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生まれた土地の神さまに会いに。産土(うぶすな)神社参りで涙した瞬間


1.自分担当の神さま(産土神)に会いに行く


先日訪れた、奈良&京都旅行で、ずっとずっと行きたいと思っていた「産土(うぶすな)神社」をやっと訪れることができた。

産土(うぶすな)神とは、この世に生まれて、自分をサポートしてくれる「自分担当の神さま」のこと。その神さまに会える場所が「産土神社」だ。

基本的に、お母さんの胎内にいるとき~生まれた土地の土地神様が担当してくださるので、京都生まれのわたしの産土神社は京都にある。京都の中心地より少し外れているし、なかなか寄るタイミングがなかった。

今回は「神社ツアーに参加する」という大きな目的があったので、今度こそ自分の産土神社にお参りしようと思っていた。

わたしの産土神社は京都市左京区一乗寺の「八大神社」

旅行計画のうち、最初の2日は奈良に滞在するので、3日目の最終日、朝から京都に移動し、新幹線に乗るまでの時間を使うことにした。

2日目の奈良神社ツアーを催行してくださったくれや萌絵さんにその話をすると、一緒に行ってくださることになった。

実はわたしも、そんなこと数年前まで全然知らなかった。神社に興味を持っていろいろな人のブログを読んでいるときに知った概念。

詳しい人の解説の方が分かりやすいと思うので、くれや萌絵さんのブログより引用しておく。

産土神とは
あなただけをサポートしてくださる、「あなた専属の神さま」です。
あなたが生まれる前から(お母さまが妊娠中から)
あなただけを見守ってくださっています。
土地にはたくさんの「土地神」がいらっしゃいます。
産土神は、あなたのお母さまが、あなたを妊娠中にお住いだった場所に
いらっしゃる多くの土地神の中のお一人(一柱)です。
産土神は、名もない神さまですが
だからこそ、私たち一人ひとりを担当してくださることが出来ます。

さらに詳しい解説は、こちらの記事でどうぞ。

※ちなみに萌絵さんは産土神社を調べてくれるサービスもやっている。わたしもこのようなサービスで、自分の産土神社を知った。

2.澄み渡る空と、凛とした空気の中、ご挨拶


2-1.生まれた場所にドキドキしながら足を踏み入れる

わたしは生まれてから3歳くらいまで京都に住んでいたのだが、その後家を転々と引っ越し、最終的に群馬で育った。なので、京都の記憶は全くない。

だから、当時住んでいた場所にほど近い、産土神社に行くのはドキドキした。わたしはどんな場所で生まれたんだろう、というのも知りたかった。

わたしの産土神社は京都市左京区にある「八大神社」というところなのだが、


宮本武蔵が佐々木小次郎と決闘したと言われる「一乗寺下がり松」の近くで、こちらの神社も宮本武蔵ゆかりの地。

なので、一乗寺下がり松の古木があったりする。

2-2.ご祭神は、スサノオ一家


八大天王が勧請されてできたとのことだけど、
八大天王とググっても、あまり詳しく出てこなくて分からなかったのだが、萌絵さんによると「スサノオの子どものこと」だそう。

確かにご祭神が素盞嗚(すさのお)命、稲田姫(いなだひめ=くしなだひめ)命、八王子となっている。なので、親子で祀られているということだ。


スサノオノミコト(いらすとやにあった!)

スサノオの子どもは古事記では8人(男5、女3)となっていて、故事としてエピソードがあるのだが、これを八大天王と呼んだり、八王子とも呼ぶのだそう。

どこかで聞いた名前だと思ったら、東京にあるね、八王子。こちらの地名もスサノオとその子たちに関係あるのかもねぇ。と話しつつ参拝。

2-3.いよいよ産土神社に足を踏み入れる

澄み渡る空に、凛とした空気、神社じたいが、丁寧に大切に手入れされている感じが伝わってきて、なんだか嬉しかった。

ここのずっと奥は比叡山につながる、京都の中でも少し山のほうにあるので、雰囲気は抜群。良いところに住んでたんだなぁ、わたし。

紅葉シーズンだったけれど、観光客もいなくて、ゆっくりお参りすることができた。

2-4.「やっと来ました」とウルウルする

いざ拝殿前で参拝。人もいなくてじっくりお参りしようと手を合わせ「やっと来られました」という報告をしたら、なんだか心の中が暖かくなって、こみあげてくるものがあった。

なんとなく「よく来たねぇ、元気で来てくれて嬉しいよ」と言われているような気がした。じんわり暖かくて、自然と「ありがとう」と感謝の気持ちが湧き出る感じ。


3.境内のいろんなところに「丁寧さ」を感じる


境内全体が「なんだか大切にされているなぁ」としみじみ感じる理由のひとつに、まめな手入れが必要な、立砂(三角の砂で、神さまの依り代)や、階段のところどころに生花のあしらいなどがされていることもあると思う。

3-1.けっこう珍しい?立砂とは


ちなみに、本殿の両脇にふたつ、盛り塩みたいな形の砂があって「なんだろう?」と不思議に思った。

公式ホームページより

この三角の砂は「立砂」というそうで、上賀茂神社にもあるらしい。

この立て砂、見たことがなかったので萌絵さんに聞いてみたのだが、萌絵さんも上賀茂神社とこの神社でしか見たことがないそう。

そのあと「立砂」についての面白い記事を送ってくれた。

立砂は実際には神社の社殿ができるよりも古い時代に神の依り代とされたもの。その時代にはひとつだったものが、社殿が作られるようになってから左右にひとつずつの形となったとのこと。

この間を通ることで身が清められるとされており、これは現在行われている「盛り塩」の役割に通じるものです。

立砂自体は、神さまが降りてくる「依り代」なのだが、その白い砂が北白川で取れる白い砂で作られていることから、この周辺の神社にしか見られないのだそう。

小さいけど本殿の両脇にあるのが立砂

3-2.手水舎に花のあしらい

「丁寧に、大事にされている神社なんだなぁ」と感じたのは、手水舎にも。
花がキレイに添えられていて、可愛くなっている。

龍まで可愛く見えちゃうのが素敵。

この旅行中に訪れた石上神宮も花手水があったけど、そちらもすごく雰囲気が良く、手入れされている感じだった。

なんとなく世の中、「自然のままが一番」みたいな雰囲気もあるけど、人の手が入っているということは手をかけているということ。

どんな場所でも、手を入れなければ野ざらしになってしまう。自然って、そういうこと。きちんと手を入れて、大事にされている空気感って、あったかいよ。

参道に見える苔まで美しい。

3-3.本殿への階段に生花のあしらい

本殿につながる階段の脇には、生花のあしらいがあった。これもすごく可愛くて、丁寧さを感じる。ようこそ、と迎えられている感じがするのも嬉しいよね。

4.鉾とか武蔵とか


4-1.宮本武蔵ゆかりの地



ついでっぽくなって申し訳ないのだけど、ここは土地柄、宮本武蔵ゆかりの地だ。一乗寺下がり松での決闘、ということで、現在の下がり松ではなく、古木の下がり松が展示されている。

さりげなく宮本武蔵像もある。

4-2.剣鉾

この神社のもうひとつの目玉は「鉾」。5月の例大祭にはこちらの鉾の巡行があるそうだ。


5.産土神社が素敵なのは、めちゃ嬉しいことだけれど


5-1.産土神社のご祭神=産土神ではない!

こんな感じで、わたしの場合は生まれた場所が京都だったこともあり、なかなか訪れられなかった産土神社。

なかなか行けない場所だからこそ、行きたい気持ちとか期待が高まり、結果、とても雰囲気のよい神社で嬉しかったわけなのだが、

産土神社は、その土地の神さまに会える場所、というだけで、別にわたしの産土神社が八大神社だからといって、ご祭神の八大天王が、わたし担当の産土神というわけではない。

神さまは八百万というだけあって、めちゃくちゃたくさんいらして、その中の名も知れぬ神さまのうちの一柱がわたしの担当だ。日本の幹部クラスの八大天王がわたしひとりの担当なわけない、と考えるとわかりやすいかも。

産土(うぶすな)神、というのは、
あなただけをサポートしてくださる、土地神さまです。
マンツーマンで、あなた専属。
あなただけの開運を担当する神さまが産土神です。

くれや萌絵さんブログより

5-2.転居で離れてしまったら「神さま出張所」に行こう


生まれた土地の土地神様なので、生まれた場所に近い神社が一番会いやすいのだけれど、わたしのように転居などで遠くに行ってしまい、産土神社にはなかなか行けない場合がある。

その場合には「鎮守神社」といって、住んでいる場所の近くで産土神に会える出張所を教えてもらい、そちらに行く。××銀行の本店にはなかなか行けないので、支店に行く、という感じらしい。

神さまは都合の良いことに物理的な身体がないので、ビュンってきてくれるよね。

だけどやっぱり、いちばんご縁があるのは生まれた土地の神社だから、行ってみたくて、行けてよかった。

天下一品のラーメンは好きだけど、やっぱ本店攻めたいよね、みたいな感じ。(笑)

5-3.産土神社が豪華でなくても、そこにあなたの担当神がいる


実はこんなに大喜びをしてしまったが、産土神社は、生まれた土地の神さまなので、神社が常に豪華なわけではない。すっごく寂しくて小さい神社な場合だって当然ある。

うちの息子の場合がそうだ。息子は山を切り開いてマンションをブチ立てた新興住宅地で生まれた。伝統的なものは見当たらず、街にひとつだけある神社も常にシャッターが閉まっている状態。元旦だけ自治会のおっちゃんたちが総出で甘酒を配っていて、お守りが買える。

息子の産土神社をリサーチしてもらうと、そこの神社ではない、少しはずれの神社だったが、これまた、周りがすべて宅地開発され、ほんの少し残った竹やぶの山にギリギリ残された小さな神社だった。そりゃそうだよね、宅地開発される数十年前まで、何もない山だったんだもの。

だからそちらにお参りするときは、蜘蛛の巣をかきわけていったり、紙垂がちぎれているのを見てちょっと悲しかったりするが、それはこちらの都合であって、産土神さまは、そこにいる。

生まれ育った場所が選べないのに似ているのかな、と思う。わたしは京都生まれだけれど、群馬の片田舎育ちで、「どうせなら京都で育ちたかったぜ」と思うけど、それはわたしにはどうしようもないことで、だからこそ今のわたしがあるのだ。

どんな人生を送っていても、自分を全力で応援してくれる産土神さんに会えるなら、神社の大小よりも「そこで会える」ことに重きを置いて、コミュニケーションをとるほうが楽しいよね。

5-4.産土神に会いに行かなくても応援してくれるけど、そりゃ会いに来てくれたら嬉しいよね


で、ここまできて、けっこうな「そもそも論」に戻ってしまうのだけど、別に神社に会いに行かなくても、自分担当の神さまは自分を応援し続けてくれるのだから、いいんじゃないか?と言う話。

まあ、そもそも産土神がいるかどうかだって、「そう考えられている」と言う話で、ほんとかウソかはわからない。

自分が信じたほうが楽しければそうすれば良い、というだけだ。わたしの場合は、見えないけれど応援者がいる、と思ったほうが心強いので、いる、ということにしている。

そして、萌絵さんがよくお話ししてくれ、そのたびに納得するが神さまとの接し方。

「神社参拝について、あれこれ決め事が言われているけれど、そんな細かいことは神さまは言わないやろ?だって神さまやもん。もし自分が神さまだったとしたら、自分担当の子がただ会いに来てくれるだけでうれしいと思わへん?」

と言われて、そうかそうか、確かに神さまって細かいこと言わないよね。自分が担当している子が自分(神)のことを知って、わざわざ会いに来てくれたら嬉しいよね。と納得した。

こう考えると、神さまとの付き合い方のハードルがグンと下がるよね。

だからわたしは神社に行くのが楽しくなったし、いろんな土地にいる神さまや、その神さまを祀った昔の人々に思いを馳せながらの神社巡りが好きになってしまった。

これからも楽しみながら神社を訪れ、神さまとコミュニケーションをとってみようと思う今日この頃だ。

今日もお読みくださりありがとうございました!

産土神のあれこれは、こちらの記事が詳しいのでご参照を。



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