしまう子どもたちに引いてしまい、どんどん関わろうとする人がいなくなってしまうのを見て、 「なんとかしないといけない」 と思いました。

 そこで私がたてたのは
「相手を大切にできるようになるには挨拶ができる子に育てると良いのではないか。」 という仮説です。

子どもたちに“あいさつの必要性”を感じさせ納得させたうえで、あいさつへの取り組みを少しずつやっていこうと決めました。次からは私がやった取り組みを順序立てて説明していきます。

2. あいさつができるようになるためのステップ5つ

【① 自分のあいさつレベルを正しく認識させる】

朝、わざと誰よりも早く教室に行き、子どもたちを待ち構えます。 そして子どもたちの様子を観察します。全員がそろった朝の会で、こう聞きます。

「みなさん、普段からあいさつできていますか? 出来ていると思う人は手を挙げてみてください。」

ここで数人、もしくは普通の学級であれば半数以上、 手が挙がるはずです。続けてこう言います。

「あれ?おかしいですね。 先生は今日ずっと朝から皆を出迎えたけど、 先生に挨拶をしてくれた人は○人だけでした。」

ちなみにこの時は1人でした。

この言葉にみんな 「はっ」とします。 挨拶をされて返すのは礼儀であり当たり前。挨拶が出来ていると胸を張って言えるのは「あいさつは自分から」 だという正しい認識を全員に持たせます。

「じゃあ明日からは先生と勝負ね! 教室に入ったら先生より早く挨拶してね!」

とおどけて言い、 初日は終わります。

【② 子どもたち同士でもあいさつ】

数日、朝から子どもたちを出迎えるようになると、担任へのあいさつは当たり前にできるようになりました。

ただよく見ると、子ども同士の挨拶は希薄でした。

「明日は友だち5人に挨拶しよう!」
「明日は昨日とは違う友だちにも挨拶してみよう!」

などと、いろいろあの手この手でたくさんの友だちと挨拶をかわせるように言葉かけを続けました。 いつのまにか朝から挨拶がたくさん飛び交う教室になっていきました。

【③ 挨拶の必要性には道徳や朝の語り】

大人だってそうですし、子どもももちろんそうなんですが、 何をするにも 「やらされている」のではなく「納得してやる」方が効果があがるはずです。その為、挨拶の必要性について道徳や朝の会などを使って話をするなどして、子どもたちが“あいさつって大事だな” “した方がいいな”と思うようにしかけました。

【④ あいさつのやり方を教える】

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