マイペース高2息子とニューヨーク親子旅⑨:世界三大瀑布「ナイアガラの滝」へ日帰り弾丸ツアー。「滝」の概念を覆す迫力にテンション上がりまくり
7月末、マイペース高2息子と2人でニューヨークを旅した記録。
前回までの話(最初から)はこちら
ニューヨークに到着するなり息子がスマホを紛失し、てんやわんやで終わった1日。翌日からは無事予定していた観光へ。
メトロポリタン美術館に行ったり、ブロードウェイミュージカルを見たり、「ニューヨークといえばこれ」を進みつつ、ハーレムのゴスペルなんかも聞きながらの翌日は「ナイアガラの滝」。
街をブラブラしてウインドーショッピングが好きな私だが、なにしろ息子は「ザ・男子」。ほしいものをゲットしたら即「帰ろう」という。たぶん、元狩猟民族なんだと思う。うちは旦那もそうだ。スーパーに「パン買ってくる」と言ってパンだけ買って速攻帰ってくる。獲物かよ。
ということで今回のニューヨークは「好きなだけ街をぶらぶら散策」はあまり見込めないと思った。無理やり付き合わせたところでブーブー文句が出て楽しめないのは目に見えている。かといって英語があやふやな息子が一人でウロウロするとも思えない。
では何なら一緒に楽しめる?と考えたときに思いついたのが「ナイアガラの滝」だ。どうやらニューヨークから日帰りで行けるらしい。
わたし的には「まぁ行けたら行ってみたいけどわざわざナイアガラの滝のために旅行するかって言うと行かないかな」みたいなテンションの場所なのだけど、だからこそ割と近くにあるなら思い切って行ってみるか!と。
息子は日本の景勝地なんかも興味はなく、旦那の地元である北海道でも積丹半島や稚内、礼文島の岬なんかもブスっとして「帰りたいんだけど」というテンションだった。富良野の花畑も「花とかマジどうでもいい、早く帰りたい」とイラつかれる。だが宮古島の海や満点の星空には感動していたし、きっとナイアガラみたいな「文句言わせねぇ水量」みたいなもんには反応するかなと予想したのだ。あと息子なぜか雨が好きで、雨の日に傘をささずにずぶぬれで帰ってきて「なんか気持ちよかったから公園でブランコ乗ってきた」と言うし。
まぁなんにせよ、私にも息子にもいい体験になるだろうということで行ってみようと決めた。
調べてみるとバスでのツアーは安いが、なんと片道10時間。それはもう14時間フライトでもフラフラだったわたしにはしんどい。時間もかかる。ということでお値段は張るが、片道2時間の飛行機での日帰りツアーに申し込んだ。まぁ、滝見て帰るだけだしね。
当日朝はホテルまで送迎が来る。朝6時発なので助かる。このツアーは日本人ガイドさんがついてくれるので何かと安心。もう一組、60代と40代くらい?に見える母娘と一緒だった。このお母さまがえらく話好きで、わたしとお母さまでニューヨークについてあれこれおしゃべりスタート。なんでも娘さん夫婦がニューヨーク在住らしく、遊びに来ているのだとか。
JFK空港まで送ってもらい、チケットをもらったらあとは自分で移動。現地でまたガイドが待っているということ。アメリカの国内線は若干不安があるということで、一緒の母娘とゲートを確認し、協力し合いながら飛行機に搭乗。
ニューヨークJFK空港からデルタ航空で2時間弱、バッファロー空港に到着。って、バッファローもニューヨーク州なんですってよ。そこから車で移動してナイアガラの滝まで行くそうな。
現地に到着すると、ウェルカムボードを持った女性が迎えてくれた。なかなかのシニアなガイドさんで、クソ暑い中歩き回るのに大丈夫か?と少し思いつつもガイドさんの説明を聞く。
日本を離れて久しいのか、少し固い日本語で今日の行程を聞く。ま、「滝を見る」以外にないんだけど、陸路でカナダに入国して、滝壺クルーズの船に乗って、ランチ食べて終了。って感じ。
さっそく送迎の車が来て乗り込む。乗り心地のよさそうな大型車ではあったのだが、中を見てびっくり。ものすごく大きなリンカーンなのに、「二人乗り仕様」なのだ。4人いるので申し訳ないけれど、2人は補助席に座ってくれとのこと。ご一緒したお母さまが気を使って「いい席のほうにどうぞ」と譲ってくれた。
乗り心地は別に悪くても良かったのだが、補助席は進行方向に対して後ろ向きに座るので乗り物酔いが怖くて、「帰りは変わります」と言ってお言葉に甘えて良いほうの席へ。座り心地は良いが目の前に補助席で窮屈そうに座っている母娘がいると居心地は悪い。「すいませんねぇ」と言いながら乗る。
ナイアガラ周辺はさすがに観光地化されていて、めちゃくちゃ車が混むらしく、日によってどこまで案内できるかが違うらしい。わたしたちが訪れた日もなかなかの混みようで、入国の列はまぁまぁ渋滞。まぁ世界有数の瀑布となればこれくらいは混むよね、って感じ。
とか言いながら外を眺めていると、遠くに「もしやあれって・・・ナイアガラじゃね?」というのがうっすら見える。
なんというかものすごいネタバレ感があって、あまりにアッサリ見えてしまったのが拍子抜けで、なんか話題にも出しにくく、私の中でこれは見なかったことにした(笑)
国境を抜けていくと、いかにも観光地、というホテルなどが見えてくる。泊まる人も結構いるのかなぁと思いながら通り過ぎる。と、やはりなんかフツーに「ナイアガラ」が現れた。
ふつーに見える。
日本の滝って基本山間部にあるので、こんなあけっぴろげに「丸見え」な滝ってないと思うのよね。少なくともわたしが今まで見た滝はそうだった。
だけどナイアガラの滝って、川から落差のある五大湖に流れ込んでるだけなので、わりかし遠くから簡単に見える。それがちょっとびっくり。
この図を見ても確かに、普通の街に唐突に滝がある感じ
ナイアガラの滝ってひとことでいうけど1つではなく、いくつかの滝が集合して「ナイアガラ」になってるんだそうで。アメリカ側の滝とカナダ側の滝があるんだけど、ちょうど馬蹄状になっている「ホースシュー」という場所がわたしたちが思い浮かべる、いわゆる「ナイアガラの滝」だそうだ。
なのでここはナイアガラなんだけど、ちょっと独立した滝。
ほほうと見ながら移動してるうちにさらに近くに移動し、「ナイアガラの滝」遊覧船に乗ることに。ホースシューの中に突撃するのだ。ドキドキ。
当然びちゃぬれになるのは想定内、事前に調べたところ、船でもらえるカッパはペラペラのゴミ袋だと聞いていたのでいちおう日本の100均でカッパを購入していた。だが船に着くと、カナダ側だと赤、反対のアメリカ側から乗ると青のカッパを着て乗船するらしく、なんとなくこのエキサイティングなツアーの一体感を楽しむにはやはり赤でしょ!といただいたゴミ袋上のカッパを着る。足元もびちゃ濡れになると聞いたので、ビーチサンダルを持参。わたしは濡れた靴を履くのが大嫌いなのだ。
一緒の母娘は準備ゼロだったようで「あらそうなのねぇ・・・どうしましょ」と言っていた。わたしは準備万端にする癖があるので荷物が多いんだけどね。
こんなに気合入れているのはわたしだけかと思いきや、欧米の観光客もビーチサンダルに履き替えていたので、まぁ準備したい人はしていったらいいかも。
そんなこんなでワクワクしながら乗り込む。日本で準備していた時は、びちゃ濡れなんて嫌だなぁと思っていたけど、めちゃくちゃ暑かったのでびしょ濡れ上等!!!な気分。
息子に至っては、「おれは全身ずぶ濡れになることにした」とおもむろにカッパを脱ぎ、スマホなどが入っているバッグだけを守るべく赤いカッパをバッグにグルグル巻きつけていた。空気が乾燥しているし暑いのでまぁ大丈夫でしょう。
あんなドバドバの水の中に入って船は転覆しないものかとヒヤヒヤしたけど、船は普通に滝壺に入っていく。
遠くで見るのと近くで見るのは大違い。ズドドド・・・という爆音とともに攻めてくる大量の水、水、水。
水の音がすごいので、ついついこっちもテンションがあがり「ぬおおーーーーー!」と声を上げる。なんだろね、この無駄にあがるテンション。
だんだん滝の中心部に入っていく。数秒だけど動画を撮ったのでぜひご覧くださいませ。おたけびをあげているのはわたしです。
滝壺のど真ん中は、台風実況で傘を飛ばされそうになりながらレポートしている人の気分。風もすごいし大量の水が顔にぶつかるし、音は聞こえないしでなんかてんやわんや。だけどなんだか異常にハイテンションになり「うわおーーー気持ちいい!」と叫んでいた。息子も超ハイテンションで「なんだこれやべぇ!」とずぶ濡れを楽しんでいる。
いやぁこれは自然のエンターテインメイントですわ!!!
ボートに乗っている時間はあっという間。名残惜しくて手を振る私。
ツアーなので一回乗って終わりなのだけれど、これ自分で来てたら3回は乗るな。ツアーに含まれている料金なので船はいくらか知らないけど
※調べてみたらアメリカ側からのものがあったので参考に。ルートは一緒だけど乗り口が違う(カナダの向かい側)
28ドルなら2回は乗るな。(笑)
そんなこんなでワーワーキャーキャー大興奮していた私たち。興奮冷めやらずで超上機嫌で車に戻る。
これでナイアガラツアーは終わりかと思いきや、ランチをしたあと、もう一つ良いスポットがあるので行きましょうとのこと。
カナダのドライブイン的なところでランチ。定番のバッファローが迎えてくれる。
特筆すべきグルメもないそうでピザをいただき、店内をうろうろしていると、メイプルシロップの試飲ができるところがあるとのこと。メイプルシロップって飲むものじゃないと思うのだが、まぁとりあえずいただく。
メイプルシロップは樹液なので、採取時期によってコクが違うのだとか。
浅い順に「ゴールデン」「アンバー」「ダーク」と種類があり、フレッシュなゴールデンはあまり市場に出回らないらしい。
ということでほしがりの息子が発動し「ねぇお土産買っていこうよ」とねだる。集合時間も迫っているので揉めている暇もなく、ニューヨークでもたいしてお土産を買っていないのにカナダでがっつりメープルシロップのセットを買うことに。しかもこの試飲セットつき。いらないだろw
うちは粉もの焼き菓子を食べない家族なので、メープルシロップを使う機会も滅多に来ないんだけどなぁ。ホットケーキでも焼くか、と思ったが、まだ焼いてない。もちろんメープルシロップ未開封。
ていうか息子、11月にもカナダに学校の研修旅行で行くんだけど、絶対また買ってくるよねぇ。だってカナダってメープルシロップ以外にお土産ないよねぇ。
ブーブー言いながら次のスポットへ。今度は水が落ちるのが見えるスポットに行けるとのこと。へぇーそんなのすごいのかねぇと思いきや、着いたらこれまた大迫力!!!
なんというか、呑み込まれる気もしないくらいただひたすらとんでもない水の量に驚く。youtubeあるのでどうぞ。
ものすごい量の水に圧倒されながら、反対側に行くと、今度はいくつかの滝が並んで見える。
そして、さっき私たちが乗った船がこっちに向かってくる!!!
おおーーここを通ってたのか!!!
おお、船がこっちにきた!!!
ここら辺から台風実況状態になっていったんだな、と客観的に見ることができて面白い。そして虹がかかっていてきれい!!!
大自然!て感じ!
なんだかとてつもなく映える瞬間を見て大満足。さっき浴びた水もすっかり乾いて少し疲れが出てきたあたりでガイドさんが「アメリカ側の滝も見ます?」と。
なんとなくすでに滝でお腹いっぱい感はあり、多少疲れも出てきていたのだが、まぁせっかくなので連れて行ってもらうことに。とはいえホースシューには勝てないだろうと思ったので若干テンション低め。
到着すると、一見フツーの川から、いきなりとんでもない滝に変わる瞬間が見えるスポットで、これはこれで貴重だった。
なんちゅーか地形の問題??川自体はそんなに広くないのに、いきなりこんな流れになるのが驚き。そしてここも水しぶきが相当かかるので、息子はまたにやけながら水を浴びて喜ぶ。
たっぷりナイアガラを満喫したわたしたち、最後に地元のスーパーマーケットに寄ってくれるということで散策。なんとなく地方のイオンを思わせる作りのスーパー。
帰りの飛行機でホテルに着くのは10時過ぎだろうと思われたので、スーパーで晩ごはんを買って帰ろうと物色していたら、なんとスシ発見!
地域柄サーモンが取れるので、サーモンの寿司がメイン。息子は寿司が大好きなので食べたいという。でもここから4時間ほどフライトがあるので腐るのが怖い。アメリカには当然保冷剤などという気の利いたものはない。やめとけと言ったが効かないので、購入して空港で水か何かを保冷剤代わりにするしかない。
そしてガイドさんと別れてバッファロー空港に到着。時間に余裕があるので保冷剤代わりになるものはないかと探し回る。
するとお土産屋さん保冷バッグが売っていたので6ドルと高かったが購入!そこにキンキンに冷えた水を入れ、これで保冷はばっちり!
ふうと一息つき、フライトまで時間があるのでビールを一杯飲んで休憩。
なかなか慌ただしいツアーではあったが、滝は満喫できたし、夏で水浴びも楽しかったしで大満足。
しかしナイアガラは日本の「滝」という言葉から想像される風情とか情緒みたいなものは全くなくて、同じ滝でもずいぶん違うなぁと思った。
日本の滝はだいたい山間部にあるし、秘境的なイメージで「神聖なもの」という印象が強いと思う。龍を思わせるとか、スピリチュアルな雰囲気とか、そういうのも結構あると思う。
だけどナイアガラにはそんなものは一切感じられない。とにかく水のエネルギーはすごいので、パワースポットかといえばパワースポットではあると思うが、なんかそういうスピリチュアリティはみじんも感じなくて、自然がすごすぎて細かいことはどうでもいいや、と思えてしまう。「量で勝負!ドヤ!」な感じ。
イグアスの滝とかヴィクトリアとか世界三大瀑布もたぶんこの「量で勝負」型に違いないだろうし、そう考えると日本の神秘的な「滝」って、ちょーレアなんじゃないかと思った。
参考までに世界遺産、熊野古道の那智の滝。
同じ「滝」と呼ぶのは乱暴よねぇ。
やっぱナイアガラなどは「滝」ではなく「瀑布」というのが正しい表現かなぁと思った。すっごくワイルドで、すっごく地球のスケールの大きさを感じられる。
ちなみに近隣のホテルに宿泊すると、ナイアガラのライトアップを楽しめたりするらしいので、のんびりツアーに参加するのもいいのかも、と思った。今回は息子連れなので弾丸でいいけど、大人同士で行くなら滞在型も楽しいかなぁと思う。
ちなみに、無事保冷して持ち帰ったお寿司がめちゃくちゃ美味しかったのに驚いた。
特にサーモンのコクがあり、食べ応え抜群。
これで「意外と日本料理もいけるじゃん」と脇を緩めてしまったことがあとの大失敗につながるのだが、それはまた後日。
さて、そんなこんなでニューヨーク旅も中盤。
次の日は、幼いころから科学博物館大好きな息子が興奮するであろうアメリカ自然史博物館に突撃!
今日もお読みくださりありがとうございました!
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