吉田類になりたい。佐原で「おんな酒場放浪記」気分を味わう
私はとても酒が好きで、ビールの缶を開ける「プシュ」という音を聞かないと1日が終わらないタイプだ。
うちの旦那は家ではお酒を飲まない。健康のためにというが、もともとあまり好きではなく、お酒も強くないというのがあるんだけど、
その割によく「吉田類の酒場放浪記」を見ている。
吉田類の酒場放浪記とは、
酒場という聖地へ
酒を求め、
肴を求めさまよう、、
というのがコンセプトの番組だ。
聞こえはいいが、酒好きのおっさんがただ飲んだくれてるだけの番組だ。
実は、「おんな酒場放浪記」と言う、レディース版もあるのだが、
やはり吉田類のインパクトが大きくて、めちゃくちゃ美味しそうにお酒を飲み、めちゃくちゃ美味しそうにつまみを食べ、カメラが回っているのお構いなしにぐいぐい飲んで、本気で酔っぱらって、最後は何言ってんだかわからず、ろれつの回らない話をしながら謎の川柳を読む。と言う締め方で、そのいい加減さがたまらない。
だけど店のセレクションがとても良くて、昭和ノスタルジーの赤ちょうちんばっかり入るものだから、あー行きたいと言う気持ちになる。
旦那が見ていたのに、わたしまでハマってしまった。
ただ、私は飲んべえだからそう思うのであって、
飲みもしないのに、なんで旦那はそんなもの観るのかと不思議に思って聞いてみたら、
「あーゆーのって自分はできないけど、いいなぁ」と憧れを持ちながら見ているのだそうだ。
旦那は都内でも、下町のほうに勤めているのでやろうと思えばすぐできるのに。
私は、旦那とは違う意味でそれに憧れる。
まだ息子がわたしの手を離れず、夜にフラフラと酒場放浪すると言うのは私にとってはハードルの高いことで、そもそも新興住宅地にあんな昭和ノスタルジーな店がない。
今のところ、あれこれ忙しすぎて、夜の酒場に遠征する体力もない。
だから、フラフラ飲み歩くって憧れるし、赤ちょうちんの店に入って、カウンターで飲むって幸せそう。
だから今回、息子の宿泊行事の日程に便乗して一人旅を決めたとき、夜は必ず酒場放浪記みたいな出てくるような赤ちょうちんで1人飲みしたいと思っていた。
宿泊など知らない場所が苦手な息子をなんとか集合場所まで見送ってから、佐原に来た。
目的は香取神宮、鹿島神宮、息栖神宮の、東国三社めぐり。
この神社に近いゲストハウスを探したら、佐原にあったので、そこでステイを決めたまでで、あとは息子のケアに追われて何も調べていなかった。
佐原は小江戸と言われる度の街並みが有名な場所らしく、川沿いに並ぶ江戸時代の建物がとても風光明媚な町だ。
だが、そこを少し離れると、昭和のノスタルジックな光景も見られる。
江戸の建築を利用したお店は、私が滞在しているゲストハウスも同様だが、とにかくおしゃれにリノベーションをされていて、めっちゃおいしい窯焼きピザ他のイタリアンだの、そういったオシャレ系のお店ばっかりになっていた。
それはそれでとても素敵なのだが、そういうものは割と都会にある。
だから、私は赤ちょうちんで、おっさんが来るようなところで飲みたい。
せっかくなら、本気の酒場放浪記みたいな場所に入りたいと思って、口コミなどを調べて1番よさげなお店に勇気を出して入る。
赤ちょうちんのお店って、中が見えないようになっていて、どんな空気なのかもわかんないから、1人が全然大丈夫な私でも結構緊張する。
思い切ってガラリと扉を開ける。
普段は混み合っているようだが、今日は月曜日だからか、時間も早いせいか、お客様はまばら。
手際良いおかみさんが1人で切り盛りしている。
焼酎のボトルキープの数を見ると、地元の人に愛されてるお店っぽい。
私のような観光客もよく来るのか、手慣れた感じ。今日はめちゃくちゃ暑かったし、佐原の街をぐるぐると散策したので喉が渇いた。生中を頼んだらすぐに提供。
ビールがんまい。
お通しのマカロニサラダが空きっ腹にうまい。
こちらのお店は、もつ焼がメインらしい。もつ焼きってあんまり食べたことないんだけど、「すいぞう」がおいしいと聞いたので思い切って注文。
そもそも焼き鳥って、焼きたてのものを食べる機会って居酒屋に行かないと無い。
軟骨やらつくねやら、何本か串を頼み、焼きたてのネギが食べたくてネギ串も頼む。ネギうまい。
それと、梅きゅう。
梅きゅうりは、サッパリして暑い日のビールにぴったり。普段、きゅうりなんてそんなに食べないのに、この梅きゅうりがおいしすぎて全部食べるのがもったいなくてチビチビ食べた。
間違いなしのだし巻き卵。
ポッテリとしただし巻きも、荒くおろした大根おろしと一緒にいただいて、はぁ、ほっこりする美味しさ。
はぁー、沁みる美味しさ。
ビールが進みまくって3杯飲んじゃった。
本当は、もつ煮込みと餃子も食べたかったんだけど、お腹が限界でした。
こう言ってはなんだが、商業ビルや新しい飲食店て「普通のもの」って意外とない。
妙に創作が入ってたり、奇をてらったりするんだけど、そんなことしなくてよくて普通においしいものを提供してくれたらいいのだ。
おしゃれなものじゃなくて、普通においしいものを自分が座っているだけで提供してもらい、片付けの心配なく食べ散らかす。
ついてるテレビをなんとなく眺めながらの焼き鳥。これぞ主婦の最高の贅沢。
そしてそれこそ、赤ちょうちんに求めているものだ。
それが叶ってめっちゃ幸せ。
しかも、ビール3杯飲んで、おつまみいろいろ頼んで、お会計3000円ちょっと。お財布に優しすぎて、近くにあったら毎日寄ってしまいそう。
今回訪れたのは、佐原の「仙台家」さんというお店。
駅から徒歩圏。路地を入ったあたりなのでわかりにくいが、そこもまたノスタルジックで良き。
つかの間の休息に、とてもいい気分でおいしいものをいただいた。ごちそうさまでした。
近くに行く時は、ぜひ立ち寄ってみていただきたい。
今日もお読みくださりありがとうございました!
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