どうして塾に入れる?
2月新学期がスタートした。え?新学期って4月じゃない?いやいや、奥さん、そんなこと言ってたら、受験戦争への急行列車に乗り遅れるわよ。
東京の私立中学入試は2月1日。よって、塾での6年生の卒業は1月31日。なので、5年生は、まだ5年生なのに、なぜか「新6年生」という塾独特の学年名になり、6年生のテキストでの授業が始まる。だから塾の世界で、2月は新学期。
私が子どもの頃は、塾という場所は、勉強ができない子が、補習の為に行くところだった。それがいつの間にか勉強ができる子が行くところになり、今は、その両方が2極化し、塾の方が受験塾と補習塾に分かれているくらい。
結局、勉強ができても、できなくても、行く場所になった。
みんなが行くから行く
という主体性がない、または同調圧力に屈する場合と、
子どもが帰宅する時間に親がいない
という理由、つまり、学童や託児所の代わりに行く場合とがある。
週3日の塾以外に、習いごとを週4日とか入れている
という、子育てを人に任せすぎな場合もある。
きっかけは、子どもが「あの塾行きたい!」と言ったわけでもない。たいてい塾主催の全国一斉学力テスト的なものを受けて、平均以下の点数にびっくりしてあれこれ理由を付けて押し込んだ人が多い。
既に通塾している子どもたちと同じテストを受けたら、当然平均点以下になるなのは分かりきっているのに、やはり自分の子が平均以下だとびっくりするようだ。そして、その原因も探らず、言われるがまま、塾へ。
私は長年、あの手この手で塾に行かせる親の心理を考えている。
とにかく言い訳ばかりだ。
自主性が育つとか
この時期に頑張ることを教えたいとか
家に一人でいるとゲームばかりするからだとか
上の3つで考えても、塾はかなり不向き。
受け身の授業で自主性は育たないし、頑張るというより我慢を強いられるし、ゲームに至っては、原因を探らずに時間を使うものを他に差し入れているだけ。
子供会やキャンプやボーイスカウトに入れた方が、よほどいいのは火を見るよりも明らか。
算数が間に合わない。
これも結構言われる。
でもね、間に合わないような算数の問題を作っている中学の方がおかしいってことに気づかない。そんなおかしな中学に入れてどうするの?って思う。
先取り先取り。先取り命。
オムツが外れるのが、平均より遅いと不安
離乳食に切り替えるのが、平均より遅いと不安
歩きだすのが、平均より遅いと不安
私も母親だから気持ちは分かる。でも、塾は、そういう母親心理に付け込んでる。
もちろん病気が原因の場合は専門家に相談したり、治療したりしなくちゃいけないけれど、何もかも平均より上なんて目指してたら、平均の意味が分からなくなっちゃう。
平均と比べるより、自分の子はどういうペースで、どういうリズムで生きるのかをしっかりとらえるべき。急かされて成功した例だけ見させられていることに気づかないから、自分の子に落胆する。これって引いてみるとびっくりするくらい滑稽な姿だと思う。
こんな日本だから、翌々年のランドセルを、前年の1月から予約なんて、訳の分からないことになる。「ランドセルの季節だね」なんて思ってたら「2025年春仕様」とか! ぐるりと回って1年越えちゃった(笑)