大好きだったアンパンマンの動画を、興味なさそうにぐったりと見ている
文章力養成コーチの松嶋です。子育て系の講演などもしています。YouTubeを見せておけば、子どもがおとなしくなる。そういう子育てが危ないと警告してもう20年が経ちました。
アンパンマンしかサジェストされない
みんな大好きアンパンマン。それは見た目も愛嬌があるし、楽しい仲間は出てくるし、何より正義の味方だからでは?
でも、子育て、というか子守りの道具にされたアンパンマンは、もっと違う扱いを受けています。
子どもが、アンパンマンのぬいぐるみや小さな人形で遊ぶのならまだいいのですが、ここ数年、親たちは、他人がアンパンマンのオモチャで遊ぶ動画をよく見せているとのこと。
その端末でリストを作れば、延々とアンパンマンが見られますし、そのような試聴スタイルをYouTube側も学習し、「あなたの興味がありそうな動画」として、次から次へとアンパンマンが推薦されます。もう、こうなるとアンパンマン漬けです。
大好きだったアンパンマンの動画を、興味なさそうにぐったりと見ている
以前、落合陽一さんのAIに関する講演会に伺った時に、このYouTubeの話が出てきたのですが、落合さんのお子さんもこの手の動画が好きそうだったので、よく見せていたとのこと。その時、様子を見ていたら、大好きだったアンパンマンの動画を、興味なさそうにぐったりと見ている様子を見て、これはヤバいと思ったそうです。
私も電車の中などで、YouTubeに子守りをさせている様子をよく目にしますが、赤ちゃんたちは、皆、どこか中毒者のように目が虚ろになっています。
確かにラク。でも‥
乳幼児期は、親子のコミュニケーションが大切な時。人間の温かさに触れ、心を安定させ、また、対人関係の基礎を学ぶ時期です。そこを怠ると、将来に大きな影響が出ます。YouTubeは一方的な情報の提供、または流出で、コミュニケーションの勉強にはなりません。確かに公共の場で静かにさせるのは至難の業です。わたしも苦労しました。でも、親も親になるトレーニングをすることになりますし、社会も子どもを受け入れるトレーニングの場になるのだと思います。
保護者、子ども、社会、三者とも何か大切な機会を失っている気がします。