(株)MIMSAPORT×4年総合×福祉教育|出前授業
1. 現代の福祉教育で授業を実現!
私が住んでいる福岡市では、小学4年生の総合的な学習の時間に、福祉について深く学ぶ機会があります。
授業では、アイマスクや車いすの体験を通じて、実際に体感しながら学びます。また、学校や地域で「バリアフリー」を探し出す活動も行います。私自身も4年生の担任をしていた際には、こうした学習に取り組んでいました。
現在、さまざまな企業の方々とお会いする中で、「福祉事業」と一言で言っても、実に多様な職種があることを知りました。今回は、その中の一つである(株)MIMOSAPORTの上仮屋さんにお越しいただき、発展的な福祉教育として特別授業をしていただきました。
どのような授業になったのか、これからご紹介しますので、ぜひ最後までお読みくださいね😊
2.理学療法士ってどんな仕事?
今回は、福岡市東区の小学校にお邪魔させていただきました。
すでに体験学習を終えた子どもたちは、「どんなお話になるんだろう!」とワクワクしている様子が、授業が始まる前から伝わってきました。
自己紹介が終わると、上仮屋さんが「理学療法士って知ってる?」と質問しましたが、ほとんどの児童はその言葉を知らない様子でした。しかし、「リハビリ」という言葉が出てくると、「聞いたことある!」と子どもたちから反応が返ってきました。
その後、リハビリの語源について教えてくださったのですが、
「リ」(もう一度)+「ハビリテーション」(できる)の組み合わせから成り立っているという説明には、私も思わず「へえ~!」と感心してしまいました。普段耳にする言葉でも、語源を知ると新たな発見がありますね!
リハビリの仕事には、関節を動かすストレッチや筋力訓練、歩行練習などが含まれることを、イラストを使いながら説明してくださったので、子どもたちも「知ってる!」「見たことある!」と授業に引き込まれていきました。
特に子どもたちの反応が大きかったのは、上仮屋さんの妹さんが膝の関節の手術を受け、大好きなバスケットボールができなくなるかもしれないという不安を抱えていた時、理学療法士の方のリハビリによって妹さんがみるみる元気になっていったという話でした。自分たちと年齢が近い人がリハビリを受けているという現実が、子どもたちの心に深く刻まれたようでした。
そして、その経験がきっかけで「理学療法士ってすごい…かっこいい!」と感じた上仮屋さんは、「私も理学療法士になりたい!」と思うようになりました。そこからどのようにして夢を叶えたのか、そして現在の仕事内容についてさらにくわしく話が進んでいきます。
3. 仕事から見えた課題と新サービス
必要な資格をとり、理学療法士という夢を叶えて仕事に従事するようになった上仮屋さん。実際に働く中で大変なことも多くありましたが、患者さんが「痛みがなくなった」「歩けるようになった」と笑顔で感謝してくれる瞬間が、この仕事の喜びだと感じているそうです。決して楽な仕事ではないけれど、理学療法士は本当に素晴らしい仕事だと教えてくれました。
理学療法士の働く場所は、病院や施設などさまざまあります。その中で上仮屋さんは「訪問看護ステーション」というところで長く働いていました。訪問看護ステーションとは、患者さんの家に行ってリハビリを行う場所です。
元気な子どもたちにとっては、病院に行くことは想像がつくかもしれませんが、理学療法士の方がわざわざ家に来てくれるというのは少し想像しにくいようでした。上仮屋さんは、起き上がることや移動することが大変だったり、”寝たきり”でベッドに横になったままの人など、外に出るのが難しい患者さんがいることを教えてくれました。
さらに、リハビリによって元気になり、再び外に出られるようになる患者さんがいる一方で、世の中には「難病」と呼ばれる治療が難しい病気が多く存在することも伝えられました。リハビリを頑張っても歩けるようにならない人や、病気によってどんどん症状が悪化してしまう人もいる現実があるのです。
ただ…ここからが、私が子どもたちに(株)MIMOSAPORTさんを紹介したかった理由の一つです。
上仮屋さんは、そんな患者さんたちも本当は皆と同じように外に出たり、遊びに行ったり、買い物をしたり、綺麗な景色を見に行ったり、美味しいものを食べに行ったり…たくさんの願いがあるはずだと考えました。
そこで、患者さんが安心して外出し、やりたいことを叶えられるようにするために、上仮屋さんが取り組んだことの一つが介護タクシーの導入です。
介護タクシーとは、車椅子の人や寝たきりの人でも、そのままの状態で安心して乗ることができる特別な車両を使い、どんな患者さんでも安全に行きたい場所に連れていけるというサービスです。
まだ介護タクシーについてよく知らない子どもたちのために、上仮屋さんは動画を見せてくれました。子どもたちはその動画に釘付けで、クレーンが動いて患者さんを車に乗せる場面では「お~!」「すごい!」「かっこいい~!!」と歓声が上がり続けました✨
介護タクシーは、子どもたちにとって初めて知ることとなりましたが、この車両を使うことで、外に出ることが難しかった患者さんたちが行きたい場所に行けるようになることを学びました。
1学期の間、福祉について調べ学習や体験学習をしてきた子どもたちでしたが、実際に現場で働く方の話を聞くことで「理学療法士」や「介護タクシー」といった新しい言葉を学び、興味深く話を聞く姿がとても印象的でした。
最後に、上仮屋さんからは「今回の話を通して、みんなが当たり前に自転車に乗って行きたいところへ行ったり、車に乗って家族でお出かけできたりすることが、実は『当たり前ではない』ということを覚えていてほしい」とのメッセージがありました。
そして、日常生活の中で、行きたい店が2階にあるのにエレベーターがないお店に車いすの人が行きたそうにしていたり、でこぼこ道の坂を車椅子で登ろうとしている人を見かけたりしたときに、そういった状況を想像することで、もっとバリアフリーが進んだり、世の中が変わっていくのではないかというお話があり、学習が締めくくられました。
この授業を通して、子どもたちは自分にできることを真剣に考える姿を見せてくれました。
4. コラボ授業を終えてみて…
私の自治体では4年生が福祉教育について学習します。(他の自治体はどうなのでしょう?)
総合の学習ではきちんと時間がとられていて、調べたり、体験したりする学習を行います。ただこれからの時代は高齢の方はどんどん増え続け、福祉や介護などは本当に必要な仕事となり、たくさん増えていくことでしょう。また、冷静に考えてみるとこういったサービスは高齢の方だけがうけるものではないことにも気付かされます。
いつ誰がこういったサービスを受けるようになるかは誰にもわからないのです。
上仮屋さんに初めてお会いして事業内容を聞いた時、そういうサービスがあることを知り、純粋に子どもたちに伝えたいと思いました。
福祉=大変、きつい…というようなイメージではなく、そういったなかにもやりがいを見つけ仕事に従事されている方がたくさんいるということ、見つけた課題のなかから改善策を生み出して新たなサービス展開されている方がいることなど、社会起業家としても刺激があるのではないかと思ったからです。
久しぶりの4年生での授業でしたが、どんな話にもとっても素直な反応で、可愛くて楽しい1時間となりました✨大変快く授業を引き受けてくださってありがとうございました😊
今回授業を受けた子どもたちや先生の感想を紹介させていただきたいと思います。
5. これからのこと
今回は福祉教育の発展学習としての授業でしたが、「理学療法士という仕事を初めて知りました!」「かっこよくて、とても大切な仕事だと思いました!」「理学療法士になってみたい!」という子どもたちの感想が多く寄せられ、キャリア教育としても大成功だったのではないかと感じました。
また、子どもたちが大変驚いていた介護タクシーですが、この仕組みを活用して、外出や旅行が難しい患者さんのためのサービス「旅行付き添いサポート」にも現在取り組まれていますので、ぜひとも下記のホームページをご覧ください😊
☟株式会社MIMSAPORTホームページ☟
大変貴重な授業をありがとうございました!上仮屋さんはこれからもタイミングが合えば授業をしてくださるということです✨
授業を希望される方は下記ホームページまでお問い合わせください。
☟ スポットティーチャーHP ☟
※上仮屋さんへの直接の連絡はご遠慮ください。
本当にありがとうございました~🐱