あの時、助からなければ
今までなかなか読まなかったジャンルの本を読んでいる。
まだ読んでいる最中だが、
助かるはずの命だったのに……の正反対の事例がいくつも出てきた。
つまり
あの時、助けなければだ。あの時、助けなければ、その後、手術や薬で苦しむこともなかった。安らかに死ねて、家族が介護で苦労することもなかったというような例。
これはかなり衝撃的だ。
それに私は、去年まで脳損傷者の支援をするNPOで働いてきて、脳梗塞や脳出血から生還した人が、こんな言葉を発するのを聞いた。
中途半端に生かしやがって
人生100年時代。でも、ラスト30年の生活に自分の意志はあるのかな。
親は、この本を読めとは言えない歳になってしまった。親にとって死はリアルすぎる。でも、自分にとっては違う。「あの時、助からなければ」そんなふうには思いたくない。そのための本。
いつかは来ることが確実である「死」
その準備をするために、まずは無残な「生きのび」について、書かれた本です。