遠距離介護の舞台裏:ネット時代の親孝行と老後への不安
文章力養成コーチの松嶋です。現在、両親の遠距離介護をしています。両親と同じ市に住む妹と2人で協力し、インターネットでできることは私が担当、出向いてやらなければいけないことは妹が担当しています。もちろん、負担を最小限にするために公的サービスをフル活用しています。
要介護3で認知症、歩行には介助が必要な父には、毎日デイサービスに通ってもらっています。そこで、規則正しい生活を送り、栄養の整った食事をし、家族以外の人とのコミュニケーションを取ってもらっています。
母も要介護2。腰痛がひどいので、父の介護はできません。そのため夜、着替えと排泄介助を訪問ヘルパーに依頼しています。しかしヘルパー不足のため、土曜日と日曜日の手配ができず、そこをショートステイと、私たち姉妹の介護で成り立たせている状況です。
毎週土日、ショートステイに申し込んでいますが、申し込みが多すぎて受け入れが難しいということで、半分は断られています。そのため月に2回は、私か妹が土曜日と日曜日の夜に実家に行くことになります。私は実家から遠く離れて暮らしているので、実質土曜日から月曜日まで宿泊することになります。
もちろん両親の顔を見たいですし、たまに家に帰るのはいいのです。けれどこれは、私がインターネットでできる仕事をしているから成立するようなもので、普通のサラリーマンだとかなり難しいと思います。介護休暇なども取れるようになってきていますが、毎週末そんな休暇を取れるような企業はないと思います。
そして慢性的なヘルパー不足で、ショートステイもほぼ抽選という時代に入ろうとしています。遠隔操作で、どんなに介護をシステム化しようと思っても、どこかで家族が頑張らなければいけない部分があります。
今はいいですけど、これからどんどん高齢者が増える中で、そして子供が減る中で、日本はどうなっていくんでしょうか。例えば私だってあと25年もしたら父や母の年齢になるわけで、その時、公的な介護システムはどうなってるのか、全く予想がつきません。
そういう意味では、老後が不安と言えるでしょう。日本国民全員がね。