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乳がん診断後の精密検査はアトラクション気分【乳がん体験談 5】


いきなり乳がんが見つかり、あれこれ病院を探した挙句、
やっと治療を受けると決まった病院での精密検査が始まった。

前回の記事はこちら

検査は今までには体験したことがないものばかり。
しかし、新しいことが大好きなわたしは、興味しんしんで
病気ハイ、みたいなのもあったのか、
あろうことか検査自体をアトラクション感覚で楽しんでしまった。

ジェットコースターに乗るよりは怖くないし、
もうガンだとわかっているので、腹も据わっている。
より精密に病気のことを知るのが目的なので、そこまで恐怖心もなく、
次々に登場する見たこともない機械に乗って検査するのは正直面白かった。

検査料金はもちろんかかるが、
なんかアトラクションを楽しめたようで
得した気分になったのは私だけだろうか。

やった検査はエコー、マンモ、MRI、そして実際に胸に針を刺して検体を取る生検。ほか、血液検査や心電図などもあったが、そのあたりは普通。

しかし正直、エコーもマンモも
最初に行ったクリニックでやったわけだし
また同じことをやるのかな、面倒だしお金かかるし
不要な気がすると思いきや、

実際に検査を受けてみたら、念入り度が全然違うことに気が付いた。

入念すぎるエコー検査に唸る

がん「らしい」ものを見つける健康診断とは違い、
そもそもガンが「ある」前提で、そのガンがどんな大きさで、どんな性質化を見分けるための検査だ。入念さが全く違う。本気度が別物だ。ガチだ。


エコーは30分くらいかけて入念に調べ上げ、エコーのプロープが同じ場所を行ったり来たり、そしてはた、と止まる。

きっと検査技師さんが手を停めた場所にガンがいるのだろうなと思って質問してみるが、検査技師は詳細については答えてはいけないのではぐらかされてしまう。しかし、何度も同じ場所を行ったり来たりして、「はた」と手が止まると、何か悪いものが見つかったのかと心配になる。

それは年に一度の経過観察の検査でも同じだ。

マンモグラフィなんて甘かった。本気、ガチのトモシセンシス検査


マンモグラフィも普通のマンモではなく、
3Dマンモ(トモシンセシス)といって
とにかく詳細に乳房の細部が見られる機械らしい。

なんと、乳房の断面を1ミリずつスライスして観られるという。
おおおと声をあげてビックリしてしまった。
しかし、詳細に見られる分、ただでさえ痛い乳房を挟まれる時間が長い。しかも姿勢が通常のマンモグラフィよりさらに厳しく、首を反対側に向けて、乳房を思いっきり挟まれ、その姿勢をキープで30秒、、、とかいう芸人がバラエティ番組でやる無理ゲーみたいなやつだ。


マンモは痛いとよく言われるけど
挟まれる系の痛みには比較的強いわたしだ。
今回も楽勝だろうと思ったら、ちょっと甘かった。

乳房が痛いというよりは
首を寝違えそうになる痛さである。

首を逆方向に向けたまま
乳房を挟まれて、そのまま首をさらに傾けてキープし
写らないようにしないとならず

首筋の皮が切れそうに突っ張ったまま
その状態を40秒くらいキープするので
乳房がどうのよりも首が折れそうだった・・・

どうせやるなら楽しんで、と思っていたので、
ギャー痛い、だの、首の皮がちぎれる!だの騒ぎ、
検査技師さんが「もう少しですっ!」と励ましてくれて終了した。

ジェットコースターのようなものでもそうなのだが
怖い時には大きな声を出したほうが気がまぎれる。

船酔いしそうなときとか、怖い時はだいたい、無駄に大きい声を出していれば、少し紛れるのだ。周りに迷惑がかかる場合もあるのでおすすめしないが、こらえればこらえるほどしんどくなるので、状況が許せばおすすめしたい。

MRIには無駄にデカイ乳用のボウルが用意されていた

お次はMRIだ。
脳ドックであおむけに寝るMRIをしたことがあったので
同じかと思っていたが、

なんと乳房専用のMRIはうつぶせであった。
しかもちょうど乳房の場所に大きいボウルが2つある。

そのボウル1つが、自分の腕を丸くして抱えられる程度の大きさだ。
こんなにデカイ胸の人まで対応しているのか?

逆にこの大きなボウルの中ではわたしの貧相な胸など認識されず、エラーが起きるんじゃないかと思うくらいの大きさ。
わたしの頭を突っ込んでも余るくらいだ。

しかし検査技師さんは「大丈夫です♪」とほほ笑む。

全然埋まらないそのでかいボウルに乳を入れ
造影剤を入れるために注射針を刺される。

さらに、検査途中で造影剤を入れるため、
造影剤入りの注射器も自分で握って検査に挑む。
乳をでかいボウルに入れ、あられもない姿で
うつぶせのまま。

MRIなので、騒音防止のためにヘッドホンもされ
なんかすごい状態で、そのままウイーンと持ち上げられる。

検査ハイになっているわたしは
斬新な体験すぎて

「ウヒョー!最新アトラクションみたいですね!」

と叫んでいた。

注射針が刺さっている程度で、特に痛いこともないし
今までどこでも見たことがない検査機器だったので、
乳がんになった人だけが乗れる、特別なアトラクションに乗った気分だった。

MRIは隣の家のドリル音みたいな音だったり
途中リズミカルなラップ風だったり
うるさいけど私は「うるせー」程度で済むので難なくクリア。

乳がんの生検はバチっと太い針を刺す

MRIやエコーなどは検査技師による検査だったが、
お次は胸のガン細胞を取って病理検査に出すための生検。
日を改めて、医師が直接細胞を取る。

これはちょっと怖かったので事前にほかの乳がん体験者のブログを読んだりしていたが、とにかく結構太い針で「バシっ」とすごい音がするらしい。

ただし、麻酔をしてくれるので、痛みはそれほどでもないらしい。

わたしはめっちゃ怖がりなので痛いものは嫌いだが、麻酔で痛みをなくしてくれるなら余裕をぶっこいてしまうほうだ。

手術なども痛いのは怖いが、麻酔をしてしまうので寝ておきたら終わっている。逆に指が化膿して麻酔なしで切開するとか、地味に痛いやつは泣きそうになるほど嫌いだ。

なので、麻酔をしてくれるなら大丈夫だろうと検査に向かった。

この日の医師はわたしの優しい主治医ではなく、別の医師だった。執刀もしているその医師は、とにかく不愛想で偉そうだったが、検査だけの付き合いだと思ってスルーした。

事前に麻酔の説明やら、検査後の説明(お風呂のことなど)を受け、すぐに検査の準備となった。胸に麻酔をされ、そのあと、針を刺して「バチン」と大きめの細胞(というか肉??)をとるのだが、そのときの音の大きさは、ほかのブログで読んだ通り、ビックリするほど大きかった。

その音のインパクトは、でっかい業務用のホチキスでバチン!と何かを止めたような、そんな感じ。麻酔で痛みはないが、衝撃は伝わってきて、でっかいのが取れたかな、、、という感じだった。

わたしのばあいはガンのしこりが自分で触って分かるくらいゴリゴリしていたので、そこを入念に狙って、刺している感じ。腋の下にも腫れがあり、転移が疑われたので、そちらは麻酔なしで細い針で細胞を取った。

治療前の診断のための検査はこんな感じで終了した。
ガンのタイプや進行度が分かるので、多少緊張はするが、そもそも「ガン」と結果が分かっている前提での検査だったので、なんだか気楽に受けることが出来た。

乳がんを宣告された瞬間はあまりに突然で受け入れるのに時間がかかるかと思ったが、病院選びや検査など、実務的に動くことが多く、悩んでいる暇がなくて逆に救われたなと思った。

じっとして悩めば悩むほど答えから遠のいてしまうように感じるときがある。そういうときはやはり手を動かしたり、身体を動かす、少しでも前に進む気持ちで何かをすると気がまぎれていくような気がする。

今日もお読みいただきありがとうございました!


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