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 企業研修講師としての仕事を始めて4年目。初めて新入社員研修にメイン講師として登壇しました。新入社員研修は研修講師として一番仕事のある時期、ではありますが、受講者と年齢差が大きいという背景から、新入社員と同い年の息子を持つような私には今までメイン講師としての登壇機会はなく、今年、お話しをいただいた時も、私でよいのか…と迷いました。

 日本の、世界の未来を担う新社会人のみなさまの最初の一歩をご一緒できることは本当にありがたいこと。だからこそ、私が登壇する意味。私だからできる研修とは何かを考え続けました。そしてようやくたどり着いたこと。それは、”仕事を、そして人生を愉しむ方法”のヒントを伝えることだと考えました。

 今年の新入社員の多くは、コロナ禍突入と共に大学生活がスタートし、恐らく一番最後まで学ぶ環境の制限を受けていたのが大学生だったと思っています。世の中が大きく変化し、就活もその変化の一つ。そのような背景の中、受講者のみなさまの真面目さには本当に頭が下がりました。その方たちへ伝えてきたことをもっと多くの新社会人のみなさまへ伝えたく、noteの記事としてまとめることにしました。

ヒント④
人から応援される人でいよう。

 組織で働くと、たくさんの人との出会いがあります。同じ会社、部署の人だけでなく、お客様、パートナーさんなど、同じ目標に向かって共に頑張る存在があることは、組織で働く醍醐味と言えるでしょう。

 私は入社後8年間、求人広告を作る仕事をしていましたが、新人であってもクライアントである企業様の人材採用の一翼を担うことになることに、喜びと共に責任を感じていました。また、広告を作るにあたり、ライターさん、デザイナーさん、イラストレーターさん、カメラマンさんなど、たくさんの方と一緒に仕事をするので、例えば、クライアント企業の社長様の取材の時に、ライターさんやカメラマンさんと一緒に行き、その場で取材、撮影を仕切らなければならず、一人で瞬時に判断することのプレッシャーを常に感じていました。「できる新人」と認めてもらいたくて、一人でがんばってしまう、そんな新人時代を過ごしていました。

 そんな中、同じ課に、アルバイト職として入社してきた営業の女性が、あっという間に大型受注を決め、課内みんなでお祝いムードになりました。その女性は、なんでもかんでも先輩に相談し、企画書も先輩が言ったままを形にしていったような状態で、「自分の力でないのに、ずるい」。そんな風に思っていました。

 その彼女とは仲良しではあったので、素直にそう思っていることを話しました。すると彼女は「だって、新人だもの。一人でやっても限界があるし、お客様のために少しでもいい企画をと思ったら、先輩の力を借りた方がいいじゃん!」と。

 ハッとしました。そっか、自分が認められるとかそういうことではなく、「お客様にとっての最善とは何か」と考えれば、自分一人でやるよりも周囲を巻き込み、組織の力でよい提案をした方がいい。それでお仕事がいただければ、結果、組織のため、会社のためになるのだ。

 新人時代は、自分の力としては未熟ですが、新人の特権は「周囲の人が応援してくれたり、助けてくれたりする」「わからないことをわからないと言える」ことだと私は思うのです。だからこそ、周囲の人が「応援したい!」「助けたい!」「教えてあげたい!」と思える人であることが、大事なのです。叱られたり、指摘されり、アドバイスを受けた時は、素直に聞きましょう。もしかしたら「?」と思うことがあるかもしれません。それでも一旦受け入れて、やってみる。そんなスタンスで周囲と接していけば、きっとたくさんの人があなたの成長を支えてくれますよ。

 ~次回へ続く~


 

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