妊活のヒント 冷えと妊活への影響 「冷えると何がよくないのでしょうか?」
◎冷えと妊活への影響
「妊活のために、からだを温めたほうが良い」
このような情報を多くの方が見聞きしたことがあると思います。
冷えが妊活や婦人科系に影響することは知っている・聞いたことがあっても
「なぜ?」
については、あやふやな方が多いのではないでしょうか?
「冷えると何がよくないのでしょうか?」
さまざまな影響があるため、すべてを挙げることは難しいですが、
基本中の基本として
・冷えると巡りが悪くなる
・冷えると働きが低下する
○冷えると巡りが悪くなる
巡りが悪くなると引き起こされる影響はさまざまですが
わかりやすい例は『血流』です。
血液によって酸素と栄養をからだの隅々まで運びます。
特に毛細血管は冷えることで閉じやすくなり、
末端の大事な部分まで血液(酸素と栄養)が行き届かなくなります。
冷えることで血流が悪くなり、酸素と栄養が行き届かなくなると、
エネルギー不足となり働きが低下します。
血流が悪くなると、
・質の良い卵子が育つ
・着床しやすいように子宮内膜を厚くする
・着床した受精卵がしっかり成長していく
などに影響が出てきます。
○冷えると働きが低下する
冷えることによってからだの機能は低下傾向になります。
上記のように、巡りが悪くなることで、
エネルギーが伝わりにくくなり働きが低下することもあります。
冷えることで消化吸収の力が低下し、
エネルギーそのものの産生が低下することもあります。
エネルギー産生が低下すれば、
からだ中に行き渡らせるためのエネルギーが不足するため、
働きも低下します。
冷えたままの状態でいるとどうなるか?
からだの中で、特に冷えやすいのは手足の末端です。
「末端が冷えることが、子宮や卵巣に影響するのでしょうか?」
と疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
体表面の皮膚温と深部体温では温度が異なります。
深部体温のほうが0.5℃~1.0℃くらい高いといわれています。
体表に近くなるほど血管は細くなっていき、
太くて大事な血管ほど深部に存在します。
手足の末端が冷えたままの状態でいると、
その冷えた体表面近くを流れる血管の血液も冷えます。
↓
冷えた血液が、毛細血管→細い血管→太い血管へと流れていくことで、
からだの深部も冷えていきます。
↓
からだ全体が冷えていくことで
・巡りが悪くなる
・働きが低下する
・体温維持のため熱エネルギーが必要となるため、他の所へ行くべきエネルギーが不足する
なども起こってきます。
妊活をしている方では、
暑い時期よりも基礎体温が下がることも起こり得ます。
冷えによってこれらのことが起こり得るため、
冷えたままの状態でいるよりは、冷え対策をしたほうが
からだにとっても、妊活にとっても良いでしょう。
温めれば温めるほど良いのか?
冷えによる妊活への影響は他にもさまざまなことが考えられます。
個別の状態により異なるので、
情報としてよくあるような「○○をすると●●になります」
などのような、万人に共通するものよりは、
一人ひとりの状態に合わせた対処法のほうが、
妊娠・出産への近道になります。
誰にでも効果ありますよ
というものよりは
オーダーメイドのような自分に最適なもののほうが効果的である
ということは、ご理解いただけると思います。
そのため、
妊活のためには、温めれば温めるほど良いのか?
というと、そういうことではなく、
自分のからだにとって適温になることがベストです。
冷えを感じていて、それが妊活やからだに影響しているのであれば、
温めたほうが良いでしょう。
冷えをあまり感じていなくて、どちらかというと暑がり
という人の場合は、
それが妊活やからだに影響している可能性があるため、
適度に熱を抜く(冷ます)ような対処法が適しているかもしれません。
これも、個別の状態を詳しく把握したうえで、
対処したほうが効果的なため、
自分でより詳しく勉強するか、専門知識のある方にアドバイスをもらってもいいかもしれません。
専門知識のある方のアドバイスは、鵜呑みにするのではなく、
自分に適しているか、効果的か、快適なのか、など
自分の感覚も大事です。
冷えがある方で、明らかに妊活への影響があると思われる方は、
効果的な冷え対策をしていただければと思います。
参考までに、こちらもお読みください。
『冷え対策の基本は3つ カイロを使うと自分で温める力が衰えるのでしょうか?』
ゆかり堂治療院