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テレビと読書、決定的な違いは咀嚼する時間

文章力養成コーチの松嶋です。子育て情報も提供しています。さて、ここ何年も、子供の読書時間が減っています。代わりにその時間、テレビやYouTubeが占めています。テレビやYouTubeからの情報吸収と、本からの情報吸収、その大きな違いは、自分の頭で止めて考える時間を作れるかどうかです。

読書ってやっぱり大事ですよ

読書の力は偉大です。読書は、いわば、国語力の万能薬なのです。
今日は、読書の他の側面「読書には咀嚼する時間がある」「読書は主体的である」ということについてお話します。

活字の本を読もう

以前、ポットキャストで、ジャーナリスト堤未果さんの話を聞きました。『株式会社貧困大国アメリカ』(岩波新書)を題材にしていました。この本は、上位1%の人間、人間というより多国籍企業ですが、それが国の方向性を握っているというアメリカの現状について述べています。あらゆるものが巨大企業にのまれ、株式会社化が加速している、 果たして国民は主権を取り戻せるのか? そして日本は大丈夫か?という内容です。さて、堤さんは、この番組の中で「活字になっている本」を読むよう薦めていました。あらゆる情報がコントロールされ、マスコミに都合の良い情報が流れる中、 書籍というものは、検閲を受けていない情報が書かれている数少ないものである、という点で述べています。その点でも大いに頷くところはあるのですが、別の切り口「自分の中で主体的に考えることができる」「情報の咀嚼力(そしゃくりょく)が付く」ということで読書を推奨しており、私はいたく共感しました。アメリカの情勢はこれからも変わり続けると思いますが、「活字になっている本」を読むことの重要性はずっと変わらないと思います。

受け身のテレビ・ネット情報

今の子どもたちは、ほとんどの情報をテレビやネットから仕入れています。小学校低学年ではネットから情報源を受け取る子どもは少ないかも知れませんね。 でも、中には、スマホを駆使して情報を仕入れているお子さんもいます。どちらにしろ、ネットやテレビなど、マスメディアの情報を受けているわけですが、これらはかなり「受け身」の体勢です。それに対し、本に書かれている情報を読むという行為は、とても能動的です。主体的なのです。

テレビと読書、決定的な違いは咀嚼する時間

テレビの情報に関しては、録画を再生でもしていない限り、 疑問に感じたところでいったん止めて、じっくり考える余裕がありません。加えてたちのわるいことに、 その垂れ流した情報のあとに、ニュースのキャスターやらコメンテーターやらが、自分の感想でまとめます。人がどう思っているか考えを聞くことも大切ですが、自分がどう感じたかが一番大切なのに、その時間が作れません。ネットの場合は、立ち止まって考えることができますが、保存しない限り、ニュースはヘッドラインからすべり抜けてしまいます。その点、本は、「ちょっと待てよ」と思うところで止まれますし、 本を閉じて、そっと目も閉じ、じっくり考えをめぐらすこともできます。好きなフレーズを何度も読み返したり、付箋紙を貼って後で読み返したり、メモを取ったりもできるのです。つまり、情報を受けているようでありながら、かなり「主体的」になって考えているのです。また、じっくり自分の考えをめぐらせる時間を作れますし、著者の意見を何回も反芻し、自分の意見と突き合わせ、時には融合した新しい力のある意見を作り上げることもできます。この作業を「咀嚼(そしゃく)」に例えているわけです。

子どもにはこういう時間と経験を作ってあげたいですね。
読書習慣を付ける方法については、noteでお話ししていますし、LINEでも情報を提供し続けて参ります。


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